“しぶこ”がいよいよ米本土に登場です!アジアシリーズで米女子ツアー2戦を終えた渋野日向子(23)。1週おいた今週24日から米ツアーメンバーとしては初めての米国本土の試合にお目見えします。「JTBCクラシック」(カリフォルニア州アビアラGC)がその舞台。2戦目、タイランドでの「ホンダLPGA」では4日間とも60台で通算20アンダーのビッグスコアを出し8位タイに入っているだけに期待がかかります。「JTBC」の次の週にメジャー今季第1戦の「ザ・シェブロン選手権」(ミッションヒルズCC=昨年までのANAインスピレーション)が控えており、序盤戦のヤマ場に向けたしぶこのチャージが見ものです。さらにハワイで行われる「ロッテ選手権」(4月13~16日)への出場も確定しました。
☆★ ☆★ ☆★ ☆★
渋野の米ツアーデビュー戦は、3月3日からシンガポール(セントーサGC)で開催された「HSBC女子世界選手権」でした。昨秋の米ツアー予選会は合格ギリギリの20位通過だったしぶこはツアー出場優先順位が高くなく、開幕3試合には出場権がなし。デビュー戦となった 「HSBC」の試合もスポンサー推薦での出場。その米ツアー初戦は、ほろ苦いデビューでした。特に初日は3パットを3回も犯し、4オーバー76の最悪スタート。2日目70のあと3日目はまた73。50位前後をウロウロして、予選落ちのない試合だからよかったものの、しぶこスマイルも出ない毎日。最終日にようやく5バーディー、1ボギーの68で通算1アンダーの47位で終わりました。
翌週、3月10日からの「ホンダLPGAタイランド」(タイ・サイアムCC)は、昨年の34位に続いて今年は2度目の出場。コースの特徴は把握していたのがよかったのか、初日からノーボギーの67で17位スタート。2日目68。3日目は7バーディー(1ボギー)66とようやく流れに乗って11位。最終日は短いパー4の15番で2打目を直接放り込むイーグルを奪うしぶこらしいゴルフもみせて67。4日間を毎日60台でクリアして通算20アンダー。優勝スコアには6打足りませんでしたが、日本人最上位の8位までこぎつけました。4日間大会を連日60台で回ったのは、優勝した2019年「AIG全英女子オープン」以来。トップ10に入ったのは、この「全英」と20年「全米女子オープン」の4位以来のことで「今後へすごく自信になった」と、やっと笑顔を取り戻したしぶこでした。
さて、「ほろ苦かった」デビュー戦も終えて、いよいよ米国本土での本格米ツアーの始まりです。24日からの「JTBCクラシック」からの4戦は、ハワイでの1試合を挟んでカリフォルニアシリーズ。シーズンはまだ先が長いですが、出場する1戦1戦が大切です。渋野とともに昨年の米Qシリーズ(最終予選会)を7位で突破した古江彩佳(21)もいます。この2人は初優勝にも期待がかかりますが、新人選手が“NO1”を争う「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に接近できるかどうかも興味が集まります。
米女子ツアーはルーキーも多士済々。その頂点に立つのは容易ではありませんが、渋野&古江なら新人賞獲得争いに食い込める力は持っています。20年の全米女子オープンに参戦したしぶこは、単独トップで最終日を迎え最終的には4位となった大健闘も忘れられません。強力なライバルの一人、韓国の22歳、チェ・へジンには要警戒です。昨秋、米ツアーのQシリーズ8位で突破して米ツアー入り。今年1月、古江と同じ「ゲインブリッジLPGA」で米ツアーデビュー。新人では唯一、トップ10の8位タイに入っています。韓国ツアーでは通算10勝(アマ時代の2勝含む)。プロ2年目の19年には5勝して賞金女王のタイトルもとっています。17年の全米女子オープンにはアマチュアで出場し、優勝したパク・ソンヒョン(韓)に2打差の単独2位に入った経験もあります。韓国ではすでに実績も人気もトップクラスのこの若手。今季、初勝利や新人王を争う日本勢にとっても手ごわいライバルです。注目しましょう。米ツアーメンバーとして優勝している日本人は10人います。1年目に勝ったのは、平瀬真由美と福嶋晃子の2人だけです。
【渋野日向子・主な経歴】
出身地・出生 :岡山市。1998年11月15日生まれ、23歳。
出身校 :岡山・作陽高
ツアー初勝利 :2019年5月「ワールドレディス・サロンパス杯」
海外戦歴 :2019年8月「AIG全英女子オープン」(英ミルトンキーン ズ・ウォーバンGC)優勝。2020年「全米女子オープン」4位
国内ツアー :6勝
賞金ランク(国内):2019年国内4勝を挙げて賞金ランク2位が最高。
米ツアー資格 :2021・12米ツアーQシリーズ20位で22年度の米ツアー出場権獲得。 22年から米ツアーに主戦場を移す。
世界ランキング:45位(3月21日現在)
(了)