マスターズでは予選通過がかなわなかった石川遼(17)が、今度は世界最高峰・全米オープン(6月18日開幕=ニューヨーク州べスページステートパーク・ブラックコース)に夢を託して日本予選(セクショナルクオリファイング)にトライします。5月25日(月)茨城・龍ヶ崎カントリー倶楽部(7047ヤード、パー72)を舞台に一日36ホールストロークプレーの一発勝負。参加選手は現時点で31人(うち日本人18人)。本戦出場資格を得る人数は未発表ですが、昨年の2人(参加者数12人)から増え3、4人となるもようです。いずれにしても今年も狭き門であることは間違いなく、昨年に続き2度目の挑戦となる石川遼の健闘が待たれます。また石川は今年8月の全米プロ選手権に特別招待枠での出場が決まっています。世界のメジャーに次々とチャンスを与えられる遼クン、この辺でいいところを見せなくちゃあ、男がすたるというものです!
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ここ三週間、男子ツアーは試合がありません。その間「青木功 日野皓正フィールズチャリティープロアマ」(16、17日千葉・麻倉GC)にかり出された石川は、初日トップに立ちながら2日目(最終日)に手嶋多一に逆転されて2位タイどまり。最終18番(パー5)では2オンさせながら3パットでバーディーがとれずに涙を飲みました。1打の重みをまたまた味わった遼クンですが、25日の全米予選は目前に迫ってきました。 龍ヶ崎CCは名匠・井上誠一氏設計(昭和33年)の戦略性に富んだコースとして有名です。昭和38年には日本プロ、平成4年に日本オープン、平成8年には日本女子オープン、平成16年には日本アマがそれぞれ開催されています。
昨年、大阪・茨木CC西コースで行われた全米オープン日本予選では、石川遼は朝の第1ラウンドで4オーバーの最下位と大きく出遅れ、第2ラウンドでベストスコアの67を出したものの、36ホール1アンダーの9位。6アンダーで1位タイとなったC・パリー、A・ムラカミに与えられた本大会への出場権には遠く及びませんでした。
2度目の挑戦となる今年はなんとしてもリベンジしたい石川は「08年マイナビABC」の優勝によって最終予選出場の資格をとりました。ことしからこの最終予選の参加資格に「08年アジア・オーストラリアツアー、日本ツアー賞金ランキング上位25人」が追加されたことから、参加者数が昨年の12人から大幅増です。昨年2人だった通過者数については、5月24日にUSGA(全米ゴルフ協会)から正式発表になる予定です。
練習ラウンドを希望していた石川ですが、龍ヶ崎コースが一般営業をしていることから日程が合わず、指定練習日(19日~22日)は平日でもあり学校もあるため結局練習を断念。プロになって初めてぶっつけ本番で試合当日の25日を迎えることにしたようです。龍ヶ崎の難コースに練習ラウンドなしで臨むのは厳しいですが、石川は「鈍感で慎重になっていいかも・・」と平然と構えています。
当然、アンダーパーのゴルフをしないと上位には入れないでしょう。一発勝負の緊張感にも打ち勝たなくてはなりません。
狭き門での難関突破ができるでしょうか?
◆第109回全米オープンの最終予選◆
米国内では112の会場でローカルクオリファイング(地区予選)が開催され、日本と英国の2会場を含む15会場でセクショナルクオリファイング(最終予選)が開催されます。
日本では05年に小野ゴルフ倶楽部(兵庫県)でセクショナルクオリファイングが開催されて以来、今年で5回目の開催となります。セクショナルクオリファイングはローカルクオリファイング通過者のほか、日本ツアーやアジアンツアー、豪州ツアーの優勝者等に参加資格があり、今年も最終的には最大で42人の参加が見込まれています。
昨年、日本で開催されたセクショナルクオリファイングからは日本人は全滅で、クレイグ・パリーとアルテミオ・ムラカミの上位2人が本戦への参加資格を手にしました。
全米オープンにはこのほか、いくつかの出場カテゴリーがありますが、5月25日時点で世界ランク50位以内でも出場権を取得できます。石川は現在86位です。日本ツアーからは前年賞金ランク1位と2位に資格があり、片山晋呉と矢野東の出場が決定しています。
★日本での最終予選に出場予定の日本選手18人
石川遼
宮本勝昌
近藤共弘
岩田寛
藤田寛之
谷原秀人
星野英正
谷口拓也
甲斐慎太郎
久保谷健一
藤島豊和
武藤俊憲
井上信
小田孔明
富田雅哉
今野康晴
野上貴夫
横尾要