★「LIVゴルフ第4戦」には参戦できず!日本4選手。米ツアー「ZOZO選手権」(10月習志野)も出場不可!

「LIVゴルフ」3試合で約1億5000万円超を稼いだ香妻陣一朗。

ゴルフ界にビッグニュースが飛び込んできました。今年6月の創立以来、ゴルフ界に話題をふりまいてきたサウジアラビア政府系ファンドが支援する男子の新ゴルフツアー「LIV(リブ)ゴルフ招待」に参戦していた日本ツアーメンバー、谷原秀人(43)、稲森佑貴(27)、木下稜介(31)、香妻陣一朗(28)らは、今秋日本で開催される「ZOZOチャンピオンシップ」(10月、千葉・習志野)など、年内に行われる米ツアーには一切出場できない(米下部ツアー予選会も含む)との通告を受けたのです。これまで米男子ツアー(PGA)は、LIVゴルフ出場選手に対してPGA出場資格をはく奪する対抗処置をとってきましたが、日本ツアー(JGTO)選手には何の罰則もなく、今回が初めての「処罰」といえるものです。一方「LIVゴルフ」からは、『1試合48人』のフィールドが満たされてきたため、世界ランク下位の日本ツアー選手はあおりを食った感があり、「LIV第4戦」(米・ボストン)には日本勢はお呼びがなし。「PGA」からも「LIV」からも・・突然の厳しい通達! 僅か2~3試合で莫大な賞金を稼いだ「LIV」参加の日本選手の反応は?波紋は広がりそうです。

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積極的な攻めのゴルフが光る香妻陣一朗。

ゴルフ界に話題をふりまいている新ツアー「LIVゴルフ第4戦」が、9月2~4日米マサチューセッツ州ボストンで行われました。今年7月の全英オープン覇者、キャメロン・スミス(豪)が新規加入したのをはじめ、6選手が新たに参戦。『48人枠』を堅持している「LIV」は、当初米PGAからの人気選手の“引き抜き”がはかどらず、日本選手にも“補充要員”としてお呼びがかかっていました。しかし、世界レベルの人気選手の加入が増えてきた現状では世界ランクが低い日本選手は『48人枠』からはじき出されるハメにー。

 

「LIVゴルフ」第1戦から出て、いきなり約4252万円(13位)をゲットした木下稜介。しかし、米ツ
アー参戦が夢で「9月からはもうLIVには出ません」と宣言。

この先、マスターズ2勝のバッバ・ワトソン(米)のLIV移籍もほぼ決まっており、今後も欧米ツアーの有名選手の参加が加速すれば、日本選手の出る幕はいっそうなくなってきそう。日本選手では、6月ロンドンで開幕した「LIVゴルフ招待」第1戦に、早々と手を挙げたのが谷原秀人(43)、香妻陣一朗(28)、木下稜介(31)の3人。第2戦の米オレゴン州ポートランド(7月)では稲森佑貴(27)も4人目の日本選手として名乗りを挙げました。個人戦とチーム戦を並行して行い、個人戦は予選落ちのない3日間54ホールの戦い。優勝賞金は日本円にして約5億4000万円にも及ぶ超高額賞金大会。第1戦は日本人最高位の13位に入った木下稜介が日本円にして約4252万円。15位の香妻陣一朗が約3300万円。39位と振るわなかった谷原秀人でさえ約1836万円。48選手中最下位に終わった選手ですら約1620万円を手にしました。米国に飛んでポートランドでの第2戦では、6位と健闘した香妻陣一朗はなんと約1億1000万円をゲットし、この試合にはせ参じた稲森佑貴も、11位で約5050万円を頂戴しました。6月下旬から7月いっぱいは日本ツアーの日程もなく、4人の「LIV」参戦組は日本ツアー(JGTO)から何のお咎(とがめ)もありませんでした。

日本ツアーの「プレーヤーズ選手権サトウ食品」に勝ち、その足で渡米「LIV第2戦で約5000万円(11位)を稼いだ稲森佑貴。

第3戦はトランプ元大統領所有のトランプナショナルGCベッドミンスター(米ニュージャージー州)で行われ、日本からは加盟した4選手がそのまま出場しましたが、この試合香妻陣一朗の26位が日本人最高位で、全員が下位で振るいませんでした。しかし、日本勢は2~3試合の出場だけで、トップの香妻など1億5000万円超の破格の高額賞金を手にし、他の3人も過分なビッグマネーを得ました。

 

 

 

日本勢4人の「LIVゴルフ」組、“引率役”の谷原秀人。「もっとLIVとPGAで話し合ってほしい」と、前向きな姿勢。

米PGAツアーはここへきて、LIV参戦の日本選手にも“ペナルティー”を課し、PGAツアーに出ることは認めず、下部ツアー予選会受験もできない旨、日本ゴルフツアー機構を通して通告してきたのです。さらに「LIVゴルフ(第4戦)」からも弾き出された日本勢は、香妻陣一朗を除いては、早速フジサンケイクラシックにエントリー。木下稜介5位、谷原秀人8位、稲森佑貴38位で日本ツアーに復帰しました。米PGAツアーは8月29日、21~22年シーズンを閉幕しており、2022~23年シーズンは9月15日「フォーティネット選手権」でスタートします。ただし10月日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」にはLIV出場組は出場不可。2023年以降については、再び「LIVゴルフシリーズ」に出場しなければ、米PGAツアー出場は認められます。

★ 国内男子の選手会長でもある谷原秀人。
「われわれは米PGAツアーのメンバーでもないのだし、日本の選手を守るためにも、米PGAツアーとLIVがもっとうまくやってほしい。JGTOもしっかり動いて、米PGAツアーと話していかないと」。
非PGAツアーメンバーの立場を強調。
★2試合に出場した稲森佑貴。
「自分が選んだ結果なので仕方がない」。
「ZOZO」出場不可を悔みながらも、割り切ったコメント。
★3試合に出場した木下稜介。
「自分は9月以降、LIVからは手を引く。受け入れるしかない。気分を入れ直して米ツアーにトライしたい。(米ツアー参戦の)夢を追いかけたいから」
かねてから米ツアー参戦を目標にしている選手。今後は米ツアー挑戦を最優先にする考えを示しました。

グレッグ・ノーマン(豪、67)がCEOを務めて率いる超高額賞金の新ツアー。一大市場を持つ米男子ツアー(PGA)との対峙(たいじ)は、どんな結末をみせるか。まだ当分は世界ゴルフ界の注目が集まります。

(了)