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米下部ツアーで磨かれる馬場咲希(19)。「アイランドリゾート選手権」(6月ミシガン州)では1打差2位。“苦戦”を脱して本領発揮も間近か!?

 

ツアールーキーとして米下部ツアー「エプソンツアー」でもまれる馬場咲希。

米ゴルフの下部ツアー「エプソンツアー」を今季の主戦場にする馬場咲希(19)が、6月に入って苦戦から抜け出し、久々の注目を取り戻しています。2022年の「全米女子アマ」を制し、“アマの女王”となった馬場もこの4月25日が19歳の誕生日。今季はツアールーキーとしての第一歩を踏み出したばかり。米下部ツアー第9戦「オッタ―クリーク選手権」(インディアナ州 6.14~16日)では初日トップに立ち最終的には通算7アンダー5位。続く「アイランドリゾート選手権」(ミシガン州 6.21~23日)では1打差2位に惜敗。「あと1打だった!悔し~い」と残念がった咲希の笑顔もいつ以来でしょうか。アマとして国内ツアーにもたびたび顔を出し、昨秋の国内プロテストは2位で合格。米ツアーの予選会にも挑戦しましたが、惜しくも米国のツアー切符は取れず、下部ツアー序盤戦でも苦戦が続きましたが、ようやく“飛ばし屋・咲希”の本領発揮ももう近々か、という復調兆しの馬場チャンです。

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6月に入り、登り調子の馬場咲希。「アイランドリゾート選手権」では1打差2位に入る。

慣れない米国生活と戦いながら、下部の「エプソンツアー」を転戦する日々。試合会場も殆どが初めてのコース。友人もいない未知の世界での戦いは過酷です。今年3月、渡米する直前に高校を卒業したばかりの18歳。4月25日に19歳になった馬場の味方は、“若さ”でしょう。広い米国各地への移動にも早々と対応し、19歳の誕生日を迎えるにあたっても「10代最後の1年のスタートです」と、インスタグラムでも新たな意気込みをみせて元気です。また「いろんなところへ行き、アメリカのおいしい食事にも出会いました」と、異国生活の楽しさの一面もみせる夢多き19歳です。

「エプソンツアー」は年間約20試合ほどありますが、開幕戦は3月8日からの3日間54ホールの「フロリダ・ナチュラル・チャリティークラシック」。ツアールーキーとして臨んだ馬場咲希は、通算3アンダーの14位とまずまずのスタートでしたが「ミスが多い開幕戦でした。もっとミスを減らせるよう練習です」と第一歩は反省の弁。第3戦の「アトランティックビーチ・クラシック」は16位。開幕からフロリダ3連戦を終えるといったん帰国してビザの取得や休養にあて、5月に再渡米。賞金総額シーズン最高40万ドルの「カーライル・アリゾナ女子ゴルフ・クラシック」(アリゾナ州・5,9~12日、4日間大会)に照準を合わせていました。

昨秋、国内のプロテスト2位で合格。プロとなった馬場咲希。国内ツアーより米ツアーを選んだ。

しかし、初日「67」で15位スタートしながら2日目「75」で大きく後退。最終日、31位から出た追撃も2バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの「74」と落として51位フィニッシュ。思うゴルフができずシーズン最高の優勝賞金・約900万円(6万ドル)も夢に終わりました。

下部ツアーは殆どが3日間大会。優勝賞金は日本円にして600万円前後です。レギュラーツアーに比べて小規模で専属キャディーを雇うのも厳しく、セルフプレーをする選手も少なくないという。しかし、こうした厳しい環境に耐えるのも、翌年からのレギュラーツアー昇格を夢見る一念から。年間ポイントランキング上位10人までがレギュラーの通年出場権を得られ、次の5人には限定的な出場権が与えられます。

過酷な米下部ツアーの転戦でも笑顔を忘れない19歳・馬場。

さて、馬場咲希の6月。「オッタ―クリーク選手権」(インディアナ州、6.14~16日)で初日6バーディー、イーグル締め(1ボギー)の「65」。7アンダーで初のトップに立ちました。ところが2日目、5バーディーを奪いながら2ダブルボギー、1ボギーを喫する荒れたゴルフで通算7アンダーのまま2打差4位に後退。期待がかかった最終日の反撃も「72」のパープレーに終わり、トータル7アンダーの5位でツアー最年少優勝を逃がしました。とはいえ6月に入って調子を上げてきた馬場は次戦の「アイランドリゾート選手権」(ミシガン州、6.21~23日)では悪天候で2日間36ホール競技に短縮。最終日「71」と一つ伸ばして1打差2位の自己ベストフィニッシュ。「あと1打だったのに・・」と悔しさを隠せませんでした。しかし、2位賞金1万5589ドル(約242万円)を得て、注目の年間ポイントレースを31位から22位へランクアップさせました。

 

ロングドライブを飛ばす馬場咲希のショット。

国内でのツアー参戦を捨て、米国の下部ツアーを選んだ馬場には、米ツアーへの大きな夢があります。近年日本選手の海外での活躍が目立ちます。畑岡奈紗始め、笹生優花、古江彩佳。不調をかこっていた渋野日向子も「全米女子オープン」2位で蘇りました。山下美夢有、小祝さくら、竹田麗央(りお)とスポット参戦でも活躍の場を広げる日本選手のレベルアップがすさまじい。
年間ポイントランキング10位以内を目指す馬場咲希の“爆発”が待ち遠しいところです。

(了)