初優勝はいつ?確かな歩みで表舞台に浮上・安田祐香(21)。メジャー「ワールド・サロンパス」は最終日最終組で7位無念!

プロツアー3年目、ようやく本来のゴルフを取り戻した安田祐香。ミレニアム世代の“エース格”の覚醒が楽しみ。

2000年生まれ「ミレニアム世代」のエース格ともいわれながらプロ入り後は鳴りをひそめていた安田祐香(21)=兵庫・滝川第2高→大手前大在学中=が、ようやく覚醒してきました。プロ入りしてから3年目のことし、4月の「フジサンケイ」で3位に入るや、今季メジャー第1戦、5月の「ワールドレディス・サロンパス・カップ」(茨城GC・西コース)では3日目2位に浮上して山下美夢有との最終日決戦を演じました。土壇場でスコアを伸ばせず通算4アンダーで7位タイ。優勝は2001年生まれ20歳の山下美夢有。21世紀生まれで初の国内メジャー制覇となりましたが、古江彩佳、西村優菜、吉田優利らのミレニアム組と肩を並べる表舞台に食い込んできた祐香の上昇は、女子ツアー界にまた一つ大きなテーマが加わりました。

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メジャー第1戦、「ワールドレディス・サロンパス」の最終日、6打差を追って2位から出た安田祐香は73トスコアを伸ばせず、山下美夢有(優勝)と青木瀬令奈(2位)に取り残されて7位に後退した悔しさを隠せませんでした。最終18番パー4(415ヤード)もフェアウェイからピンを狙ったショットがグリーンで止まらずにグリーンオーバー。寄らず入らずのボギーフィニッシュ。後味の悪いホールアウトとなりました。
「パターがちゃんと決まらなくて悔しい結果になりましたが、いいゴルフもできてきた。調子的にはすごくいいので、このあともっと上を目指してガンバリます」と、初優勝に届かなかった結果には頭をさげながらも明るい表情を覗かせました。そして最終日、スタート前に首筋を痛めていたという「アンラッキー」を会見のときに明かしました。「ウエアを着るときにやってしまったんですけど、痛かったので・・。これも不運でした」。いいゴルフもしていましたが、突然の体の変調はゴルフプレーに微妙な影響を及ぼしたのでしょう。自分の不注意とはいえ、手痛いハプニングでした。今回は男女ツアー39勝をサポートした清水重憲キャディーと初タッグを組んでメジャーに挑戦、3日目にはスタートから3連続バーディーを決めるなど見せ場も作りました。

今季国内初メジャー「ワールドレデイス・サロンパスカップ」で、男女ツアー39勝の清水重憲キャディー(左)と初めて組んで優勝争いをした安田祐香(右)。惜しくも7位に終わった。

ドライバーは長距離ヒッターというほどではありませんが、アイアンショットには特に非凡なプレーをみせる祐香です。また、頭を使った冷静なコースマネージメントも身につけていて、ショートアイアンや快速グリーンにも対応できるパターのテクニック(平均パット数=現在13位)は、さすが日本女子アマチャンピオン(2017年)。NO1アマチュアを誇ったアマ時代の19年4月には、米男子のマスターズが行われるオーガスタナショナルGCでの「オーガスタナショナル女子アマ」で3位に入った実績も光ります。19年11月に国内プロテストに一発合格。プロとしても即刻活躍するプレーヤーとして注目度は髙かったのですが・・。ツアールーキーだった20~21年シーズンは賞金ランク50位には入れず(67位)、シード獲得に失敗。ツアー最終予選会を20位で通過してなんとか今季の前半戦を戦える苦汁を味わいました。

「アマチュア時代と違って、プロツアーはシーズンを通して“連戦”になるので、メジャーだけに調子を合わせるというのも難しい」といっており、全国各地で行われる1年の長いシーズンの戦い方、難しさなども身をもって知らされたようです。1年1年の体験を経て、3年目を迎えた今季は、ようやく“プロの水”にも慣れてきたといえます。今季は開幕から10戦戦って、予選落ちは1回だけ。ルーキーだった20ー21年シーズンはツアー40戦で4度だったトップ10が、今季は10試合で早くも2度目。4月に入って「フジサンケイ」3位、5月にはメジャー大会「ワールドレディス・サロンパス」で初の優勝戦線を体験ーと安定感を増し、プロらしい日々を送れるようになってきました。すでにツアーでの勝利を重ねてトッププロとなっている古江彩佳、西村優菜、吉田優利らのミレニアム仲間を追って、遅まきながら祐香の出番、チャンス到来です。

現在開幕から10試合すべてにエントリーしてきた祐香は、今後もしばらくは連続出場の予定。「怖いもの知らずだった」というアマチュア時代のカラを捨て、プロとしての確かな歩みで「初優勝」へ進みます。その日は遠くないでしょう。

(了)