Daily Archives: 2025 年 9 月 22 日

米ツアー本格参戦金谷拓実。国内出場2戦目で石川遼を下す。世界を股にする金谷の狙いは3回目のマスターズ挑戦か?

 

「よりシビアな米国の環境の中、一つ一つ前に進んでいる」と語った(JGTO提供)

金谷拓実(27)、日本にはお久しぶりの登場です。今季は米ツアー本格参戦中で国内は2戦目の「ANA(全日空)オープン」。いきなり石川遼とのプレーオフを演じて勝利。国内ツアー8勝目を挙げました。優勝賞金2000万円をゲットです。米国からこの1週間前に帰国したばかりの金谷は、来週は再び渡米して米ツアーをこなし、10月2週目には日本で唯一開催される「ベイカレント・クラシックbyレクサス」(横浜CC)にとんぼ返りの帰国。さらにこの後は「日本オープン」(10月16~19日、栃木・日光CC)への参戦も決めているという超強行軍。そこには「マスターズ」(4月10日から)へのトライプランも秘めているというから凄いものです。それにしても、帰国していきなり人気者の石川遼をやっつけるとはー。

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今季の金谷は海外参戦を主力に戦い、16試合で予選落ちするなど大苦戦でした。前週までの米ツアーはトップ10が2度だけでポイントランキングは134位と低迷。今週は米国の試合がなく出場した国内の「ANA」もその象徴のような最終日となりました。強風が吹き荒れる厳しい天候。2打差の2位でスタートしながら2番でいきなりロストボールでダブルボギー。次の3番パー3でピン近くにつけてすぐひとつ取り返すと、6番まで4連続バーディー。8番パー3では再びダブルボギーを喫しながら攻めのリズムは失わない。9、12番に続き大詰めの17番(パー5)でも2オンしてバーディーを奪う粘り強さ。2ダブルボギーを叩きながら7バーディーを奪って「68」。石川遼とのプレーオフに勝ち残った一騎打ちは、2ホール目、遼が右サイドのクロスバンカーにつかまりパーを逃がすと、金谷は7㍍に乗せて2パットパーで逃げ切りました。

「強い風の中で大変でしたが、いいプレーができた。難しいコースを攻略できた。よりシビアな米国の環境の中、一つ一つ前に進んでいる感覚があります。石川遼選手とプレーできたのも楽しかった」と拓実。

27歳になる金谷は広島呉市生まれ。東北福祉大でアジア太平洋アマ選手権優勝(18年)。19年の三井住友VISA太平洋でツアー4人目のアマVを達成。20年にプロ転向し、11月のダンロップフェニックスで早々プロ初Vと順調な足取り。昨年は国内ツアー2勝を挙げ、賞金王。優勝は、昨季10月のACN選手権(国内ツアー)以来。昨秋には米ツアー予選会をクリアして今季は米ツアー本格参戦。その間「マスターズ」には19年に参戦し予選を突破したキャリアーを持っています。次にチャンスがあれば、22年以来3回目となりますが、先日マスターズ委員会が新たに「日本オープン」を含む6つのナショナルオープンの優勝者を、来年度のマスターズに招待するとのニュースを流したのは、金谷の胸に大きく響いたようです。世界を股にして強行日程もいとわず、腕を磨き続ける金谷のマスターズへの夢は尽きないのです。

「マネジメントミス」と振り返った(JGTO提供)

一方、3打差3位で出た石川遼は、通算17アンダーまで伸ばしながら、22年に続いて2度目のPO負け。今季初優勝も、通算21勝目も、スルリと手から逃がしてしまった。「3番ウッドで打ったのが右に抜けた。行ってみてあんなに飛ぶとは思ってもいなかった。バンカーに入っても、もっと手前かと思っていた。全体的には冷静にやっていたと思うけど、ちょっとしたところ気づかなかった。マネジメントミス」と、振り返りました。さらに「今季は開幕から10試合連続でトップ10入りがなかったが、“フジサンケイ”でようやく10位に入った。17日に34歳の誕生日を迎えたばかり。今年間違いなく一番いい1週間だったと思う」と口惜しさをかみしめていました。