4打差逆転で“倉本招待”初代チャンピオンになった宮本勝昌(51)。 シニア2年目、5勝。「強いミヤモト」「憎たらしいヤツ」になりたい!

最終日、片山晋呉を4打差大逆転V・宮本勝昌。“倉本昌弘招待”初代チャンピオンとなる(提供:PGA)

“冠”に現役選手「倉本昌弘」の名をつけた日本では初めてのシニア大会が誕生。昨季のシニア賞金王・宮本勝昌(51)が、片山晋呉を4打差逆転の派手な1戦で初代チャンピオンに輝きました。大会名は「倉本昌弘招待・イーグルカップシニアオープンチャリティートーナメント」。舞台は北海道・札幌ベイGC(パー72)で、8月14、15日の2日間大会で行われました。大会会長は「正栄プロジェクト」の美山正広代表取締役。5月中旬に初開催が決まりシニアツアーに編入。倉本昌弘プロは「単なるメモリアルでなく“倉本インビテーション大会”として来年もよりよい試合を目指します」と、シニアツアーへ本格参入へ意欲をみせています。今季の優勝賞金は450万円。

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記念すべき国内シニアツアーの新規大会。第1回大会チャンピオンの座を射止めたのは賞金王・宮本勝昌でした。2日間大会。初日は「64」をマークした片山晋呉が首位に立ち、3打差の2位には5人が並ぶ接戦。短期戦だけにトップスタートの片山が断然優利と見られましたが、4打差を追った宮本の追撃はお見事でした。前日と風向きが逆になり、難関ホールとなった1、2番でいきなり連続バーディー。波に乗って前半で5つのバーディー。早くも1位の片山を捉えました。後半に入っても、風との計算。アンジュレーションが微妙なグリーン。神経を使いながらホールを重ねました。15番で2打リードしていることが分かり、さらに慎重に“ボギーを打たないゴルフ”に専念。クラブ選択を間違えないように大詰めへ。その間、ミドルパットが何発も決まったグリーン上の“好調”も、勝因となりました。

「僕のせいじゃない!宮本選手が強かっただけ。素晴らしい!」4打差をひっくりかえされて2位にとどまった片山晋呉(提供:PGA。北海道・札幌ベイGC)

「札幌ベイ」コースは、かってレギュラーツアー「サン・クロレラ・クラシック」を2001年から3年間開催(その後は小樽)しましたが、宮本は好成績は残していません。シニア世代になってからの宮本ゴルフの急成長がしのばれます。今回「68」「63」の2日間で最終日はボギーなしの9バーディーで回り、通算13アンダーのフィニッシュ。初日に4打引き離されていた片山晋呉には逆に4打差をつけての大逆転優勝。片山は「もう仕方ないでしょう。僕は上々です。僕のせいじゃない。宮本選手がすごかっただけです。素晴らしかった」と日大同期にハットオフでした。

シニア3シーズン目の宮本。51歳。レギュラーツアー12勝。そのうち5勝が「日本シリーズ」「日本ゴルフツアー選手権」などの日本タイトル。22年にシニアデビュー。23年は3勝してシニアツアー賞金王。ただしレギュラーツアーではシード落ち。今季は「生涯獲得賞金25位以内」の資格でレギュラーにも出場しています。151試合連続出場がある鉄人。

“倉本昌弘招待”シニア、初代チャンピオンとなった宮本勝昌(提供:PGA)

★宮本勝昌のコメント

「シニアでは毎試合優勝を目指しています。今年もアメリカのQT(予選会)に行くためにランキング最上位を狙っているので、その積み重ねです。先輩たちの中でも“宮本、つえ~ナ”というのが話に出てきているので、それはよいことだと思っています。憎たらしいヤツになった方がいいかなと思うし、宮本が2位とか3位にいてプレッシャーを感じてもらえればいい。そういう選手になりたいと思っていたので、回りでそう思ってもらえるのは、シメシメですね(笑)」

「倉本昌弘さんの名が“冠”ですが、倉本さんは何事にも行動力凄いなと思うし、影響力はどこにいっても凄いと思います。心強い先輩プロの大会で優勝できたことは、嬉しいかぎりですです(笑)

今シーズンも「強いミヤモト」を目指して、全力疾走する51歳がみものです。

 

(了)