国内の女子ゴルフツアーは第21戦の大東建託いい部屋ネットレディスの中止が発表され、今季女子ツアーは全37試合中19試合目のキャンセル。遂に年間ツアーの半数を越える大幅減となりました。残る18試合でさらに中止が増える可能性も大とあって、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)小林浩美会長(57)は、今年と来年を一つに統合する「20~21年シーズン」とする開催方法の変更を発表しました。すでに米男子ツアーが採用している年をまたいだシーズンとなりますが、シード権に関しては今年のものがそのまま来年度に持ち越されます。よって今年は史上初めて「賞金女王」のいない年になります。新型コロナウイルスの拡散はゴルフ界にも異常な事態を及ぼしました。女子新シーズンの日程は未定ですが、最速でアース・モンダミンカップ(6月25~28日)が「20~21シーズン」の開幕戦となる可能性が高くなっています。
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新型コロナ禍で、女子ツアーは今季の全37試合中、半数を越える19試合が消滅しました。まだ1試合も行われていません。小林浩美会長は、次々と中止が決まって試合数が減っていくツアーには、頭を悩ます日々が続きました。5月上旬には開催方式を見直す考えをほのめかしていましたが、中止が全試合の半数を越えたことで遂に″決断〝を下しました。
「試合数が年間の半分を下回り、(これから試合をしても)賞金ランキングなどは選手の総合的な実力を公平に反映したものにならない。これを基にして翌年のシード権を付与するのは適切ではないと判断した」と、前代未聞の2年分統合の1シーズン制を説明しました。今年行われる試合と来年度分を20~21年シーズンとして一つに統合する。出場資格は今季(19年成績)のものがそのまま持ち越されます。シーズンは12月~2月の中断期間はありますが、今季分だけの表彰はなく、従って今年は史上初めて「賞金女王」が誕生しない年になります。成績がよくても悪くてもそのまま来年分に繰り越され、21年分と合算されます。
今年何試合できるか、また来季、スポンサードされる試合は果たして何試合になるのか。その総試合数は現時点では未定ですが、37試合だった今季から試合数が増えることは想定できます。来季へ持ち越されるシード権については、20~21シーズンの開催試合が従来の1シーズンを想定した34試合(日本女子OP、JLPGA選手権リコー杯、日米共催のTOTOジャパン・クラシックの3試合を除いた試合)に達するまでを有効とし、この時点の賞金ランクを残り試合の出場優先順位とします。なお、今季のプロテストは開催が予定されており、8月下旬から9月上旬にかけて1次、2次を経て最終20位タイまでが合格となります。しかし、来年のツアー出場優先順位を決めるQT(ツアー出場予選会)の中止が決まっています。プロテストに合格したもの、さらに成績が悪くてQTを受験しようとするものにとって、ツアー出場資格をとる場が失われます。小林会長は、その救済措置として来年の試合は出場選手枠の人数増を検討中。「各大会の主催者(スポンサー)にお願いする」(小林会長)としています。
今年については、6月25~28日の第17戦、アース・モンダミンカップ(千葉・カメリアヒルズ)が開催の可能性を探り、いまもって「中止」の声明を出していません。このあと3大会がすでに中止を発表していますが、ここで開幕する公算が大きくなっています。形式は無観客試合となるでしょう。5月末、ゴルフ関連5団体(JGA、PGA、JLPGA、JGTO、GTPA)による新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインが作成、発表されました。それに従いながらも小林会長は「本当に一刻も早く試合を行いたい」と、再開の日を待ちわびています。
(了)