俳優で歌手の小林旭(69)が初めて自分の名前を冠したシニアツアーが実現しました。PGAシニアツアー今季第4戦となる「小林旭インビテーショナル三甲シニアゴルフトーナメントin榊原温泉」。三重県津市の郊外にある榊原温泉ゴルフ倶楽部で9月13日、14日、2日間大会で開催されました。賞金総額は2,000万円、優勝賞金360万円と賞金額は少ない大会でしたが、昨年2月、PGAの名誉会員となった″小林旭プロ〝も選手として登場。優勝は飯合肇(54)が2日間6アンダーで今季2勝目を飾りました。先週もお伝えしましたように、最近人気上昇のシニアツアーに、いまだに人気者のマイト・ガイが加わった一味違ったシニアツアーでした。
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″マイト・ガイ〝小林旭は69歳にはなりましたが、まだまだ元気一杯でカッコいい姿でコースに現れました。女子プロの福嶋晃子が契約しているいまはやりのRomaRoのウエア、キャップを身につけ、キャディーバッグもRomaRoのロゴ入りとニューブランドで固めていました。初日は飯合肇、渡辺司といまシニアツアーの好調組と同組です。かっては戸塚CCのクラブチャンピオンにまでなったトップアマも、さすがに″プロ〝と名がついてもちょっと苦しいゴルフでした。ガンガン飛ばす飯合、渡辺にあおられてミスショットに次ぐミスショット。飯合63、渡辺66で計15個のバーディーを目の前でみせられてマイト・ガイは90。57選手中ドンジリの57位。成績順となった2日目(最終日)は、河野高明、藤木三郎と組んでトップ組です。しかし、ゴルフの内容は同じようなもの。初日2バーディーに対して2日目は1バーディーでスコアは85。2日間通算31オーバーでぶっちぎりの最下位で終わりました。
「初日に飯合、渡辺両プロのすごいゴルフを見せられて、あせるつもりはないのに慌てたのかな。こちらもたまにバーディーがくるものだから″よ~し〝と思うと、とたんにボールの上っ面をたたいてダメなんだ。飯合プロに″自分と一緒で旭さんもおっちょこちょいですね〝といわれたよ。トシのせいかな。自分のゴルフの3分の1も力を出せなくて腹立たしかったね」と、苦笑いのホストプロでした。
しかし、自分の名前を冠にしたシニアツアーが実現したことへのマイト・ガイの喜びようはひとしお。
「三甲(主催者)の後藤社長のおかげです。2日間お天気にも恵まれプロたちがいい試合をしてくれて楽しかった。小林旭の名前が少しでもお役に立つのならこれからもやっていくつもりですよ。気持ちよかったねぇ」と、満足そうでした。2日間とも暑い中、ホールアウトするとその足でテントに座り、列をつくるギャラリーにサインや握手のサービスにつとめていました。大会前夜祭では、マイト・ガイ自らも新曲など3曲を披露して会場を盛り上げ、松井功PGA会長も感激の面持ちでした。
小林旭さんのゴルフ好きは古くから有名です。松井功会長とも長い付き合いで、シングルプレーヤーだった小林旭さんはシニアツアーの活性化のためにこれまで40試合以上もPGAのシニアツアーに推薦で出場して寄与しています。プロゴルファーになる夢も持っていて、シニアツアーの予選会への登竜門であるアマチュア選考会や、ティーチングプロへのテストも2度トライしたほどです。結果は残念でしたが、小林旭さんのゴルフへの情熱やPGAへの貢献度も踏まえて、PGAは07年2月、名誉会員制度を設定、小林旭さんを名誉会員第1号に選出したのです。
その″小林旭プロ〝をサポートして立ち上がったのが㈱三甲の後藤社長で、小林旭の名前を冠した新トーナメントを主催するに至ったのです。米国ではアンディ・ウイリアムスとかビング・クロスビー。日本でも中村寅吉メモリアルや女子でも樋口久子の名前を冠にしたトーナメントがありますが、シニアツアーでは初めての記念すべき試合の誕生となったわけです。
今年の第1回大会は三重県のコースで行われ、ギャラリーの数もまだまだ多くはありませんでしたが、こうしたトーナメントがこれからも大きく成長していけば最高でしょう。
《小林旭招待・三甲シニアin榊原温泉主な成績》
ー6(1) 飯合肇 63 75
ー5(2) 稲垣太成 71 68
丸山智弘 69 70
ー4(4) 羽川豊 68 72
ー3(5) 中瀬寿 71 70
重信秀人 71 70
須藤聡明 68 73
-2(8) 新井規矩雄 72 70
伊藤正己 70 72
三好隆 69 73
渡辺司 66 76
-1(12)佐藤剛平 73 70
湯原信光 72 71
蔵岡伸二 70 73
高橋勝成 69 74
0(16)室田淳 72 72
文山義夫 72 72
藤池昇龍 71 73
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+31 57位小林旭 90 85