今年は幸運の女・若林舞衣子。3試合でホールインワン2個。400万円ゲットで「40倍嬉しいエース!」

今季は好調、3試合前の西陣レディスではツアー2勝目を挙げた若林舞衣子。最近3試合ではホールインワン2回とツキも回ってきて期待の星(ワールドレディス最終日#18=茨城GC西)
今季は好調、3試合前の西陣レディスではツアー2勝目を挙げた若林舞衣子。最近3試合ではホールインワン2回とツキも回ってきて期待の星(ワールドレディス最終日#18=茨城GC西)

 23歳の若林舞衣子がまたまたホールインワンを演じました。2試合前のフジサンケイの最終日にもホールインワンをやったばかり。ここ3試合で2つのエースを達成したのは珍しい!若林は3試合前の西陣レディスでは4年ぶりのツアー2勝目を飾っており、今年は序盤戦からおめでた続き。2つ目のエースを出したのは、今季初のメジャー「ワールドレディス・サロンパスカップ」(茨城GC西コース)の2日目のこと。この15番ホール(163ヤード)は400万円の賞金(提供:久光製薬)がかかったホールインワン対象ホールで、他に達成者が出なかったので若林がうれしい独り占め。今大会の7位賞金を上回る額。フジサンケイでは対象ホールでなく100万円のご祝儀だけでしたが、あわせて410万円はちょっとした特別ボーナスです。ちなみに、国内女子ツアーで400万円のホールインワン賞は、1990年のフジサンケイ(ファイブハンドレッド#18)で黄ゲッキン(台湾)が600万円をゲットしたのに次ぐ、2番目の高額賞金でした。今年は春から縁起のいい舞衣子さん、今季のブレークが楽しみです。

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ワールドレディス・サロンパスカップ2日目にはホールインワンを出して注目の若林舞衣子。最終日は15位に終わる(ワールドレディスで・茨城GC西)
ワールドレディス・サロンパスカップ2日目にはホールインワンを出して注目の若林舞衣子。最終日は15位に終わる(ワールドレディスで・茨城GC西)

 初日が春の嵐で競技中止となり、4日間から3日間54ホール競技に変更された今年初のメジャーでした。それでも大型連休の上、宮里藍、宮里美香、上田桃子の米ツアー組が帰国して出場。さらにはミッシェル・ウィーやモーガン・プレッセルの米ツアー選手の参加で、大勢のギャラリーが集まりました。そんな中で若林舞衣子のエースは演じられました。2日目、15番、163ヤード、小さな池越えで緩やかにスロープを上がったところにあるグリーン。6番アイアンのショットでした。カップ左7ヤードあたりに落ちたボールは軽いスライスラインを走ってポトリとカップイン。十分に見通せるグリーンでしたが、「ティーを拾っていた」(若林)舞衣子は、その一瞬を見逃していました。キャディが「入った!」と叫んで驚いて顔を上げましたが、もうあとの祭り。ホールインワンと分かると「やったァ」とバンザイバンザイの大騒ぎ。インに入って11番、13番とボギーを重ねていただけに、その2つを一瞬にして取り返すイーグルは嬉しかったのでしょう。次の16番をボギーにしたのは惜しまれますが、最終18番もバーディーとしてこの日は2アンダーの70。初日の31位から21位へと順位アップでした。

茨城GC西コース18番グリーンへショットする若林舞衣子(ワールドレディス・サロンパス最終日)
茨城GC西コース18番グリーンへショットする若林舞衣子(ワールドレディス・サロンパス最終日)

 「いい感触のショットでした。風も左からきていて、その流れで左から戻ってきて乗り、ワンクッションしていい感じでしから・・」
 若林のホールインワンは、ツアー6年目でこれが2度目。その1度目は、何と2週前の試合、フジサンケイレディス(川奈)の最終日。11番137ヤードで達成したばかりだったのです。13日目にまた出した2度目の快挙。「なんだか気持ち悪いですね。プライベートのゴルフ人生では7度目ですけど、プロツアーで2週間に2回出るとは・・。ホールインワンなんて簡単に出るもんじゃないし、フジサンケイではボールがバウンドしないで直接ピンに当たってそのままカップに入ったんですよ。今回は6~7メートルほど転がりましたけど・・」

ワールドレディスサロンパス2日目15番でホールインワン達成。ビッグな賞金、400万円のカタログを受ける若林舞衣子(茨城GC)
ワールドレディスサロンパス2日目15番でホールインワン達成。ビッグな賞金、400万円のカタログを受ける若林舞衣子(茨城GC)

 若林がエースを出したのは2日目のこと。複数の達成者が出た場合は均等割りで、あと1日、最終日が残っていたので「(もうだれも出ないように)カップにフタをしておいてください」と笑わせていましたが、結局は誰も出ずじまい。フジサンケイでは賞金の対象ホールではなかったので10万円のご褒美をもらっただけでしたが、今回のワールドレディスでは400万円の賞金を独り占め。それもツアー2番目の高額賞金だったのですから喜びもひとしおでした。記者会見で「フジサンケイより40倍もの賞金ですが、嬉しさも40倍ですか?」と聞かれて、素直に「ハイ」と答えていました。

 これで勢いづいて一気に上位へとあがるかと思いましたが、最終日はパットがいまひとつ決まらず73で、通算2アンダーの15位タイに終わりました。しかし、今年の若林は「運もついてきたみたい。これを逃がさないようにします」と、最終日を終えて改めて誓いをたてていました。賞金ランキングは12位(5月6日現在)にいます。

涙の今季初優勝して優勝カップを受けるアン・ソンジュ(韓国)
涙の今季初優勝して優勝カップを受けるアン・ソンジュ(韓国)

 大会は、日本勢が振るわず、アン・ソンジュ(韓国)、朴仁妃(パク・インビ、韓国)、モーガン・プレッセル(米国)の外国勢3人のプレーオフ。1ホール目で1.5メートルにつけたアン・ソンジュがこれを決めるバーディーで2人を振り切り今季初優勝(大会2連覇)。今季は開幕戦から勝てない悩みを漏らしていたアンですが、ようやく2年連続日本ツアー賞金女王の貫禄がよみがえり、涙にくれる勝利でした。これでアン・ソンジュは史上最速で生涯獲得賞金3億円を突破、賞金ランクも1位に浮上しました。初の国内メジャーで5位以内に日本勢がいなかった結果に、再び日本女子の危機が取りざたされています。次戦フンドーキンレディス(福岡CC和白)を注目しましょう。