Daily Archives: 2016 年 2 月 22 日

スリクソンのダンロップからPRGRの横浜ゴムへ。プロ9年目ですべてを変えた森田理香子(26)の挑戦!

ダンロップからPRGRブランドに変わり、スイングする森田理香子(東京・港区 横浜ゴム本社)
ダンロップからPRGRブランドに変わり、スイングする森田理香子(東京・港区 横浜ゴム本社)

女子ゴルフ、2013年の賞金女王・森田理香子(26)が、スリクソンのダンロップからPRGR(プロギア)の横浜ゴムへ用品契約を変えて話題を集めています。08年のプロ転向時からダンロップのクラブを使用し、″ダンロップの顏”の一人にまでなっていた森田が、プロ9年目にして初めて他社のクラブを使います。PRGRブランドのクラブ、グッズ、さらにコーポレートシンボル「YOKOHAMA」のロゴの入ったキャップ、サンバイザー、キャディーバッグの使用契約を結び、横浜ゴムの″広告塔”としての役目も果たします。契約期間は3年間を1期限とした複数年。来週3月3日から開幕する女子ツアーに向けて3年ぶりの女王奪回を目指します。

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横浜ゴムとゴルフ用品使用契約を結び、野地彦旬社長(右)と握手する森田理香子(左)=2月18日、東京・横浜ゴム本社
横浜ゴムとゴルフ用品使用契約を結び、野地彦旬社長(右)と握手する森田理香子(左)=2月18日、東京・横浜ゴム本社

もともとショートカットの髪をさらに15㌢ほど短くカットして発表会場に現れた森田は、用品契約を終えたことを発表したあと「横浜ゴムは、ゴルフに限らず英国サッカークラブ・チェルシーやモータースポーツなどもサポートしており、私にも最大限のサポートをしていただけると聞いています。私自身、プロとして″勝ちたい”というこだわりを叶えていただける横浜ゴムとの契約は、大変光栄に心強く思っています。プロギアのクラブは、すべてに惹かれました。1勝するのも大変なのですが、今年は年間3勝をめざし、特にメジャーにも勝てるよう頑張りたいです」と、挨拶しました。

ドライバーは「iD ナブラRS 01」の9.5度。アイアンは「iD ナブラRS フォージド」(#4)と「iD ナブラツアー」(5W~PW)を使用しますが「すべてのクラブが気に入っている。特にアイアンはヘッドが小さ目でカッコいい。自分の好みの形です。難しいけど球も上がるし、弾道も打感もいい。ドライバーも球に伸びあっていい。ウェッジもピッタリきました」(森田)。パターとボールは契約外ですが、ボールもPRGRブランドを使うそうです。装着するシャフトも変更するそうで「いままでは曲げたくないと硬いシャフトを使ってましたが、今度はしなやかでコントロールができるものに変えた。球数も打てなくなっているし、自分のスイングも変わっている中でシャフトとのマッチングを考えた」という。スイングのトップからダウンスイングにかけて「クラブが寝て入るクセがあった」と明かした理香子は、用品契約が変わるのを機にすべてを一新したい考えのようです。

8年間使った「SRIXON」のロゴも、今年から「YOKOHAMA」に変わる!心機一転なるか?森田理香子。
8年間使った「SRIXON」のロゴも、今年から「YOKOHAMA」に変わる!心機一転なるか?森田理香子。

08年のプロ転向時からダンロップの世話になってきた森田ですが、その当時から横浜ゴムからも声をかけてもらっていたという。以来アプローチを続けた同社が8年越しに″恋”を実らせたわけですが、ダンロップとの契約を終了した森田には、複数のメーカーが名乗りを上げ、中でもヤマハとは最後まで争った末に、横浜ゴムに決着したいきさつがあります。
プロギアとクラブなど用品契約を結んでいる主なプロは、男子で平塚哲二、矢野東、小平智。女子では原江里菜、藤本麻子、辻梨恵らがいますが、すべて″PRGRロゴ”が入ったキャップやキャディバッグを使用しいています。今回の森田は、横浜ゴムのコーポレートシンボル「YOKOHAMA」のロゴ入りのものを使って戦います。同社の野地彦旬社長(のじ・ひこみつ=57)は「ヨコハマのロゴを使っていただくことで、プロギアブランドとともに、国内タイヤメーカーとしての波及効果を期待したい」と、マーケティング分野におけるタイヤビジネスへの展開にも触れる発言をしました。

飛ばし屋森田理香子も今年9年目でクラブを変えて再出発!
飛ばし屋森田理香子も今年9年目でクラブを変えて再出発!

国内7勝。13年の賞金女王も、昨季は未勝利で賞金ランクも20位。8年間契約を続けたダンロップは「契約続行の意思はありましたが、条件面での合意ができなかった」(ダンロップ関係者)と、破談のいきさつを説明しました。それだけに森田にとっては心機一転、今季の復調につなげないといけません。このオフは、年明けから地元の京都やグアムなどでトレーニングを積みました。ただし「いままでは時間があれば″ゴルフ、ゴルフ・・ゴルフをしないと”という頭があったけど、今年は何かを変えてみようと思った」という。女王になったあと、もがいても結果がでない時が続いて苦しみました。今年は考え方を変え、本を読んだり、人からの声を聞いて実際に試してみたり、縛らずにやりたいことをやって、メリハリをつけられるようになった。「オンオフがしっかりした方が、よりゴルフに集中できる、グアムではトレーニングばかりでなく観光したり、海で泳いだりしました。いままでとは違ったオフを過ごしたて、充実した毎日でした。(全部を変えて)ちょっと怖いけど、新しい自分を出せればいい」と、心境の変化ももらしています。

森田理香子は変われるのでしょうか。クラブはもちろん、ボールまで変えてしまうのは、プロとしては危険ではないかーという声も聞かれます。14年3月のTポイントレディス以来丸2年、勝利から遠ざかっている元賞金女王の再挑戦です。