ジャンボ尾崎記念チャリティ―ゴルフ(2日間競技=大会名「ISPS HANDA医療従事者応援・ジャンボ尾崎 記念チャリティ―トーナメント」)が、国際スポーツ振興協会(ISPS)の肝いりで主催されます。ツアー通算94勝の尾崎将司(73)の名が冠となる大会は初めて。9月14(月)、15(火)千葉・GOLF5カントリー オークビレッジ が会場。賞金総額3000万円(優勝賞金600万円)。出場資格は原則として49歳までの男子プロ104名(年齢の特例あり)。73歳のジャンボ尾崎も出場の予定。また女子でもISPS HANDA 医療従事者応援・チャリティ―レディスが同じく賞金総額3000万円、優勝600万円で8月3(月)、4(火)、静岡・伊豆大仁GCで参加45歳までの女子プロ112名により開催されます。ISPSはさきに発表されていたシニアツアー新規2試合(静岡・朝霧CCと群馬・赤城GC)の開催も改めて正式発表。中止が続く中「コロナに喝!」の名のもとにゴルフ界に新参入するISPSには大きな注目が集まっています。(チャリティでは男子は全員の賞金の20%=税引後=を地元の医療機関に寄附。女子は各自で決めた額を地元の医療機関に寄附)。
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東京・新宿の京王プラザホテル南館エミネンスルーム。司会は芹澤名人。3人がけの長テーブルを1人に制限して、各テーブルにはフェイスシールド、マスク、ビニール手袋のセットが用意されました。大勢が集まる発表会だけに、コロナ感染対策には万全を期したISPSの用意周到さでした。それは新設したゴルフトーナメントにも及びます。新設の4試合とも有観客・入場無料で行います。日本プロゴルフ協会の感染防止対策ガイドラインに従って開催するのはもちろんですが、ギャラリー、および入場者全員にフェイスシールド、マスク、ビニール手袋を無料配布。このセットを「1万枚用意している」と半田晴久会長。入場時の検温、クラブハウス内では次亜塩素酸水噴霧器も設置。ドアノブなどには接触感染対策テープの貼り付け。アルコール消毒の徹底。うがいの励行。ゴルフ場施設およびコース内での密を回避ために人員誘導。さらに競技者、関係者などには問診票の提出が求められる・・等々徹底した予防策が講じられます。
三密を避けるためには半田晴久会長が考案したという頭に小池百合子都知事のお面をつけ「密です、密です、蜜です」と巨大な指さし棒をかざして巡回、濃厚接触を阻止します。「コロナ対応のソーシャル・ディスタンシング・バラバラ観客システム」と銘打ち、有観客にする以上は深刻にならず楽しく成功につなげたいという。すでに野球、サッカー等は観客をいれて再開しており「ゴルフもISPSが開幕戦を乗り切って今後のレギュラーツアーへいい流れを作りたい。もし感染者が出たら、その人の月収に見合うものを補償するし、ISPSがすべての責任をとります。
私は腹を決めています」と半田晴久会長は″決死の思い〝を述べています。
コロナウイルスによって日本も世界も大きなダメージを受けました。ワクチンもなく、治療法も手探り状態が続く中で医療従事者は、不眠不休の努力でコロナや医療崩壊と闘っています。ISPSはそんな医療従事者を応援するチャリティ―試合として男子は、尾崎将司プロに賛同を得ました。女子は、自分のお金を寄附し続けているという大山志保プロを今年からISPSのアンバサダーに命名し、チャリティゴルフの先頭に立ってもらうという。記者発表会場(京王プラザ)の大きなスクリーンにはジャンボ尾崎が登場してリモートで会見。2時間になんなんとした発表会の最後までジャンボも″同席して〝コメントや質問にも答えました。
「男子は試合数も少ないし、試合がなくてプロたちは飢えている。人気のある女子にも圧倒されている。いま自分に何ができるのか真剣に考えてほしい。頑張れとハッパをかけたい。今回のチャリティ―試合、(出場する)気持ちはあるんだけど、なかなか体が動かない。出るために準備しないと・・。考えさせていただきたい。賞金も全額寄附したいけど、ここ何年も賞金はとってませんからね」と、レギュラーツアーに出ても持病の腰痛などで棄権するか、2日間やっても予選落ちが続く現状には苦笑でした。しかし、自分の名を冠しての記念チャリティの実現には前向きな姿勢をみせたジャンボ。きっと体調を整えて出場するでしょう。
一方シニアツアーの方は、すでに発表していた「ISPS HANDA コロナに喝!!シニアトーナメント」は7月30(木)、31日(金)に静岡・朝霧CCで今季のシニア開幕戦として行われます。加えて半田会長は「倉本会長から、毎年2万人ものギャラリーが集まったファンケルクラシックが中止になったと連絡を受けました。選手もファンもさぞかしがっかりしたことだろうと思い、ファンケルがあった日程にもう1試合行うことにしました」とシーズンに入ってから″即決〝したことを明かしました。8月21(金)~23(日)の3日間、賞金総額5000万円(優勝1000万円)。ビックトーナメントの新設です。今年は日本最初のプロゴルファー福井覚次氏がプロとして誕生してから100周年に当たります。そこでISPSが行うシニア開幕第2戦は「プロゴルファー誕生100周年記念」のサブタイトルつきの「ISPS HANDA コロナに喝!!シニア トーナメント」となりました。
開幕1、2戦をISPSが行うのですからPGAにとっては貴重なスポンサーです。「ISPSの2試合がなければ、今年のシニアは6試合になるところだった。シニアツアーで一番高い賞金総額は日本シニアオープンの8000万円。今年は、ISPSが開幕戦3000万円、第2戦5500万円で、2試合の合計が8500万円。今年はISPSが日本一の賞金総額です」―半田晴久会長の誇らしげな表情が、印象的でした。
(了)