痛々しい松山英樹に“奇跡”は起こるか!?首・肩痛でマスターズ前週「テキサスOP」も棄権!

「マスターズ」連覇への夢を追う松山英樹。

マスターズ連覇がかかる松山英樹(30)に暗雲です! 首から肩甲骨にかけての痛みを3月はじめから訴えていた松山は、マスターズ直前の「テキサス・オープン」(テキサス・TPCサンアントニオ)の復帰戦でまた途中棄権です。今週7日からのマスターズを前に4週ぶりに戦列に戻りましたが、痛みは治まっておらず初日は2オーバー、104位。2日目、前半9ホールで通算1オーバーのままギブアップです。首筋に大きくテーピングを施し、恐る恐るスイングする姿は痛々しく、電話で会見した松山は「やってきたことは正しいと感じている。なんとか開幕時の調子を見出してオーガスタでの連覇を目指したい」とコメントを出しましたが、目前に迫ったマスターズは連覇どころか、出場も不安視される深刻事態となりました。一方、昨年2月の自動車事故以来ツアーに出場していないタイガー・ウッズ(46)は、1日夕に締め切られたマスターズのリストにエントリーを済ませました。出場すれば20年11月のマスターズ以来の公式戦復帰となります。

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約1か月振りにツアー復帰した松山英樹。首・背中痛完治せず「マスターズ」に不安残る。

“本番”を目前にしての緊急事態です。英樹の首・背中の痛みは軽傷ではなかったのです。3月3日からの「アーノルド・パーマー招待」(フロリダ州オーランド)のころから首・肩甲骨あたりの痛みを訴え、何とかこの試合は20位(通算+3)で終了。次週、優勝賞金約4億1400万円のビッグ大会「プレーヤーズ選手権」(フロリダ州ポンテ・べドラ・ビーチ)には、出場への強い意欲をみせ、会場入りし初日練習場では球を打つなどスタート直前まで粘りましたが、出場は断念しました。翌週は出場予定がなく、3月23日からの「WGCマッチプレー」は参戦見送り、マスターズ前週の「テキサス・オープン」で4週ぶりのツアー復帰で回復ぶりが注目されました。開幕前日のプロアマ戦はキャンセルして大事をとり、大会は初日5バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの74。2日目、スタートの10番は第2打を2㍍につけてバーディーを決めましたが、そのあとはアイアンショットの距離感が合わず苦しいゴルフ。16番パー3でカップ間際に落としバーディーとしましたが、前半9ホールを終わったところで棄権を申し出ました。

体をフルに使って振り切る松山英樹のスイング。首や背中への負担は大きい。

松山の世界ランキングは現在12位。今シーズは、昨年10月、日本開催の「ZOZO選手権」と今年1月の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で幸先よく2勝。しかし、その後20位タイに終わった3月のアーノルド・パーマー招待以降は治療のため実戦から離れており、マスターズが近づいた今回、約1ヵ月ぶりの戦列復帰に踏み切ったのでした。マスターズ覇者として連覇への執念があったのでしょう。

しかし「マスターズに向けた思うような練習はできなかった」と漏らしたほど、痛みは簡単には取り除けませんでした。病状の詳細については明らかにされていませんが、静養に入ってからでもすでに1ヵ月。その間、さまざまな治療を施しているはずですが、完治には至らないのは苦しみです。常に全身を使ってフルショットする英樹の本来のゴルフには辛い個所の痛みです。こわごわ振っていては、いいショットはのぞむべくもありません。オーガスタを征服するには過酷なプレッシャーがかかってきます。大会まであと数日。果たして1番ティーに立てるかどうか。最悪、欠場にでもなれば泣くに泣けません。苦しい現状に追い込まれた松山英樹の奇跡のカムバックに期待をかけるしかありません。

今季早々と米ツアー2勝を挙げている松山英樹。メジャー大会を前に手痛い故障だ。

マスターズ覇者にはさまざまな行事が待っています。大会前夜には参加選手・関係者らの夕食会(チャンピオンズ・ディナー)があり、ディフェンディング・チャンピオンがメニューを指定します(松山は「寿司」を希望したといわれている)。大会表彰式には列席して新優勝者に前年チャンピオンが“グリーン・ジャケット”を贈ります。プレー以外にも歴代優勝者としてこなさなければならないイベントはいろいろあって多忙です。体調が万全でない英樹には一層の負担がかかってくるでしょう。ちなみにマスターズ連覇を成し遂げたのは、ジャック・ニクラウス(米)、ニック・ファルド(イングランド)、タイガー・ウッズ(米)の3人のみです。

(了)