石川遼(17)の全米オープンへの挑戦は、昨年に続いて今年も厳しい門に閉ざされて実現しませんでした。それにしても日本最終予選(セクショナルクオリファイング=5月25日)会場となった難コース・龍ヶ崎カントリー倶楽部(茨城県)を練習ラウンドなしのぶっつけで回ったというのは″無謀〝というしかありません。「今回出場した選手の中で、全体的なレベルは、一番下!」と、遼クンは自分をシビアに評価していましたが、期待が大きかっただけに失望感もまた倍でした。1日36ホールストロークプレーの結果、石川遼はイーブンパーで31人中18位。通過ラインには5ストローク及びませんでした。この最終予選通過の枠は「5人」。日本人で本戦出場権を獲得したのは横尾要(36)と甲斐慎太郎(27)の2人です。横尾要は4度目、甲斐慎太郎は初めての全米オープン出場です。
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日本での最終予選会には2258人ものギャラリーが龍ヶ崎CCに集まりました。もちろんお目当ては石川遼。その1打1打に歓声や落胆の声が沸き起こりました。スタートの1番でいきなりティーショットを右の林に打ち込み3打目のアプローチも寄せきれずにボギー発進。2番のティーショットは今度は左の林・・とミスを連発する最悪の立ち上がり。昨年、茨木CCで行われた日本最終予選への初挑戦でも、朝の第1ラウンドで出遅れ、後半の追い上げも届かずに予選を通過できなかった苦い思い出がよみがえりました。龍ヶ崎では売り物のドライバーショットが不調で苦しみ、短いパットでもラインが読みきれないなど、練習なしの初コースにてこずって前半は2オーバー、74で21位タイ。巻き返しを図った後半の18ホールも最後まで波に乗り切れず、やっと70。フェアウエーキープ率は46.42と5割にも満たず石川らしい攻撃ゴルフができずじまい。アンダーパーのゴルフができずに予選落ちでした。
「ファーストラウンドのミスでドライバーを打つのをためらってしまった。スピードがなかった。2ラウンド目はもう少し飛ばしたいという気持ちがあって、突っ込んでしまった」と遼クン。名門・龍ヶ崎CCは「古賀GC(昨年の日本オープン開催=石川遼は2位)をイメージしていた」というが、「古賀よりフェアウェイが少し広く感じた。グリーンがものすごく速くて全米オープン予選をやるにふさわしいコース。練習ラウンドをしなくても結果は変わりませんよ」と、自らの技量を問題にしたが、フェアウェイの傾斜とかグリーンの特徴など、頭の中でイメージできていれば結果は違ったに相違ありません。
5アンダーで予選を通過した甲斐慎太郎は龍ヶ崎CCには知人がいて「年間10回ぐらいプレーしている。このコースでの開催が決まってからはあまり回っていなかったら、知人から『通りたくないのか』といわれて、慌ててまた回った」といっていました。横尾要は「92年の日本オープン以来龍ヶ崎はこなかったが、先週の水曜日には練習ラウンドをして忘れていたコースのチェックをした」と、準備万端だったことを披露していました。
名匠・井上誠一氏設計の戦略性に富んだコースとして名高い龍ヶ崎を″甘くみた?〝石川遼のハンディはやはり大きかったとみるべきでしょう。
この最終予選の前は3週間も男子ツアーはなかったのに、石川は何故龍ヶ崎で練習ラウンドもしなかったのでしょう? 人気もので、あちらこちらと引っ張りまわされているのも辛いところです。それでも最初は5月23、24日に練習ラウンドをする希望をもっていましたが、この日は日本ツアー選手の指定練習日ではなく、断念せざるを得ませんでした。その前の19日~22日は練習ラウンド可能でしたが、平日で学校への登校を優先して結局は練習ラウンドなしでのぶっつけ本番。未知のコースでの36ホールは、いくら強がっても厳しかったに違いありません。
「メジャー出場のために練習してきたわけではありません。まだまだ目指すものはメジャーではない。自分の取り組んでいる目の前のものにです。マスターズや全米プロに出場できることはとても光栄ですけれど・・」と遼。今年も世界最高峰・全米オープンへの挑戦はならなかったですが、次なるメジャー「全英オープン」(7月16日開幕=ターンベリーリゾート)へのチャレンジが残っています。ミズノオープンよみうりクラシックで4位以内に入るか、同大会終了での日本賞金ランキング2位以内なら出場権をゲットできます。高校生プロ・石川遼の世界への挑戦はまだまだ続きます。
◆全米オープン日本最終予選(セクショナルクオリファイング)成績
-11 ① D・スメイル(NZ)
-6 ② A・キュー (比国)
-5 ③ 裵 相文 (韓国)
③ 横尾要
③ 甲斐慎太郎
**********以上通過者 **********
以下主な選手
-4 ⑥ 小田孔明
-2 ⑩ 近藤共弘
⑩ 谷口拓也
⑩ 藤田寛之
-1 ⑯ 星野英正
0 ⑱ 岩田寛
⑱ 石川遼
+4 23 富田雅哉
棄権 = 谷原秀人、 宮本勝昌
◆ 09全米オープン
6月18日開幕=ニューヨーク州
べスページステートパーク・ブラックコース(パブリック)