男子ゴルフのメジャー「マスターズ」を主催するオーガスタナショナルGCは2月2日、マスターズの前週に行う「オーガスタナショナル女子アマチュア選手権」(3月30日開幕)の招待選手71人を発表しました。日本勢は昨年11月の「アジア太平洋女子アマチュア」を制して出場権を得た橋本美月(東北福祉大1年)のほか、六車日那乃(日本ウエルネススポーツ大1年=世界アマランク22位)、手塚彩聲(あやか、長野・佐久長聖高1年)、吉田鈴(りん、千葉・黎明高3年=世界アマランク38位)ら世界アマランク上位者が招待されました。昨年大会に優勝し、ディフェンディングチャンピオンとして出場権を持っていた梶谷翼(兵庫・滝川第二高3年)は、リストに名がありませんでした。日本からは過去最高の4人が出場します。
世界のトップ女子アマをマスターズの会場に集めたこの大会は、2019年にスタートし20年は新型コロナ禍で中止。昨21年は日本の梶谷翼がプレーオフを制して優勝。今年は第3回大会を迎えます。日程は「マスターズ」前週の3月30日(水)から近郊のコースで2日間36ホールの予選ラウンドを行い、通過した上位30人が4月1日の練習日を挟み、2日(土)1日のみオーガスタナショナルGC(米ジョージア州)で54ホールの決勝ラウンドを行います。日本勢の連覇なるかどうか、みどころいっぱいの“マスターズ前哨戦”です!
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マスターズが行われるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで決勝ラウンドを行う女子アマチュアの国際大会。2019年の第1回大会では安田祐香、笹生優花が出場してともに3位。昨年行われた第2回では梶谷翼がプレーオフを制して優勝しています。日本人にも馴染みの深い大会です。日本勢の連覇がかかる今年は、昨秋11月、UAEで行われたアジア太平洋女子アマを制した橋本美月が先頭に立ちます。橋本は兵庫県出身の19歳。20年3月に安田祐香、古江彩佳らと同じ滝川第二高を卒業。21年に東北福祉大に進学した1年生。優勝したアジア太平洋の最終日は、3打差2位から出て「68」で回り、通算16アンダーの逆転Vでした。飛ばし屋です。その前週には、アジア太平洋男子アマで中島啓太が劇的な優勝を遂げており、それにに続く快挙でした。橋本はこの優勝で22年の「オーガスタ女子アマ」はじめ、今年の海外メジャー「AIG女子オープン(全英女子)」「エビアン選手権」の出場権を獲得しています。「言葉で表せないくらいうれしい優勝」(橋本)と感涙にむせぶ試合でしたが、この勢いをオーガスタでも出せますかどうか。
六車日那乃、手塚彩聲は、国内女子ツアーへの出場経験もある二人。手塚は16歳の若さです。吉田鈴(りん)は女子プロ・吉田優利の妹。女子プロツアーに出場したこともありますが、いずれも好成績は残していません。鈴は今春の卒業を間近かに控えている17歳の高校3年生。昨秋11月、初の国内女子プロ最終テストを受けましが、1打及ばずプロにはなれませんでした。そこへ突然飛び込んできた世界のトップアマが集まるオーガスタ女子アマへの招待状。世界アマランク38位の順位でリストに入りました。
「突然でびっくり。驚きとうれしさでまだ実感がない」と戸惑いのコメント。海外での試合もこれが初めて。「憧れのオーガスタを経験して、またゴルフに対する気持ちも変わりそう。上達するきっかけになればうれしいです」と胸躍らす毎日で、練習にも熱が入っているという。昨年は高3、17歳だった梶谷翼が、通算1アンダーで並んだエミリア・ミリアッチョ(米)とのプレーオフを1ホール目のパーで制して話題を集めました。夢の舞台でまた新しいヒロインの出現を待ちましょう。
【世界アマチュアランキング⇒R&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が共同で運営するアマチュアの世界ランキング】
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