どん底・シード圏外に落ちたしぶこ。それでも米ツアーにこだわる渋野日向子(24)。 「25年には米ツアーのシード選手で戻ってくる」!!

「年間ポイントランキング80届かず、シード落ちした渋野日向子。米ツアー参戦2年目にショック!

米ツアー本格参戦2年目、渋野日向子(24)の厳しかったシーズンが終わりました。フロリダでの今季最後のラウンドを終えたしぶこは、年間ポイントランキング83位に留まり、来季トップカテゴリー「80位以内」のシード確保に僅かに届かずシード落ちが決定。これでフルシーズン出場権こそ逃がしましたが、ポイントランク81位~100位までの出場優先順位が低い「準シード」(カテゴリー11)、条件付きの試合に出場できます(今季の実績では20試合前後)。しぶこは「ここで戦って勝ちたい」と、米ツアーへの執念をみせ、米国での戦いは続ける意思を表明しました。いま一人ポイントランク78位の“崖っぷち”にいた勝みなみは、最終戦4日間とも60台で回り、通算13アンダー7位と上位に食い込んで来季のシードを確保しました。日本勢では畑岡奈紗、古江彩佳、西村優菜、笹生優花(メジャー優勝の5年シードも保有)がすでにフルシードを確保しており、ポイントランキング上位60位以内が出場できる次週(最終戦)の「OMEグループツアー選手権」にもエントリーできます。

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米ツアー本格参戦2年目での大苦戦。渋野日向子。

しぶこは今季も苦しいシーズンでした。米ツアーを主戦場として戦いましたが、最後までシード当落線でのプレーが続きました。開幕前にはスイング改造に取り組み、4月には左手親指の負傷。その後は上位争いもなく寂しい日々。トップ10に入ったのは1試合だけ(3月のドライブオン選手権7位)。5月から6月にかけて国内ツアーにスポット帰国した時の2試合(ブリヂストン、宮里藍サントリー)を含めて、5試合連続予選落ちも喫するなど大苦戦。昨年の米ツアー1年目も23試合に出場して、4月にロッテ選手権の2位というのはありましたが、9回の予選落ちなど“不振続きのしぶこ”の話題ばかりが目立ちました。AIG全英女子オープン優勝で湧いた2019年のしぶこブームはどこへやら。しぶこファンを楽しませた攻めのゴルフもすっかりカゲをひそめたままです。ドライバーの飛距離は昨年よりさらに10ヤード近く落ち、ショットの精度も欠いているという。僅かに平均パット数が前年から持ち直しているのが明るい材料ですが、なんとか復調のきっかけにしてほしいものです。

 

しぶこの“攻めのゴルフ”は魅力に溢れているのだが・・・

来季のシードを争う年間ポイントレース(レース・トゥ・ザ・CMEグローブ)は選手にとって重要なもの。苦戦続きのしぶこもこの秋、10月からのアジアシリーズ4戦は予選落ちのない試合でポイントを稼ぐには絶好のターゲットでした。ポイントランキングで“崖っぷち状態”が続いていることから「自分にとって凄く大きな試合。上位に入ってポイントも稼ぎたい」と意気込んでいましたが、フタをあけてみると相変わらずの低空飛行。上海41位、韓国56位、マレーシア60位。そして日本の「TOTOジャパン」(茨城・太平洋美野里)40位と上位はなし。

 

来季は「準シード」で出場優先順位は低いが、米ツアーで一発復調を期すしぶこ。

最後の最後までポイントランク「80位以内」を目指したしぶこ。アジアシリーズのあと、残り2試合となった米本土での女子ツアー。「どんな結果でも受け止める」と臨んだ「ザ・ア二カ・ゲインブリッジ」の2日目、きわどく最後のホールで奪ったバーディーで薄氷の予選通過。3日目は「69」。「最後の最後なので、もう攻めるしかない」と最終日の“爆発”にかけましたが5バーディー、4ボギー、1トリプルボギー。トータル「72」と2つ落としてで終戦。ポイントランキングを上げることもできず「すべてがダメでした。中途半端でした。情けない」と、つぶやくしぶこに笑顔はありませんでした。

自己“最終戦”、フロリダの1戦で7位に食い込み、来季の米シードを決めた勝負強い勝みなみ。

来季も日本に戻るつもりは一切なく、条件付きの試合出場でも「米ツアーで戦う」と宣言したしぶこです。だれが悔しいかといって、しぶこ本人が誰よりも身に染みているでしょう。4年前のあの“しぶこブーム”。しかし、勝負の世界は勝つことがすべてです。一時は憧れて追随した石川遼のスイング。その石川遼も苦難のスイング改造を乗り越えて、今季は素晴らしいスイングで“ニュー・遼”のスタートを切っています。まだ24歳。しぶこの“攻撃ゴルフ”が蘇る日を待ちましょう。

(了)