石川遼の好ライバル、”ビッグマウス”の片りん見せた池田勇太!

思いきりのいいビッグドライブを放つ池田勇太(東建ホームメイト杯=東建多度CC)=提供JGTO
思いきりのいいビッグドライブを放つ池田勇太(東建ホームメイト杯=東建多度CC)=提供JGTO

 日本の09年男子ゴルフツアーが東建ホームメイト杯(19日最終日)でようやく開幕しました。マスターズ帰りの初戦という″石川遼効果″〝があったとはいえ、開幕戦史上最多動員数(4日間合計3万7427人)をマークし、最終日の1万6482人は大会過去最多記録の盛り上がりをみせました。今年も遼クン人気に後押しされた男子ツアーとなりそうです。そんな中で優勝したのはプレーオフ勝ちの小田孔明(30)ですが、1打差の3位に食い込んだ池田勇太(23)に関係者の注目が集まりました。

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 最終日、池田は最終18番で3メートルのバーディーチャンスを僅かに外して天を仰ぎました。通算9アンダーで1打差の2位にいたのですから絶好のチャンスでした。結果はワンストロークでプレーオフに加われず″1打差の3位タイ〝。ツアー初優勝の夢はついえました。しかしご本人は「別に。しょうがないですよ。またチャンスがあれば勝ちますよ。きょうは3アンダーからスタートですよ。それで9アンダーでしょ。上出来です。初戦の最終日にノーボギーで回れたのだから満足してますよ」とあっけらかん。さらに″若手意識は?〝と聞かれて「試合場に入ればみんな同じ。トシとか関係ないです。平等だし同じ土俵で戦っているんですから・・」と平然と言い放ってました。アマ時代から怖いもの知らずの″ビッグマウス〝とあだ名された勇太クン。根は純情で好青年です。その強気なところがプロ向きなのです。

 池田勇太はものごとにくよくよしないそんな男です。最終日は2番から3連続バーディーを決めるなどアウトは31。インも34でノーボギーで6アンダー。一時は単独トップにたったほどで、最終日61人中「65」のベストスコアで回りました。73で出遅れた初日62位から、あとの3日間は60台で34位、25位、そして3位と3段飛びで順位を上げる得意の爆発力のあるゴルフでした。300ヤードドライブも打てる長打力もあるし、思い切りのいい池田のゴルフは、まさにプロ向きで、年は6歳年上ですが昨年のこの大会でともにプロデビューした石川遼の好敵手といっていいでしょう。

開幕戦の東建ホームメイト杯を制してうれしいツアー2勝目。優勝カップを掲げる小田孔明(東建多度CC)=提供JGTO
開幕戦の東建ホームメイト杯を制してうれしいツアー2勝目。優勝カップを掲げる小田孔明(東建多度CC)=提供JGTO

 池田は1985年12月22日千葉県生まれの23歳。6歳でゴルフを始め、葛城中3年のころから頭角を現し、千葉学芸高から東北福祉大へ。アマ時代は数々のタイトルを残し07年にプロ転向(卒業は08年)。全盛時代のジャンボ尾崎に憧れ、いまだに3タックのパンツにこだわって闊歩する個性派。見るからに″硬派〝の雰囲気を漂わせています。プロは今年3年目ですが、昨年はツアー出場権はなかったにもかかわらず、10試合に出て賞金ランキング52位(2082万円)に食い込み初シード権をゲットしています。
 その昨年8月にはツアー外だった関西オープン(今季からツアー昇格)で、池田は4日のうち3日間を石川遼と同じ組で回る優勝争いを演じ、プロ初優勝した遼クンの4打差2位に甘んじました。その1ヵ月前にはチャレンジツアー「エバーライフカップ」で一足先にプロ初優勝している池田ですが、遼クンについてはこう話していました。
「彼の見せ場はドライバーということになってますが、それよりもグリーン回りのアプローチとかショートゲームのうまいのには驚いたね。グリーンのどこへ乗せればいいかなどをちゃんと考えてやっているのはすばらしい。みんながもう少し静かにしてやれば、もっともっといけるんじゃないかな。いやー、実力はありますね」と。

09年男子ツアー開幕!今年も大勢のギャラリーを引き連れる石川遼(東建多度CC)=提供JGTO
09年男子ツアー開幕!今年も大勢のギャラリーを引き連れる石川遼(東建多度CC)=提供JGTO

 池田勇太23歳・プロ3年目。石川遼17歳・プロ2年目。6歳の年齢差はありますが、遼クンの好ライバルとしての二人の戦いはみものです。開幕戦では早くも3位で754万円を稼いだ勇太。37位の遼は61万1000円。水をあけてスタートを切ったバンカラ・勇太ですが・・。さて、シーズンの結果はどう出ますか!?

 

[池田勇太のアマ時代主な戦績]

★02、03年 日本ジュ二ア15歳~17歳の部優勝
★03年 世界ジュニア優勝
★05、06年 日本学生優勝。 アジア大学ゴルフ個人・団体優勝
★06年 日米大学選手権優勝。世界大学選手権個人・団体優勝。
日本学生王座決定戦優勝
★07年 日米大学選手権個人・団体優勝。
★03年~07年JGA男子ナショナルチーム代表

《プロツアー》
★08年10月 コカ・コーラ東海クラシック 2位
★09年4月 東建ホームメイト杯3位