日本ゴルフツアー機構(JGTO)は来季の日程を発表。前年度より3試合減の23試合が予定され、これまで最も少なかった24試合をさらに下回って史上最少。消滅する大会は「ゴルフパートナーPROーAM」、「ASO飯塚チャレンジド」、「マイナビABCチャンピオンシップ」。韓国ツアーとの共同主管だった「ハナ銀行インビテーショナル」も共同主管から外れ国内ツアー扱いから除外されました。一方、昨年、新規大会として発足し今年はいったん休止していたJGTO・選手会主催の「For The Players By The Players」(群馬・THE CLUB Golf Village 5月9日~12日)が2年ぶりに復活。1増4減のツアースケジュールです。賞金総額は30億8832万円。3月28日開幕の「東建ホームメイトカップ」(三重・東建多度CC名古屋)でシーズンがスタートしますが、2戦目の最高賞金額・DPワールドツアー(欧州ツアー)との共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」(静岡・太平洋クラブ御殿場)まで3週間が空き、7月「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」後に3週、10月「日本オープン」後にもそれぞれ3週間の“空き週”が生じています。
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女子ツアーに毎年のように遅れをとってきた男子ツアーが、また大きく水をあけられました。24年度の女子ツアーは1試合減ながら37試合をキープ。賞金総額は44億円。年間を通して7月下旬に“猛暑対策”の2週空きがある以外、2月29日開幕から11月24日の閉幕までびっしりと試合日程が埋まっています。それに比べ男子ツアーは3度の“3週間空き”はじめ、試合のないウイークが目立ちます。男子ツアーも長い低迷期から脱してきてはいます。ルーキーの中島啓太が年間3勝で賞金王を奪ったのをはじめ、同じルーキーの蝉川泰果が2勝して賞金ランク2位。これに金谷拓実、平田憲聖、杉浦悠太(日大4年、ダンロップフェニックス優勝でプロ転向)ら若手選手の台頭が目覚ましく、男子人気を盛り返しつつあります。明るい兆しの見える男子ツアーですが、来季は人気NO1の中島啓太が、米ツアー資格の取得は失敗しましたが、欧州ツアーに主戦場を移しそうな気配です。
それでも男子ツアーで賞金増額が2試合あります。全英オープンの出場権がかかる5月の「~全英への道~ミズノオープン」(岡山・JFE瀬戸内海GC)が8000万円から2000万円増の1億円。今年新規開催された8月の「横浜ミナトチャンピオンシップ」(神奈川・横浜CC)も1億円から1億2000万円にスケールアップしました。欧州ツアーと共催の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つか」は、会場を「PGM石岡GC」(茨城)から太平洋クラブ御殿場(静岡)に移して開幕2試合目(4・25~4・28)に開催です。賞金総額は今年も日本オープンを上回る2億8606万円と国内最高額、会場も“御殿場”で一段と脚光を浴びそうです。
さらに9月の「パナソニックオープン」は、兵庫「有馬ロイヤルGC」。10月の「ACNチャンピオンシップ」は兵庫・三木GCにそれぞれ会場を移します。また「日本プロ選手権」は7月4日開幕で岐阜「冨士カントリー可児C志野」。10月10日からの「日本オープン」は名門・東京ゴルフ倶楽部(埼玉)で2001年以来23年ぶりの開催となります。
今年52回と長い歴史を重ね、08年に石川遼が史上最年少17歳1ヵ月でプロ初優勝を飾った「マイナビABC」が消滅。プロとアマがともにラウンドして成績を競った日本で唯一のプロアマ形式の「ゴルフパートナー PROーAM」やプロゴルファーと障害を持つ方々との共存を願って昨年発足した「ASO飯塚チャレンジド」が開催中止。韓国と日本の共同主管大会「ハナ銀行招待」は、日本が共同主管から外れるため、賞金加算の対象外試合となりました。下部ツアー(チャンレンジトーナメント)の「ABEMAツアー」は現在11試合の開催が決定しています。新旧さまざまで騒がしい男子ツアーですが、目覚ましい若手の大暴れに石川遼ら中堅・ベテランも加わり、新時代の男子ゴルフを盛り上げてほしいものです。
(了)