★シブコや笹生優花からお墨付きをもらったスーパーアマ・馬場咲希(17)! 米ツアー「ホンダLPGAタイ」で異例の日本3人同組プレー。

米女子ツアー「ホンダLPGAタイ」の最終日、異例の日本勢3人が同組となる(スタートを待つ左からシブコ、笹生優花、馬場咲希=タイ・サイアムCC)

話題のスーパーアマ・馬場咲希(さき=東京・代々木高2年、17歳)が、昨年6月のメジャー「全米女子オープン」以来2度目の米女子ツアーに出場。最終日は渋野日向子(24)、笹生優花(21)と日本人3人が異例の同組となり、2人のメジャーチャンピオンとも堂々と渡り合うゴルフを披露しました。舞台は主催者推薦出場の米女子ツアー今季第2戦、アジアシリーズ「ホンダLPGAタイランド」(タイ パタヤ・サイアムCC)。2日間は60台で回って20位まで順位を上げましたが、後半の2日間、バンカーの“目玉”連発に泣かされてスコアが伸びず、通算9アンダー、34位でのフィニッシュでした。4日間ともオーバーパーはなく、平均飛距離は270ヤード超。米ツアーのトッププレーヤーにも引けを取らないゴルフで驚かせました。

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馬場咲希。175センチの長身から放つ270ヤード超のショットは、米ツアーでも見劣りしなかった。

昨年の「全米女子オープン」以来の2度目の米ツアー挑戦。4日間の戦いを終えた馬場は「やっぱり海外ツアーのLPGAツアーは楽しい。私も将来はLPGAツアーに行けるように、精いっぱい頑張りたいです」と、海外志向の強い彼女らしく、米ツアーの醍醐味を満喫したようでした。「スタイルもプレーもすべてにカッコよくて、大好き」(馬場)という憧れのネリー・コルダ(米、東京五輪金メダル。世界ランク1位争いを展開中)とも、間近かで会えて嬉しかったという。そんなフィールドで戦ったゴルフだけに、モチベーションは髙かったのでしょう。初日、10番からのスタートで前半すべてパー。後半1番(パー5)に回ってイーグルを奪って大会が始まりました。3番でボギーにしたのもすぐ6番のバーディーで取返し、最終9番(パー4)でも2㍍につけてバーディー締め。「69」で28位スタートの心地よさでした。2日目も6バーディーを奪って「68」。予選ラウンド2日間の平均飛距離は272ヤード。首位に5打差、20位に順位を上げて、7人出場の日本勢2番手の進撃でした。

飲料大手のサントリー・ホールディングスとスポンサー契約。ロゴ入りのキャップを手にする馬場咲希(23年2月=提供:サントリー)

好事魔多し・・でしょうか。一気に上位を目指した3日目。“バンカー魔”に取りつかれたのです。4番パー3で落としたバンカーが“目玉”。2オンはしたものの3パットでダブルボギー。気を取り直し次の5番から一気に3連続バーディーのバウンスバック。ところが8番のパー3でティーショットが、またもバンカーで“目玉”。ここはこん身のショットで1㍍に寄せパーで凌いだのに、17番(パー4)で3回目のバンカー“目玉”。ピンを狙えない状況で横へ出し、4オン2パットのダブルボギーの洗礼です。「めちゃくちゃショックで落ち込んだ」(馬場)のもうなずけますが、それでも6バーディー、2ダボの「70」で上がり、20位タイはキープでした。しかし、勢いは止まりました。シブコ、笹生と日本勢3人のペアリングとなった最終日。1番(パー5)では3打目を1㍍に寄せてバーディー発進しながらも4、5番で落とし、9番(パー4)では2打目をまたもバンカーに落とし、4オン2パットのダブルボギー。後半2つ取返したものの、パープレーどまりで通算9アンダー、34位での終戦でした。ダブルボギーは3日目2回、最終日1回、それだけで6ストロークを失いました。バーディーは取れる馬場のゴルフです。今回も4日間で18バーディーを奪っていますが、“ダボ3回”は致命傷でした。それもゴルフ、なのでしょうがー。

20年まで師事していた青木翔コーチと再びコンビを組み、スイングをチェック中の渋野日向子。復調の兆しをみせる。タイでの最終日は、馬場と同組で回った。

米女子ツアー、今季第2戦・アジアシリーズには日本勢7人が挑戦。米ツアートップクラスが顔を揃えた中、今季初戦の渋野日向子が復調の兆しをみせたのをはじめ、開幕戦「ヒルトングランドバケーションズ」(米・フロリダ)で5位に入った畑岡奈紗や6位の笹生優花、18位の古江彩佳ら米ツアーの日本勢もまずまずの今季のスタートでした。特にシブコ、笹生とメジャー制覇した2人とラウンドした馬場は「プレーの切り替えの仕方とかマネージメントが勉強させられました。渋野さんなんかは、もう観客目線で見てしまった。最後のイーグルとか魅せるプレーをたくさん見せられました。笹生さんはアゲンストにも強い球を打っていた。笹生さんのスイング、めちゃくちゃ好きなので、間近かで見られてよかったです」と、大いに勉強になった一日だったこと、感慨深かそうなコメントでした。笹生はそんな馬場について「ショットのコントロールもいいし、マネジメントもしっかりしている。パターもうまい。すごく上手な選手だと思う」と賞賛しきりでした。

最終日、一緒にプレーし「すごく上手な選手だと思う」と馬場咲希を賞賛した笹生優花(用具契約・キャロウエイ提供)

昨年8月「全米女子アマ」を制し一躍“時の人”となった馬場は多忙を極めました。過密スケジュールで昨年終盤は体重が減り、飛距離も落ちたとか。「体づくりの大切さ」を知り、このオフは球を打つことより、フィジカル強化に時間を割き筋トレ等で6キロ増を実現したそうです。240ヤードほどに落ちていた飛距離もとり戻しました。高校3年生になる今年は、アマチュア最後の年でまたいっそう忙しいシーズンになるでしょう。アマの主要試合もあり、出場資格を持っている海外メジャーも加わり、秋にはプロテストも控えています。昨秋ナショナルチームに加入、グリーン上の傾斜を指をかざして体で感じ、ラインを読む「エイムポイント」も勉強中とか。1月の豪州女子アマから実戦に導入して成果を上げているという。ブリヂストンスポーツとはクラブ、ボールなどの用品契約。サントリーとはプロ入り前からスポンサー契約も済ませました。今年も「馬場咲希」から目を離せませんー。

(了)