世界的認知度拡大を狙う「ZOZO TOWN」の大勝負!明と出るか暗か。6年間66億円で米ツアーを日本招致する前澤友作社長!

米男子ツアーの日本初開催を正式発表。左から青木功日本ゴルフツアー機構会長、前澤友作ZOZO社長、松山英樹、
米ツアーのクリスチャン・ハ-デイ副社長(東京都内)

ゴルフ世界最高峰の米男子ツアーが、来季日本で初めて観戦できる驚きの発表がありました!スポンサーになるのは「月旅行計画」を発表して世界をアッといわせたあのファッション通販大手「ZOZO」の前澤友作社長(42)。試合は日米ツアー共催で来年10月に千葉・習志野CCで開催され、賞金総額は約11億円(975万㌦)、優勝賞金約2億円(175万㌦)の破格の高額賞金大会。その名も「ZOZOチャンピオンシップ」で、6年に及ぶ長期契約。予選落ちのない78人の出場枠。うち60人が米ツアー。日本人(JGTO)枠は賞金ランキング上位者など最大13人となります。米ツアー2019年~20年シーズンに組み込まれますが、賞金は日本ツアーへの加算対象(減算あり)にもなる予定。この大勝負、吉と出るか凶と出るか。

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米ツアー日本招致の狙いは、ズバリ前澤社長が立ち上げている自社ブランド「ZOZOタウン(ファッション通販サイト)」の「世界的認知の拡大」にあります。前澤氏といえば、輸入CDやレコードのカタログ販売から始まり、2000年にはオンラインでファッションアパレル販売に参入。04年にオンラインファッションサイト「ZOZO TOWN」を立ち上げました。いまでは6900以上のブランド。65万アイテムを常時提供するビッグカンパニーに成長。12年には東京証券取引所第1部銘柄に上場。17年11月には、世界中の人の″サイズ問題〝を解決する「体型計測スーツ(ZOZOスーツ)」を発表。あらゆる顧客の体型にフィットした洋服を提供できると発信しています。「ZOZO」は18年7月に世界進出を果たして、いまでは72ヵ国と地域で手にすることができます。「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」という企業理念の促進に努めています。

「ZOZO」の世界的認知度を高めようと、米男子ツアーのスポンサーになった前澤友作社長。

一方、ゴルフのハンディキャップ5という前澤社長は、スポーツにも関心が高く、サッカーJ2千葉のスポンサーや、16年12月からはプロ野球ロッテの本拠地球場、千葉マリンスタジアムの命名権を獲得。「ZOZOマリンスタジアム」としてファンに親しまれています。プロ野球の球団運営への意欲も示していますが、前澤社長は「本社が千葉なので、千葉にまつわるものをサポートしていきたい」と話しており、今回米ツアーの日本開催コースを千葉・習志野CCとしたのもその一環と思われます。

先の月旅行の契約発表や、女優の剛力彩芽(26)との交際宣言など、話題性には事欠かない前澤社長ですが「人がまだやっていないチャレンジ。新しい挑戦。PGAの日本開催も世界的に見たことのない華やかな大会にしたい」(同社長)と、新たな試みへの意欲を声高らかに語っています。

11月20日に都内で行った米男子ツアー日本初上陸の記者発表には、スポーツ界、ファッション関係など200人を上回るメディアが集まりました。会場には前澤友作社長をはじめ、米ツアーからはクリスチャン・ハーディー副社長、青木功日本ゴルフツアー機構会長、松山英樹プロが列席。米国のフロリダと同時発表の形でした。米男子ツアー(PGA)は、すでに韓国での「CJカップ@ナインブリッジス」、中国での「世界ゴルフ選手権ーHSBCチャンピオンズ」などアジアに進出しており、日本での「ZOZOチャンピオンシップ」は、そのアジアシリーズの中の1戦となります。日程は来季の10月24~27日の4日間。今季でいえばマイナビABC選手権(兵庫・ABC)の週ですが、正規の日程は12月20日の来季日程発表までに決められます。
米男子ツアーは世界最高峰のゴルフツアーですが、参加している選手は25ヵ国(88人はアメリカ国外の選手)から集まっています。試合のTV放送は、226の国と地域で23ヶ国語で行われており、1億世帯が視聴しているといわれています。米男子ツアーが財政的にも豊かなのは、日本ツアーの比ではありません。今回の日本開催プランもZOZO側からではなく、PGAサイドから、前澤社長へのアプローチが発端だったとされ、前澤社長は「歴史と伝統のあるPGAツアーからの誘いを受けてスポンサーになれたことに大変感謝しています」と語っています。大金を投じてスポンサーとなった前澤社長の狙いは、まさにこうしたメディアによって「ZOZO TOWN」の自社ブランドの認知度を海外に広めることにあります。

これまで米PGAツアーには多くの日本選手が参戦していますが、2018年~19年シーズンは松山英樹と小平智の2人が在籍します。これまでの日本選手としては、松山英樹5勝、丸山茂樹3勝、青木功、今田竜二、小平智がそれぞれ1勝を挙げており、5人の日本選手で合計11勝を残しています。

「夢が実現した。もうちょっと若かったら自分ももう一回やってみたかった」と語る青木功JGTO会長。

「ZOZOチャンピオンシップ」の出場選手はどうなるのでしょうか。前シーズンの米フェデックス・ランキング上位60人とJGTOから10人。他に8人の特別推薦を含めた78選手。推薦のうち3人程度の日本選手が含まれそうで、日本選手は13人になる見込み。大会2週前のブリヂストンOP上位3人を含めた選考は、今後JGTOが協議して決定します。賞金総額11億円、優勝賞金2億円という高額。今季の全米OPが総額1200万㌦(優勝216万㌦=約2億3800万円)、マスターズが1100万㌦(優勝198万ドル=約2億1186万円)でしたから、トップクラスのメジャーに匹敵する高額賞金が用意されることになります。海外大会の国内賞金ランク加算は、メジャーのみと規定されていますが、今回は日米共催のため加算対象になり、加算割合は今後検討されます。いずれにせよ、高額が加算されるため、出場できる日本選手にとっても大きな魅力。来年10月の大会が待たれますが、日米双方の選手レベルの格差が大きければ大きいほど、日本のファンの失望も大きくなる恐れがあります。松山英樹は「米ツアーの日本開催が実現してうれしい。日本のファンの前で勝つことが大事。いつも応援してくれている恩返しをしたい」と意気込んでいます。日本国内で米ツアー選手をなぎ倒す英樹をみたいものです。6年契約。計70億円近いビッグマネーを投じてくれる前澤社長には″あっぱれ〝を!

(了)