青木功のハワイアン伝説を塗り替えた谷口徹!! 109ydを直接カップインの逆転 サヨナラ劇! 谷口徹vs藤田寛之のアラフォー対決の結末は??

安定したドライバーショットをみせる谷口徹(ブリヂストンOP=袖ヶ浦CC)
安定したドライバーショットをみせる谷口徹(ブリヂストンOP=袖ヶ浦CC)

 最終日、最終ホールで最後の1打でした。第3打、左ラフからの109ヤードを直接カップインさせた44歳の谷口徹。首位を行く藤田寛之(43)を1打差で追っていた谷口、“逆転サヨナラ”のミラクルイーグルショットでした。通算12アンダーとしてトップを奪った谷口を、1組あとの藤田はもうとらえられませんでした。奇跡の大逆転優勝。1983年、青木功が米ツアーのハワイアンオープンで最終日、最終ホール、同じく左ラフから放った127ヤードカップインの逆転イーグルを彷彿(ほうふつ)させるシーン。青木功の伝説は、谷口徹に29年ぶりに受け継がれた感の2012年ブリヂストンオープンでした!

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 秋の日の夕刻、千葉・袖ヶ浦CCの18番グリーンは、沈みかけた強い夕陽の逆光でかすんでいました。谷口の第1打は薄いターフのあとに止まって、2オンを狙うのはムリでした。グリーン右手前にある池に注意を払いながらレイアップした第2打は「カットに打ったのが逆にフック目に入って・・」(谷口)と左ラフへ。

谷口徹のスピーチはいつも本音が飛び出して面白い!
谷口徹のスピーチはいつも本音が飛び出して面白い!

 問題の第3打を放ったときの谷口のコメントがユニークです!
 「ラフにいったときは、あ~あ、と思ったんですけど、逆に(ラフだから)バックスピンとかいろいろなことを考えなくて、ピンの手前にさえ落とせば転がっていくと思いました。ライもつま先上がりで左に行きやすいから、100ちょっとのつもりでピンの右を狙ったつもりなんですけど、打った瞬間、逆光でボールが消えちゃったんですよ。だからどこにいったのか分らなくて、ギャラリーの反応だけで最初はそこそこいったんだな、(バーディーの)チャンスはあるなと思ったら、オーオーという声に変わって・・・。でも入ったのなんて分らなくて、(同組の)すし石垣が一番初めに気がついて走り出し、ハイタッチをするから、あいつとは付き合いたくなかったんですけど、僕のイメージが変わっちゃうんでね・・(笑い)。でも、せっかく走っていくからタッチしてやらないといけないかなと思ったんで・・僕も一緒にグリーンへ走っていったんですけど、テンション上がっちゃって、フーフーいいながらクールダウンしたんですよ。もしかしたらプレーオフもあるかなと思って・・。いい感じでは打ったけど、入るとは自分でも思っていなかったし、入れようと思っても入る場面・u桙ナもない。最低限バーディーを取っておけばひょっとしたらプレーオフに参加できるかなと思っていたのが、あれが入ったのはラッキーというか・・ですね」

谷口徹とは同じヤマハのクラブを使う親しい仲間。ブリヂストンOPでは逆転負けを喫した藤田寛之(袖ヶ浦CC)
谷口徹とは同じヤマハのクラブを使う親しい仲間。ブリヂストンOPでは逆転負けを喫した藤田寛之(袖ヶ浦CC)

 ロフト52度のウェッジで放たれたショットは、逆光に球が消えても谷口がイメージした通りに飛び、ピン右手前約3メートルに落ちて、そのままカップに転がり落ちたのです。正確無比のショットが、目を閉じていても打てそうな谷口の“技”といえるでしょう。

 フェアウェイにいったら(グリーンでは)OKにつけてきそうな雰囲気の選手ですから、プレーオフはないと思うのが無理かなと思って・・。プレーオフになったら2人とも(18番は)2オンはムリなんで、サードショットの勝負になったでしょうね」
 仲のいい藤田と谷口は、以前からヤマハと用具契約をしている藤田が中を取り持ち、谷口を同じヤマハとクラブ契約を締結させたいきさつがあります。以来、ヤマハが行う毎年11月のニュークラブ発表会には、必ず「藤田&谷口」が並んで列席して記者発表を行います。今年も11月12日(月)に、六本木で新「インプレスX」の記者発表会があり「藤田&谷口」のトークショーの予定が組まれています。
 ヤマハの同じプラブを使うようになってから藤田vs谷口の一騎打ちが数多くみられるようになりました。昨年の日本シリーズは谷口・藤田のプレーオフにもつれ込み、2ホール目、谷口が短いパット(1メートル弱)を外して、藤田の大会2連覇が成ったのは記憶に新しいところです。アラフォーのT・Fは仲はよくてもライバル同士。切磋琢磨(せっさたくま)し合ってお互いに進化しているように見えます。どんな競技でも、好ライバルあってこそ名選手は誕生するものです。

独特のハイフィニッシュで安定したショットをみせた藤田寛之だが・・(ブリヂストンOP=袖ヶ浦CC)
独特のハイフィニッシュで安定したショットをみせた藤田寛之だが・・(ブリヂストンOP=袖ヶ浦CC)

 さて、藤田は18番、1打目を右のラフに入れ、第2打を打つ前に前の組の谷口のイーグルを知ったそうです。「バーディーをとれば優勝と思っていたのに、急にイーグルをとれといわれてもねぇ。自分の台本にない出来事」と藤田。ラフからレイアップ。残り103ヤードの第3打は寄せきれず。それでも入ればプレーオフの左7メートルのバーディーパットも、打ち切れずにパー止まり。その瞬間、宿敵・谷口の逆転Vが成立しました。
 「イーグル返しかぁ。谷口さんはやり方があまりスマートじゃないな(笑い)。109ヤードを入れたの? どこまで根性のある人ですかぁ!?」
 16番のバーディーで単独首位に立ち、優勝は確実とみられていた勝ちパターンが、まさかの逆転負け。ゴルフは筋書きのないドラマです!!

ティーグラウンドに立つと人並みはずれた集中力を高める谷口徹(袖ヶ浦CC)
ティーグラウンドに立つと人並みはずれた集中力を高める谷口徹(袖ヶ浦CC)

 谷口徹、今季日本プロに続く2勝目。通算19勝で、目標としている「25勝」の永久シード選手へ、あと6勝と迫りました。何でも本音でモノをいうツッパリ屋。若いころはグループを好まず一匹狼で過ごしてきた谷口も、40歳を過ぎて角がとれてきました。
 「わいわいみんなで言うのも楽しい。自分が勝ったときは喜んでくれて祝福されるのはやっぱりええもんや」と、数人の若手を従えて最近は戦ってきました。

 「最近は韓国人選手の若手も強いし能力も高い。いつも必死で頑張り100%の力を出さないと優勝できない」と話す谷口は、日本の若手についても辛口の評価をしています。

 「日本人の若手も頑張ってほしい。本気度とか目標がないように僕の目からは見えちゃう。そんな感じだから優勝できないのな?自分の現状を認めて、もっと努力しないと、日本ツアーも盛り上がらないですね」

 1位・藤田寛之1億1754万6222円。2位・谷口徹9000万8516円。その差、約2753万円。残り5試合。ここでも僚友藤田との争いになってきました。
 「彼はボギーをたたかない安定した選手。何か分らないけど、スコアを作ってくる選手。ボギーかと思うとパー。乗せたらバーディー。いつでも寄せてくると思っていますよ。勝負はここから5試合です。最終戦まで藤田クンと争いたい」

 40代による賞金王争い。 ジャンボ尾崎や青木功も、40歳台になってからが強かった!!