★尾崎健夫、室田淳のレギュラーツアー出場義務試合が「16」から「13」に軽減!


終日の雨で2度の試合中断したファンケル。中断中には尾崎健夫(右端)、中嶋常幸(手前)らの発案でシニア選手の即席サイン会で雨宿りのギャラリーを慰めた(裾野CC)
終日の雨で2度の試合中断したファンケル。中断中には尾崎健夫(右端)、中嶋常幸(手前)らの発案でシニア選手の即席サイン会で雨宿りのギャラリーを慰めた(裾野CC)

PGAのシニアツアーで尾崎健夫(54)が先週のファンケルクラシックで逆転勝ちし、シニアの賞金王レースのトップに立ちました。といっても、シニアツアーは今季まだ2試合目。これからの秋の陣で残り7試合がありますが、ファンケルでも3日間のギャラリー数が第8回大会で初めて1万人台を突破するなど、シニア人気が徐々に高まってきているのが注目です。さらに25日にはシニアの″主役〝尾崎健夫、室田淳に、レギュラーツアーへの出場義務試合軽減の朗報が飛び込みました。

 
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富士山麓に広がる裾野CCで行われたファンケルクラシックですが、例年の″酷暑試合〝とは打って変わり、今年は秋の到来を思わせる涼しさと、連日の雨もようで様子の違った大会でした。その中、初日は2,804人、2日目は5,117人、終日ひどい雨となった最終日は4,247人で3日間合計12,168人のギャラリーが集まり、この大会としても初めての1万人台超を記録しました。降りしきる雨の中、残ったギャラリーのためにあえて18番グリーンで表彰式を行った池森賢二ファンケル名誉会長(大会会長)は、自らも雨に濡れながらギャラリーやボランテアら関係者に感謝の言葉を述べていました。そして第1回大会は2,200人だったギャラリーが年々増え続け、初めて1万人台を超えたことにも触れ「この明るいニュースをお伝えして、みなさまとともに喜びたい」とスピーチを締めくくっていました。 

シニアツアー5年目、54歳の尾崎健夫の長打力は、シニアでもファンをとりこにしている。(ファンケルクラシックで=裾野CC)
シニアツアー5年目、54歳の尾崎健夫の長打力は、シニアでもファンをとりこにしている。(ファンケルクラシックで=裾野CC)

「シニアの元気は日本の元気」をスローガンにしてきたファンケルクラシックですが、池森会長のシニアを盛り上げようとする熱意は毎年並々ならぬものがあります。会場では来場してくれたファンにはクラブハウステラス食堂を開放、飲料の無料サービス、化粧品の使い方やそれに関して女性へのお肌チェックサービス。さらにファンケル商品袋のおやげなど数々のサービスを実施していました。
また今年は、報道陣とその家族に対しても「一人でも多くきて欲しい」と、最終日は東京駅からバス1台をチャーター。大雨にもかかわらず15人の関係者がこのバスで来場。コースの賑わいに寄与していました。

 こうしたファンケルの毎年の努力が徐々に実ってきたのでしょうが、試合の方もなかなかのものでした。初日、2日目はシニア2年目の渡辺司がトップを走り、最終日は断続的に降り続いた強い雨の中、2度の試合中断を挟み、信じられないような試合強行でついに薄暗くなる午後6時前に18ホールを完了。雨中戦を手堅いゴルフに徹した尾崎健夫が、この日71で回り通算9アンダー、1打差で逆転勝ちしました。
  「2度目の中断のときは、99%できないと思った。でもやるというので″よし、きょうの試合はどうしてもやるんだな〝とモヤモヤしていた自分の気持ちを切り替えた」と、ベテランらしいジェット(尾崎健夫)の見上げたプロ根性でした。中断が2時間13分にも及んだとき、ジェットは中嶋常幸らと自発的に話し合ってキャディーマスター室前で即席のサイン会を開き、雨に閉口しているギャラリーを慰めたりもしました。レギュラーツアーにはあまりないこうしたファンと一体になれるシニアの雰囲気が、シニア人気の後押しをしているのでしょう。「シニアのギャラリーもレギュラーツアーを凌ぐほどになってきた盛り上がりがうれしい」(尾崎健)と目を細めていました。 

優勝カップを抱える尾崎健夫(右)と池森賢二大会会長(左)(裾野CC)
優勝カップを抱える尾崎健夫(右)と池森賢二大会会長(左)(裾野CC)

ところで、尾崎健と室田淳の二人は、シニアでありながらレギュラーツアーへの出場資格を持っているため、今年も両ツアーかけもちで頑張っています。(中嶋常幸もそうですが、中嶋は永久シード保持者)尾崎健が今季出場したレギュラーツアーは現在9試合ですが、レギュラーツアーには年間16試合の出場義務が課せられていました。両ツアーかけもちの選手にはこれが足かせになっていたのです。これから始まる秋の陣ではシニアの7試合のうち5試合がレギュラーの試合と同週にぶつかっています。尾崎健は「シニアの試合を優先したいが、そうするとレギュラーツアーの16の義務試合がぎりぎりになって1試合も休めない。室田(淳)も同じだが、これを何とか緩和してもらいたい」と、かけもち選手の訴えを続け、JGTOに義務試合軽減の申請をしていたところ、8月25日付けで日本ゴルフツアー機構(JGTO)は「室田淳、尾崎健夫両選手への特別措置」として「義務試合を今年から13試合に軽減する」ことを決定しました。 

壮絶な雨中戦で最終日を強行した今年のファンケル。雨中の18番グリーンで選手の見守る中、優勝した尾崎健夫(右)を称えるファンケル池森賢二名誉会長(裾野CC)
壮絶な雨中戦で最終日を強行した今年のファンケル。雨中の18番グリーンで選手の見守る中、優勝した尾崎健夫(右)を称えるファンケル池森賢二名誉会長(裾野CC)

尾崎健、室田両選手はじめ、両ツアーをかけもちで戦おうとするこれからの選手にもビッグな朗報になりました。従来、米、欧のツアーメンバーにたいしての特別措置として″軽減〝の申請を許していましたが、今回米、欧シニアツアーのメジャー大会等に出場するためや、日本国内のシニアツアーに出てその活性を図ろうとする選手にも″義務試合軽減〝の枠を広げたものです。これによって尾崎健、室田も、晴れてシニア全試合に出場、大いにシニアツアーを盛り上げてもらいたいものです。

 ◆日本シニアツアー賞金ランク上位(8月24日現在)

(1)尾崎健夫 16,390,500円
(2)飯合肇  15,750,000円
(3)渡辺司   7,683,000円
(4)中嶋常幸  6,810,000円
(5)高橋勝成  5,775,000円
(6)丸山智弘  4,342,200円
(7)藤池昇龍  3,255,000円
(8)牧野裕   3,214,000円
(9)三好隆   2,991,500円
(10)室田淳  2,930,500円