女子ゴルフツアーは、先行きまだまだ不透明の中で「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)で6月25日にフタを明けます。3月5日から約3ヶ月半遅れ、第17戦目の開幕です!日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は新型コロナウイルス感染拡大で開催中止が続いていた今季のツアーを無観客ながらようやく「アースー」で解禁すると発表。待ちに待ったスタートラインが明確になりました。今年と来年を統合「20~21年シーズン」としたニューシーズンがついに始まりますが、第1戦にはさっそく畑岡奈紗、河本結の米ツアー組はじめ鈴木愛、渋野日向子、上田桃子ら主力メンバーが揃って出場登録を済ませました。6月中まで入国拒否中のためイ・ボミ、申ジエ、ペ・ソンウ、イ・ミニョンらの韓国勢は来日できません。開幕戦は決まったものの、その先中止を決めている大会が4試合あり、その他もすべて未定。今季の女子ツアーの行方は、まだまだ灰色のままでの出発進行です。
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実に112日遅れのシーズン開幕です。3月5日の開幕戦から17試合目でのティーオフですが、コロナウイルス騒ぎのなか、大会主催者・アース製薬の「ゴルフ界のためにも何とかやりたい」との意向が強くJLPGAも無観客での開催で同意したといわれます。そのかわり厳戒態勢が敷かれます。5月20日に発表されたゴルフ関連5団体のガイドラインに沿って開催。無観客だけでなく、出場選手は大会2週間前から体温測定、各個の行動日誌の作成等を義務づけられます。マスコミ取材も、中継局を除いてコースからシャットアウトでリモート会見ですますという設定。大会は地上波の放送はなく、4日間とも全18ホールはインターネット中継でカバーされます。選手の家族、マネジャー、トレーナー、キャディーらもクラブハウスには入れません。小林浩美会長は「最終的にはまた検討中ですが、目に見えない感染リスクを抑えるため、除外条件を一つ一つ選択して決定したい」としています。とにかく前代未聞の徹底した予防策を敷き詰めた大会会場となるはずです。
コロナ禍によって現在国内女子ゴルフツアーは、全37試合のうち半数を越える20大会が中止となっています。5月25日には、今年の残り試合と来年とのシーズン統合が発表され「20~21年シーズン」という史上初の開催方式が採用されました。国内の主要プロスポーツでは6月19日開幕が決まったプロ野球に次ぐ始動ですが、「アースー」が強硬開幕するあとは、すでに資生堂アネッサ、ニッポンハムレディス、大東建託いい部屋ネットが中止を表明しています。
さらに「アースー」の開幕発表の日に、賞金総額2億4000万円で最高額で並んでいた延田グループ・マスターズGCレディス(10月22~25日)の中止発表がありました。例年、賞金女王争いの決め手となる終盤戦のビッグゲームが約4ヵ月半前の早期中止表明には驚かされました。全37試合のうち20試合目、「アースー」後では4試合目の消滅。開催未定は残り16試合ですが、その動向も予断を許しません。ウイルスの消滅が明確にならない限り、まだまだ安心はしていられないスポーツ界です。
満を持している″しぶこ〝もいよいよ登場です。(契約中の)スポンサー大会3試合(Tポイント×ENEOS、KKT杯バンテリン、サントリー)、前年優勝大会2試合(ワールド・サロンパス杯、資生堂アネッサ)を流している渋野日向子(21)。来年の東京五輪出場権確保への第1歩も踏み出します。昨季圧巻の7勝で2度目の賞金女王を獲得した鈴木愛。統合シーズンで今季の賞金女王はなくなりましたが、2季連続賞金女王を狙います。「不安な日々だったけど再開が決まってうれしい。でも、ウイルスが終息したわけでないので、感染予防に努めながら試合に臨みたい」と、慎重な姿勢を崩さずに決意を述べています。
長かったシーズオフで、十二分なトレーニングを積んだ女子プロ選手は多いでしょう。中でも成長著しい勝みなみ、原英莉花、小祝さくら、柏原明日架、古江彩佳らに加え、アマチュアの強豪、安田祐香(18)、西郷真央(18)、吉田優利(20)、西村優菜(19)らが参入してくる女子プロ界は、若手群像の大激戦が演じられそうな気配です。今年から来季にかけての統合シーズン、風雲急を告げる中、何が起こるかわかりません。
(了)