鉄人・宮本勝昌、4年ぶりの感激・復活V。 「石川遼がホールアウトしたのに、こんなにも大勢応援してもらって・・」

ツアーでも屈指の飛ばし屋・宮本勝昌。久々その長打が冴えた(ANAオープン、輪厚コース)提供:JGTO
ツアーでも屈指の飛ばし屋・宮本勝昌。久々その長打が冴えた(ANAオープン、輪厚コース)提供:JGTO

鉄人・宮本勝昌(42)が4年ぶりの復活Vに目をうるませました。ANAオープン(9月18~21日、北海道・札幌GC輪厚)。通算18アンダーで谷原秀人(35)とのプレーオフとなり、1ホール目、7㍍のバーディーパットを沈めた劇的な勝利でした。20代、30代で各4勝している宮本が40代での初勝利。17勝中11勝を40代で挙げている3歳年上の兄弟子、藤田寛之(45)と歓喜の抱擁が注目を集めました。通算9勝中、4勝を「日本」の名のつく試合で挙げているメジャー男。151試合連続出場(06年~11年)の快挙も残している″鉄人〝の復活劇でもありました。

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ツアーでも屈指の飛ばし屋・宮本勝昌。久々その長打が冴えた(ANAオープン、輪厚コース)提供:JGTO
4年ぶり、感激の優勝カップを抱く宮本勝昌(ANAオープン、輪厚コース)提供:JGTO

4日間とも60台。3日目の68で谷原とともに首位に立った宮本。最終日はともに7バーディー、2ボギーと譲らず、通算18アンダーでプレーオフ突入。1ホール目の18番(パー4)で3段グリーンの2段目のピン左、7㍍に2オン。グリーン右エッジから″OK〝に寄せていた谷原をしり目に、スライスラインを読みきって沈め、谷原にパーパットをさせませんでした。

号泣する苦楽を共にした太田敦トレーナー(37)と抱き合い、続いて藤田から祝福の抱擁・・。久々の優勝争いで緊張の連続だったという18ホール。それでも7番からの3連続バーディーで2打のリード。「でも、ミスできないホール(パー5の#12)でボギーにしちゃった。あれでまた混戦にしてしまった」(宮本)。14番では谷原のバーディーで逆にリードを許す展開。その劣勢を引き戻したのは大詰に入った16番(パー3)からでした。このホール、谷原が1㍍。宮本は10㍍と、また引き離されるピンチでしたが、「闘争心が凄く伝わってきた」(谷原)というロングパットを沈めて執念をみせました。続く17番(左曲がりのパー5)。二人とも2打目を刻んで3打目勝負。123ヤードを9番アイアンでピン1㍍弱につけるスーパーショット。連続バーディーを奪って追いついたのでした。輪厚名物の17番は、前日も72ヤードの第3打を直接カップインさせるイーグルを奪ったホール。輪厚を征服、勝負を決めた17番といってもいいでしょう。

宮本勝昌の優勝コメント

「本当によかった。16番、17番といいパットが入ったからね。きょうはバーディーが先行したけど、手綱を緩めることなく3日目と同じ精神状態でやってたつもり。そいれでも久しぶりの最終日の優勝争いはやっぱり緊張した。パットのミスもあった。谷原に一つ先行されたときは、なんとか18番で追いつければいいと思っていた。17番では昨日はイーグル、きょうはバーディーで追いついた。17番、きょうの3打目、同じようなところに谷原のボールもあったし、まずは自分がバーディーチャンスにつけないといけない、と思っていた。それが予想以上に上手く打ててついてくれた。(兄弟子の)藤田さんに比べて、優勝への貪欲さが自分は薄い。だから優勝のサイクルが遅いんですね。でも、やっぱり練習の大切さを改めて感じました。谷原がKBCのときに首を痛めて、まだ完全じゃなかったのが残念。それでも彼は本当にいいプレーをしていた。(今後は)自分はあんまり大きな目標は持たない方。まずは次の試合で優勝を目指せるように・・。まずそこですね。日本シリーズにもこれで出られるようになったし、今年はこれから本当に楽しみ」

賞金シードは毎年確保している宮本ですが、優勝者しか出られない最終戦、日本シリーズJT杯は、11年以降出場権が途絶えているのです。「日本シリーズにかける思いは人一倍強い」という宮本。初出場の98年には最終日ジャンボに3打リードされていながら、大詰の17番(パー5)で右のバンカーから25ヤードを直接放り込む劇的なイーグルで追いすがり、プレーオフとなった4ホール目のバーディーでジャンボに逆転勝ちした強烈な思い出があります。大会2勝目の01年も、4打差を逆転しての勝利でしたから、″強い思い入れ〝も当然でしょう。

ともに譲らず通算18アンダーでのPO。1ホール目の宮本勝昌のバーディーで決着。握手を交わす宮本(左)と谷原秀人(右)=札幌GC輪厚(提供:JGTO)
ともに譲らず通算18アンダーでのPO。1ホール目の宮本勝昌のバーディーで決着。握手を交わす宮本(左)と谷原秀人(右)=札幌GC輪厚(提供:JGTO)

静岡・熱海生まれ。茨城・水城高から日大。91年には丸山茂樹を破って日本アマ優勝。95年には日大同期の片山晋呉、横尾要とともにプロ合格。99年には米ツアーにも挑戦。日本シリーズ2勝のほか、日本ツアー選手権にも2勝。″メジャー男〝といわれました。選手会長も3期務め人望も厚い選手です。
得意クラブは「ドライバー」というように、ツアーでもトップクラスの飛ばし屋さん。「最近はいつも藤田さんを祝福する側だったけど、祝ってもらうのも悪くないでですね」と優勝インタビューで笑いを誘った宮本。さらに「石川遼がもうホールアウトしたのに、こんなにもたくさん応援していただいてありがとうございます」と、居残っていた大勢のギャラリーに感謝の弁で会場を和ませる明るい性格。恒例のANA客室乗務員(CA)との記念撮影に「夢がかなった」と喜ぶひょうきん男でもあります。

45歳ですでに2勝の藤田に続いて42歳の宮本。日本プロでは45歳の手嶋多一も勝っています。今年もアラフォーの当たり年。残る秋の陣。ベテラン連のもうひと暴れが楽しみです。