Daily Archives: 2025 年 9 月 1 日

日本タイトル“3冠の男”が蘇るか。国内最高賞金ゲット・小平智 ISPS来季は国内4大会をスポンンサー

賞金ランキング5位に浮上(JGTO提供)

前週の「ISPS HANDA・夏の決戦」を3打差8位で出て大逆転優勝。今季国内ツアー最高の優勝賞金4260万円を獲得した小平智(35)に“春”が到来です。北海道を舞台に2週続けてスポンサーを務めたISPSは「夏に爆発どれだけバーディー取れるんだ」「夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」(北海道ブルックスCC パー72)と2戦続きでバックアップ。2戦目の最終日を1イーグル、7バーディー、ボギーなしの「63」で回った小平智は、通算24アンダーで7年ぶりの国内ツアー8勝目を挙げたのです。半田晴久会長(国際スポーツ振興協会)によれば今回も日本オープンの賞金額を300万円上回る“日本最高”に設定。今後もそれを目指し、来季については「4試合のスポンサーをしたい。賞金額と面白さで日本一の大会を続けたい」と明かしました。

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夏の北海道を舞台に男子ツアーを2週続けてスポンサーしたISPS。大会タイトルも一風変わっていて「夏に爆発どれだけバーディー取れるんトーナメント」(優勝1200万円)と「夏の決戦、だれが一番強いんだトーナメント」(優勝4260万円)でした。

ISPS半田晴久会長も大喜び

半田晴久会長によればこれは「ギャラリーの目を引くやり方。米国では映画などでもこの手を使って客引きを図っているいる」という。2戦の優勝者は、比嘉一貴と小平智。ともに久々の優勝を手にしたベテラン。表彰式での半田晴久会長は「スター性のある強い選手が勝って盛り上がってくれました」と、この大会を祝福。大喜びでした。

第2戦を劇的な逆転勝ちを収めた小平智。東京・三鷹市出身。レッスンプロだった父親(健一)の手ほどきで10歳からゴルフを始め、駒場学園高から日大へ進み、2年で中退して2010年プロ転向。「日本ツアー選手権」、「日本オープン(15年)」「日本シリーズJT杯(18年)」と日本タイトル3冠達成する勢いでした。その18年、米ツアーにスポット参戦した「RBCヘリテージ」で日本勢5人目の米ツアー制覇。これを機に米国に腰を据えて戦いましたが結果は出ませんでした。23年には父でありコーチでもあった父を病で失い、24年には米ツアーを撤退する失意の時期がありました。

そして日本復帰2年目の大逆転優勝。4260万円のビッグマネーを手にしたのですから人生分かりません。「いままでで一番嬉しい優勝」と小平。最終日、8位からのスタートで前半3バーディー。後半12番から4連続バーディーと続き、首位に並んだのを確認して向かった17番(パー5)。残り265ヤードをピン3㍍に2オンさせ、これを決める劇的なイーグル。続いた不運を一気に吹き払うような奪首劇でした。

ISPSが設定した優勝賞金は4260万円。一気に順位を上げて賞金ランク5位にのし上がってきました。秋の陣にはまだまだビッグな大会も控えています。

親交の深い岩田寛とは2日間連続で飲み続け、祝福が続いていたとか。7月に米国合宿をして助言をもらったという松山英樹からも祝福され「少しは休んでください」とメッセージをもらい、平田憲聖、久常涼らと合宿を共にした仲間からもインスタグラムを交信しているという。

北海道から福岡・芥屋GCにとんで、「コースが難しい」と慢心は全くないと小平でした。「SANSAN KBCオーガスタ」が注目されましたが、祝福疲れか、通算4オーバーの61位と下位に終わりました。しかしISPSの優勝で賞金ランクは5位と秋の陣への夢を残しています。一度は撤退した米ツアーへの再挑戦を忘れてはいません。この秋は米ツアーの予選会に挑戦し、資格を得ることがいま一番の思いだという。「また挑戦したい。何が悪かったのか毎日考えている。前とは違う形でもう一度米ツアーで戦いたい」

小平智35歳。母国での“大きな1勝”が、一度は諦めた米ツアーへの夢を呼び戻せるかもしれません。