龍と踊るファッション「ダンスウイズドラゴン」に飛ぶ「オノフ」・・。5社と”こま切れ契約”の片山晋呉

ナイキとの5年間の契約満了。新たに4社の首脳を従えての新ギア契約発表した片山晋呉(中央)=左からダイワ精工、ウィッツ、アシックス、タイトリスト各社の首脳。ANAインターコンチネンタル東京。
ナイキとの5年間の契約満了。新たに4社の首脳を従えての新ギア契約発表した片山晋呉(中央)=左からダイワ精工、ウィッツ、アシックス、タイトリスト各社の首脳。ANAインターコンチネンタル東京。

 男子ゴルフの昨年の賞金王・片山晋呉(36)が5年ぶりにクラブ、ボール、ウエア等のギアを総入れ替えしました。日本での″ナイキの顔〝とまでいわれたNIKEGOLFとの5年間の総合契約を2月で「お互い納得して」(片山)満了。新規のギア選びが注目されていましたが、なんと4社との『こまぎれ契約』を発表。所属の神奈川クリニックを入れると5社との契約となり、まさに五体を切り刻んだ?広告塔となって09年のシーズンにのぞみます。片山晋呉らしいたくましいビジネスですが、ANAインターコンチネンタルホテル東京で行った記者発表は新規契約4社のトップを従えての異例のものでした。4社合わせての年間総額は1億円を上回る(所属はまた別)複数年ビッグ契約です。心機一転の片山は4月1日、8回目の出場になるマスターズへ渡米しました(金額は推定)。

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 片山晋呉の新しいクラブはダイワ精工の「オノフ」です。ボールはアクシネットの「タイトリスト」。ウエアはウィッツ社の「ダンスウイズドラゴン」。シューズは「アシックス」・・と、171センチの小柄な晋呉の五体は今季から4種類の異種メーカーのギアに包まれます。3月30日の記者発表。最初、ダークスーツで席についた片山は、発表後に今度はオレンジ色のパンツに、白が基調のシャツは右袖がグリーン、左袖はパンツと同じオレンジという派手なゴルフファッションにお色直し。ウリのテンガロンハットもそのままで、前、左右、ひさしと契約社のロゴがめまぐるしくつく予定です。モノトーンの多かったこれまでのナイキとはガラリ雰囲気の変わった晋呉のお披露目です。

所属を含めて5社との新契約をすませて満面笑みの片山晋呉(ANAインターコンチネンタル東京)
所属を含めて5社との新契約をすませて満面笑みの片山晋呉(ANAインターコンチネンタル東京)

 5年間、ナイキ一色だった片山晋呉の″色〝が変わります。中でも驚かせたのがウエアの「ダンスウイズドラゴン」です。片山の妹、真里プロが08年からこことウエア契約をしていますが、ゴルフ界でもまだ無名に近いウィッツは本社が京都。会社設立は平成11年8月(資本金1,000万円)。04年からゴルフアパレル&アクセサリーのブランド「ダンス ウイズ ドラゴン」を立ち上げた会社です。伝説の生き物として神秘的にみられている龍がはねているロゴで「あたかも龍と踊っているような感覚になるウエア」(ウィッツ社)というふれこみです。なかなか遊び心あふれた商品ですが、「大量生産される大手メーカー品に飽きたユーザーが満足できるような商品開発をしたい。まだまだ名のない会社ですが、これを機にお見知りおきをいただきたい」と同社では話しています。

 普段からゴルフファッションにもうるさい片山は「ダンスウイズドラゴンはカラーパンツや多彩なデザインのシャツが着られる。そしてこのブランドは着替えなくてもゴルフ場からそのまま街に出かけるタウンウエアにもなるのもいい。ゴルフ界でもまだ着ている人がいないのがまたうれしい」と。

 ファッションも変わりますが、片山のクラブがナイキからダイワの「オノフ」に取って代わるのも特筆ものです。クラブには人一倍入れ込んできた片山は、かってはダンロップで「ゼクシオ」を生み、これはアマチュアの間でも空前の大ヒット商品となりました。ナイキでもそうですが、片山は「僕はやさしいクラブを作って自分で使い、シャフトを替えるだけでアマチュアにも使えるようなものにするのが好き」といっています。アマチュア用のクラブ開発に力を入れているダイワとはそういつ点でも息が合ったようです。近いうちに片山晋呉仕様の「オノフ」が出来上がるのが楽しみでもあります。

正確無比なショットで昨年も賞金王の片山晋呉。ナイキから使用ギアを一新、今季″新生・晋呉〝に変身できるか?
正確無比なショットで昨年も賞金王の片山晋呉。ナイキから使用ギアを一新、今季″新生・晋呉〝に変身できるか?

 何でもNO1がお好きな晋呉は「ダイワには最近は男子プロの契約者がいないのも気に入った。僕を全面的にサポートしてもらえるから・・。僕の成績があがり売り上げが伸びればいいし、磨いていけばさらにいいクラブができそう」と、学生時代には使ったことがあるダイワのクラブに15年ぶりにあらためて力を込めています。
 ただ、ダイワとの契約男子プロがいないというのは間違いで、シニアですが、デビッド・イシイや金山和雄らがダイワとの契約選手で「オノフ」を使っています。レギュラーツアーのシード選手にはいない、ということでしょう。女子では、昨年の日本女子プロ優勝の辛炫周(シン・ヒョンジュ)らが「オノフ」の使用契約をしています。

 ボールは、世界中で使用プロの多い「タイトリスト」のV1Xを使いますが、「横風に強いのがいい」といっています。シューズは「アシックス」。「初めてはいたときから、野球のイチローさんはじめ多くの人がアシックスを選ぶのが分った。ゴルフは1日10キロも歩くスポーツ。僕の足をサポートしてくれるクツだと信じてます」。

 さて4月9日開幕のマスターズには片山は01年以来、5年連続8回目の出場です。昨年は予選落ちでしたが、今年は飛ぶ「オノフ」を引っ提げての挑戦です。今春は2月、マレーシアオープン(欧州ツアー)の21位をスタートにWGCアクセンチュアマッチプレー(2回戦負け)、ホンダクラシック(予選落ち)、WGC CA選手権46位と、4試合の海外遠征をこなして乗り込むオーガスタです。自己最高は06年の27位。これを上回れるかどうか!が目標ではちょっと寂しい話です。石川遼の初出場で湧くマスターズですが、36歳の片山晋呉には優勝争いにからむくらいの大暴れを期待したいところです。