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全米女子OP、夢の出場権を獲得した4人娘。シンデレラになれるのはだれ!!日本地区最終予選

全米女子OP日本地区予選、2年連続で出場権を獲得した川岸史果
全米女子OP日本地区予選、2年連続で出場権を獲得した川岸史果

海外メジャーの最高峰・全米女子オープンの出場4枠をかけた日本地区の最終予選会が5月8日(火)、茨城・大利根CCで36ホールストロークプレーによって行われました。難関を突破したのは、昨年に続き2年連続の川岸史果(23)がトップ通過したのを先頭に、蛭田みな美(20)、高山佳小里(かおり=24)、香妻琴乃(26)の計4人。最終予選会にエントリーしたのは68人(うちアマ33人)。通算1アンダーまでが通過し、葭葉ルミ、柏原明日架、勝みなみ、永峰咲希、宮里美香、横峯さくら、堀奈津佳、渡辺彩香らがトライして落選でした。大会は5月31日~6月3日、米アラバマ州ショールクリークCCで開催。今年はすでに鈴木愛、野村敏京、上原彩子、畑岡奈紗が日本ツアーや米ツアーの賞金ランキングなどから出場が決まっています。

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今季初の国内メジャー、ワールドサロンパスカップ(茨城・茨城GC西)の熱戦が4日間行われてから2日後の火曜日が最終予選会。会場は茨城GCから車では30分程度で行ける大利根CC。ワールドサロンパスでは予選を最下位(55位タイ)で通過、トータルでは16位タイで終えた川岸史果が、一念発起の頑張りでした。このところドライバーの調子が上がらなかった史果が、距離が長く思い切って振れる葛城・西コースでは日を追って復調をみせました。直後の全米予選会ではその波に乗ってドライバーがフェアウェイを捉えたのが強みでした。70、69で通算5アンダー。2位の蛭田を1打抑えてトップ当選を果たしました。

「ドライバーがフェアウェイにいったのでセカンドの距離感もぴったり合い、危うげのないゴルフができました。やっぱりドライバーが思い切って振れないとダメですね」と、飛ばし屋の川岸らしい感想。2年連続で全米女子OPの出場権を獲得したのはやはり″大物〝の貫禄でした。昨年の全米女子OPでは、父親・良兼プロがキャディーを買って出て話題になりましたが、本番では2日間で7オーバー、99位で予選落ち。「砲台グリーンの攻め方なんかができなかった」(川岸)と悔いを残しての敗戦でした。

「2年連続で予選を通ってほっとしました。去年のリベンジがしたいですね。1年間、いろいろ練習もしたので、今年はなんとか予選を通ってトップ10に食い込めるようなゴルフをしてきたい」と、本場のメジャー挑戦に意欲をみせます。父親が今年もキャディーをやるかどうか。「まだ決めてませんけど、どっちでもいいですね」と、あまり意に介してないようです。女子の中では大型プレーヤーの史果だけに、日本勢の期待を担ってのチャレンジになりそうです。

全米女子OPの出場権を手にした左から川岸史果、蛭田みな美、高山佳小里、香妻琴乃の4人(茨城・大利根CC)=写真提供:USGA
全米女子OPの出場権を手にした左から川岸史果、蛭田みな美、高山佳小里、香妻琴乃の4人(茨城・大利根CC)=写真提供:USGA

蛭田みな美は16年7月プロテスト合格のプロ3年生。昨季は賞金ランク70位で今季のQTランクは68位。全米女子OPの予選会は16年に続き2度目の挑戦でうれしい出場権のゲットです。
「結構ドライバーが曲がらなかったのでスコアがまとまった。アンダー出しても(通過は)4人だからシビアかなと思っていた。今年はパットの調子がいいので頑張れてる。パターは3本入れていてグリーンによって取り替えています。いまはフィーリングがつかめているので(本戦では)しっかり勉強してきたいです」(蛭田)。

畑岡奈紗らと同世代で交流がある蛭田。「奈紗ちゃんにも向こうの様子を聞いておきたいです」と、いまから心ワクワク状態。最終予選会では36ホールで4アンダーで回ってるので米ツアーでの腕試しは楽しみな若手です。

予選3位に入った高山佳小里(かおり)は全く無名の24歳です。専大を卒業した16年にプロ転向。主にステップアップツアー(下部ツアー)で戦い、上のツアーはただ1試合だけ出て予選落ちしています。QTの戦績も悪く昨年、今年は試合出場はなし。今年7月のプロテスト合格を目指して普段は神奈川・程ヶ谷CCでキャディーをしているという変わり種。「プロテストを受ける前に、腕試しというか試合に出ておこうと思ってエントリーした」(高山)という。ドライバーの飛距離は240ヤード。ショットが曲がらないのが持ち味だとか。
第1ラウンドは73。第2ラウンドは69。トータル2アンダーで3位に食い込んだのは驚き。第2ラウンドの8番では、セカンドショット(6I)がトップ。″やっちゃった〝と思ったら、ピンの真横2㍍強についてバーディー。このところパットの調子が悪く、キャディーの同僚から貸してもらったパターが「よく入った」という。「スコアボードも見ず、きょうは自分が一番楽しんで回っていたと自信がありますね」と、高山。「トップスタートで運もよかった。(予選通っても)イメージが湧いてこない。全米に出られるなんて、正直思ってませんでしたから」といいながら、横峯さくらや宮里美香、渡辺彩香ら、同世代の勝みなみらのトッププロを押しやって堂々の3位入賞は、立派というほかありません。

専大卒業時に「25歳までに合格しなかったらやめる」と決めたその最後の年に、一大ジャンプのチャンスをつかんだ無名プロ。シンデレラに成り得るでしょうか。

最後4枠目を通算1アンダーで勝ちとったのは香妻琴乃(こうずま・ことの=26)。プロ8年目。昨季賞金ランク63位。QTランク104位。ツアー優勝なし。今季はステップアップツアー(下部ツアー)が主戦場。出場機会の少ない中でトライした全米女子OPの出場権獲得は「まだ実感が湧いてこないほどうれしい」と香妻。「1回は行ってみたかった女子オープン。すごい遠い目標だったんですけど、それが実現して・・」と、言葉を詰まらせました。

「行くからには自分にもっと自信をつけて行きたい。ショット、パットとも、もう少し安定させて、初日から最終日まで同じリズムでできるようにしたい。しっかり調整したいです。国内のリランキングのためにも、見るだけでも重要な、吸収できることがあると思う。楽しみです」(香妻)。

それぞれの思惑を秘めてビッグチャンスを勝ち取った4人娘たち。最高峰の舞台で、どんなパフォーマンスを演じるのでしょうか!?
(なお男子の全米OP日本地区最終予選は5月21日、兵庫・ジャパンメモリアルGCで行われます)(了)