嬉しい優勝賞金「300万円」!ISPS、プロテスト不合格者へ“愛の手”トーナメント!

3人プレーオフを勝ち抜き、「300万円」をゲットした谷頭さつき。ISPS恒例の勝利カブトでバンザイ(茨城・太平洋クラブ大洗シャーウッドC)=写真:大会提供=

名づけて『ISPS プロテストの費用は腕で稼げ 女子トーナメント』ー 3日間大会で優勝賞金は300万円。2位~10位には全員同額の200万円。予選落ち選手には一律5万円を支給するというマイナー選手にはなんとも嬉しい大会が開催されました。主催したのは半田晴久会長率いるISPS(国際スポーツ振興協会)。茨城・太平洋クラブ大洗シャーウッド・コース(7月13~15日)で、参加資格は20~21年度女子プロテスト不合格者ら158選手。最終日、通算7アンダーで並んだ3人のプレーオフとなり、谷頭(たにがしら)さつき(23)が奥山純菜(20)、千葉華(23)を制して嬉しい「300万円」を手にしました。これまで4回プロテストに落ちている谷頭は、今年も11月、今大会会場に近い大洗GCで行われる最終プロテストへ、この資金を活用して5回目の挑戦をするので注目です。また、ISPSは今回の試合に出られなかった人にも「光を与え応援を!」と、今週21日(木)、22日(金)に2日間大会「木漏れ日トーナメント」を同じ太平洋クラブ大洗シャーウッド・コースで行います(賞金総額1000万円、優勝賞金120万円、2位~5位は一律100万)。

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細身の体ながら260ヤードを飛ばす谷頭さつきのドライバーショット(大洗シャーウッドCで)

なんともISPS半田晴久会長らしい発想で実現した女子トーナメントです。
「女子はプロテストでファイナルまでいき、上位20位タイに入らないと、プロ資格を得られません。資格がないと、翌年の試合やQT(試合に出るための予選会)にも出られず、マンデー(その週の予選会)にも出られません。テスト受験にはプレーフィーやエントリーフィー、交通費、宿泊費などで150万~200万円はかかります。公益団体ISPSはそういう選手にチャンスを作ってあげるのが社会的使命だと考えています。2位から10位まで一律200万円の賞金を出すのもテスト費用のため。ゴルフを愛し、優れたプロになろうという志のあるものを応援したいからです」
半田晴久会長のコメントです。さらに「プロテスト不合格者でも、希望を捨てずに頑張ろうという、ISPSのメッセージでもあります」ともつけ加えています。そして3日間ともYouTube LIVEで全試合の実況中継も行いました。

プレーオフ2ホールまで粘ったが、最後1㍍に満たないパーパットを外して“あと一歩”で勝利を逃がした奥山純菜。

最終日1打差3位から出た谷頭は、7バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの「69」。雨の中、17番までは通算9アンダーとスコアを伸ばしてトップを走りました。16番のティーで、自分が3打差リードしてることを知り、緊張感が増していたそうですが、最終18番(パー4)で第1打を右の池に入れてダブルボギーという最悪のパターン。「自分では普段通りやっていたつもりなのに、体が(悪い方へ)反応してしまった」と嘆いたが、追う相手もスコアを落とし、プレーオフのチャンスが残ったのは、勝ち運があったのでしょう。3人プレーオフでは、1ホール目(18番の繰り返し)、谷頭は157ヤードのセカンドショットを「6番アイアン」でカップ30㌢につけるスーパーショット。勝負あったかに見えましたが、奥山純菜が5㍍弱のバーディーパットをねじ込んで“分け”(千葉華はパーで1ホール目で脱落)。次の2番目ホール。パーの谷頭に対し、奥山が50㌢余りのパーパットを外す大ポカ(ボギー)で、思いがけない結末となりました。

プレーオフ1ホール目、パーに終わり先に脱落、2位タイに終わった千葉華。

いったんは絶望のふちから蘇った谷頭。「最後まで諦めずにプレーしたのが報われました。よかったです。こういった、プロテストに限りなく近い状況を作っていただき、私たちにはあまりない3日間競技も経験し、ありがたく、感謝しかありません。今回稼がせてもらった賞金で、まだ行ったことのない(最終テストの)大洗ゴルフ倶楽部でたくさん練習ラウンドをしようと思います」ー谷頭には、満足感と喜びの表情が溢れていました。この優勝の自信をバックに「300万円」という強力な資金を得て、5度目のプロテスト突破に挑みます。

ギャラリーは少なかったが、コースでは熱い戦いが展開された(茨城・太平洋大洗シャーウッド、9番グリーン)

 

谷頭さつき。大阪出身。99年5月9日生まれの23歳。大阪商大高校卒。165センチ。2018年「関西女子アマ」15位。ドライバーの平均飛距離250~260ヤード。師匠は藤井かすみプロで、「相手はどこからでも入れてくると思え、といつも言われてる」(谷頭)とか。メンタル面でのアドバイスが多いという。プロテストはこれまで4回不合格。

プレーオフには敗れたものの、2位タイに入った奥山純菜と千葉華を含めた8人には一律200万円の支給。10位タイの6人には64万1666円が分配されました。予選落ちした選手にも一律5万円の賞金が出ています。すべては来るべきプロテストの費用に当てて欲しいという主催者の思いです。初めての試み。今秋の女子プロテストにどんな反響が生まれるでしょうか?
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出場全選手が出席した表彰式(茨城・太平洋クラブ大洗シャーウッドC)

会場へは入場無料でギャラリーを入れ、毎日寿司弁当を配り(先着300個)、「ガリガリ君」(アイス)やトウモロコシを食べ放題。クラブハウス内では選手、キャディ、ゴルフ関係者には毎日500個のパンに「ハーゲンダッツ」(アイスクリーム)食べ放題。同じく「いけす釣り堀」を設置してカンパチやシマアジ。鯛やヒラメ、伊勢海老、ウナギ等3日間で900匹の高級魚が用意され選手、関係者を楽しませるサービスもありました。こんな大会、来年も実施するのでしょうか!?

(了)