男子ゴルフの石川遼(30)がコロナ禍にまつわる“事件”を起こし、ゴルフ界に衝撃が走っています。米国から帰国後14日間の自主隔離期間中に一般客も利用するゴルフ場で練習やラウンドを行い、複数の仲間との飲食も行っていたことが発覚したのです。石川側は謝罪文を出し選手会副会長職を辞任。国内戦復帰予定だった三井住友VISA太平洋出場も辞退しましたが、騒ぎはこのままでは収まりません。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の副会長職の処遇も注目され、残る3試合の今季ツアーへの出場も不透明です。今季、レギュラーツアーの冠スポンサーにもなったISPSの半田晴久会長(69)は「お詫びの仕方が間違っている。今年の残り試合はもちろん、来季も半年は試合出場は停止すべき。才能豊かな遼クンが、より大きなゴルファーになるための試練だ」と、厳しい“喝”を提言しています。
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半田会長のインタビューは、自らが主催するトーナメント(シニア主体、ツアー外)「ISPS HANDA・60歳を超えても、じいさんではないのだ!!」(11月9~10日)大会後、、開催コースのオリムピックスタッフ栃木・足利ゴルフコースで行われたものです。おりしも石川遼の“事件”でゴルフ界は騒然としていました。
石川側は「登録した待機先(千葉のゴルフ場)で健康チェックを受け、14日間の隔離を続けていましたが、一部至らない点があった」との謝罪文を出していました。選手会の副会長を辞任。国内ツアーに復帰する予定だった三井住友VISA太平洋マスターズ出場も辞退。JGTOの理事、副会長を含めた要職の辞意も表明していましたが、ISPS半田晴久会長は「“ファンを心配させた”などといっているが、心配などしていない。あきれかえって怒っているんだ。“一部に至らない点があった”ともしているが、一部じゃない、全部でしょう。皆さんをがっかりさせたり、怒らせたのは申し訳ない、というべきです。はき違えないで欲しい。そういった謝罪を、マネージメント会社を通じて出している。それもよくないですね。自分が出てきて、自分の口からいうべきでしょう。大事なことは何なのかの判断に欠けています。どうしても練習をしたかったなら、深夜とか、人のいないところでおやりなさいといいたいですね。だれでも失敗はあります。ミスもします。でもそのときの対応のし方が問題なのです。お詫びのし方を間違えてはいけません」と、容赦ない意見を述べました。
石川遼は10月19~22日の期間、来季の出場権をかけた米下部ツアーの2次予選会(カリフォルニア州)に出場。次の最終予選会進出は成らず帰国していました。帰国後2週間の自主隔離の待機先は自宅やホテルではなく、千葉の著名なゴルフ場を登録。隔離生活を始めていたという。帰国者の自主隔離には厚労省から「登録待機場所で待機し、他者とは接触しない」などいくつかのルールが定められています。
半田会長のコメントは続きます。
「で、年内はもちろん、来年も半年はすべての試合に出場停止ですね。甘い処置をするとファンにけじめがつきません。遼クンは15歳のアマチュアでツアーに勝ち、ちやほやされてきました。オンとオフの切り替えができていない。マスターズなどのメジャーに勝つのが夢といって、“勝ちたい勝ちたい”と思っているから、2位に終わってしまうのです。今回がいい機会です。一度すべてを元に戻し原点に帰って出直すべきでしょう。遼クンはこれまでの活躍をみても素晴らしい人間だと思いますが、より大きなゴルファーになるための試練だと私は信じています」。
半田会長は石川遼の将来にも目をやりました。
「出場停止で、極端な話、スポンサーもいなくなって賞金だけで戦って勝てば、“偉大な選手”と称えられるでしょうし、人間の大きさ素晴らしさを遼クンに見いだせるでしょう。そうすればアメリカに行っても勝てると思いますよ。あのジャンボ(尾崎将司)が100勝を挙げたのは49歳でした。それまでどれほど苦労があったかと思います」
厳しい意見を次々と繰り出した半田晴久会長でしたが、素晴らしい素質と人気を持つ遼クンへの愛のムチとも思えました。今年1年、勝利もなく単発参戦した米ツアーも全敗。米下部ツアーの予選会にも敗退する苦汁のシーズンでした。その締めくくりに降りかかったボーンヘッドによる雨・アラレ。事態はどう収拾されるかまだ分かりませんが、30歳から始まる遼の巻き返しを待ちましょう。
(了)