中島啓太(日体大出)や蝉川泰果(東北福祉大出)の活躍でいま脚光を浴びる「大学ゴルフ」の新規国際大会が、今年9月日本・北海道で開催されます。『パンパシフィック大学ゴルフスーパーリーグ』の名称で日本、米国、タイ、韓国、中国の5ヵ国の大学生が参加。期間は9月6~8日の3日間競技で北海道北広島市の「札幌リージェントゴルフ倶楽部」が会場となります。日本からは東北福祉大、日大の強豪校はじめ早大、明大、法大、駒大、中京大、東京国際大、中央学院大、福井工大、東海大九州など10数校の出場が予定されています。個人戦のほか男女ともに各日5人中上位4人のスコアを採用する団体戦も行われます。将来的にはさらにビッグな世界大会への発展も期待され、トッププロ予備軍を生み“第2の松山英樹”が巣立っていくイベントになりそう。7月10日、東京・ホテルオークラで概要が発表されました。
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発表会場となった東京・虎ノ門の「ホテルオークラ東京」プレステージタワー41階の「エトワール」には、日大出身のプロ、堀川未来夢、東北福祉大出身の蝉川泰果プロもゲストとして出席。スクリーンでは松山英樹のビデオメッセージも登場して盛り上げました。松山は「自分も学生時代、こういった試合があったらいいのにと思っていた。海外の選手との交流はいい経験になるし、自分の力にもなる。参加する学生は十分交流を深めてください」とエールを送りました。
画期的な大学ゴルフの国際大会の実現です。近年の男子ツアー、金谷拓実(25)が東北福祉大時代の19年に「三井住友太平洋マスターズ」で史上4人目のアマ優勝。中島啓太(23)は日体大3年の21年「パナソニック・オープン」でアマ優勝。蝉川泰果(22)は22年、「パナソニック・オープン」を制し、「日本オープン」では95年ぶりのアマ優勝。史上初のツアーでアマ2勝。10日後の10月31日にはプロ転向を表明しました。他にも近年、若手群像の活躍は盛んで、低迷が続いた男子ツアー人気を盛り返す力になっています。男女とも大学ゴルフのレべルアップは各国とも顕著で、そのパワーがそのままプロ転向へとつながる傾向が目立っています。
そうした流れが、今回の大学ゴルフ新規国際大会実現へ押し上げたといえるでしょう。昨年の日本アマ王者で東北福祉大主将の岡田晃平(4年)も「海外の大学生と対戦できるのは楽しみ。海外の選手は飛ばすし、アプローチ、パットもうまい。一緒にやれば得ること、学ぶことがたくさんあると思う」と、いまから大会を待ちわびています。日大OBでツアー4勝の堀川未来夢プロは「大学時代の一番の思い出はチーム戦。チームになると実力以上に力を出す選手もいる。こういった国際大会ができるのはうらやましい」と話し、すでにツアー3勝している東北福祉大OBの蝉川泰果も「団体戦は緊張感が高まって、プレシャーの中で打つパットの勉強になった。各国のトップクラスの選手と触れ合えるいまの学生ゴルファーは得ることが多いと思う」とコメントしています。
大学ゴルフスーパーリーグの和田光司理事長(日大監督)は「世界レベルのプレーヤーを育成するステージ作りです。太平洋を囲む国々から大学チームを招き、世界レベルチャレンジの環境を作っていきたい」と、大会の意義に力を込めていました。
「大学ゴルフ」の現状と発展をしかと見守りましょう。
※参加大学
日本=14校(予定)
米国=サンノゼ州立大。ウエスタン・カロライナ大。ハワイ・パシフィック大。
タイ=チュラロンコン大。
中国=深セン大。
韓国=韓国体育大他合同チームなど。
(了)