女子ゴルフは新時代到来!″逸勝〝が悔しい新世代・21歳田中瑞希(みずき)、18歳西郷真央・・

西郷真央18歳。昨年11月プロテスト合格。プロ初戦での優勝を狙ったが、9番の池ポチャで5位。(19年日本女子アマ優勝のとき)

新型コロナウイルスの影響で約4ヵ月遅れの開幕となった女子ゴルフツアー「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)は、無観客試合の中、渡辺彩香(26)が通算11アンダーで並んだ賞金女王・鈴木愛(26)をプレーオフで下し、5年ぶり通算4勝目の復活優勝を飾りました。年間2勝して賞金ランク6位まで登った(15年)飛ばし屋が、売り物のドライバーショットに苦しみどん底に。昨季は賞金ランク115位から予選会を19位で通過し這い上がってきました。3日目まで単独トップに立っていた21歳の田中瑞希(みずき)は、3打差を守りきれず、1打差の3位タイでプロ初優勝の大魚を逃がしました。しかし、トップテンには予選落ちした渋野日向子と同じ黄金世代はじめミレニアム世代まで続々と名を連ね、女子ゴルフツアー新時代の到来を実感する開幕戦でした。

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安田祐香19歳。西郷とともに女子大生プロ。昨年アジアパシフィック女子アマ優勝などアマチュアの″女王〝。昨年11月プロテスト合格。女子プロツアーの新時代を担うミレニアム世代。プロデビュー戦は28位タイ。

最終ラウンドは悪天候で競技は月曜日に順延。予備日使用は97年の日本女子オープン以来23年ぶり2度目という異例のシーズン幕開けでした。その最終日最終組は、21歳の田中瑞希、20歳の古江彩佳、18歳の西郷真央がプロ初優勝をかけて戦う新鮮味あふれる開幕戦となりました。通常、日曜日が雨天中止の場合は、前日首位の選手がそのまま短縮優勝となるケースがほとんどですが、今回はスポンサー(主催者)のアース製薬側が大会前から4日間72ホール完遂を強く希望し、予備日を設けていたのだという。″月曜日決戦〝なってツアー初優勝を逃がした田中瑞希は不運といえば不運。「順延は歓迎でした」と、悪びれるところはみせませんでしたが、悔しさに唇をかみ「最終日はショットが曲がったり、パットも入らなかったりでしんどかった。(緊張で)体が硬かった。いつもと違うリズムになっていたようです。3打差を守れなったのは、まだまだなんです。次は勝ちたいです」。

原英莉花(21)。黄金世代で頭をもたげてきた本格派。ジャンボを師と仰ぐひとり。今回は5位タイだった。

インに入って先を行く渡辺彩香、鈴木愛に首位を明け渡した瑞希は、迎えた18番(パー5)。第3打をピン手前2㍍に寄せ、入れればプレーオフに加われたこのバーディーパットも、右に外して天を仰ぐゲームセット。なんとしても欲しかった「プロ1勝」と優勝賞金4320万円のビッグマネーもフイにしました。

誤所からのプレーで2打罰を受け、予選落ちした渋野日向子(21)がいなくても、次々と逸材が出てくる女子ツアーは話題がつきません。今大会を最後まで盛り上げた田中瑞希。昨年11月、3度目の挑戦でやや遅れてプロテスト合格した黄金世代(1998.10.24生まれ)のひとり。熊本・国府高時代はツアー1勝している大里桃子と同期生。151㌢の小柄な体をリズムよく振り切るショットは、250ヤードを飛ばします。今大会もパー5のホールはほとんどバーディーに仕留めたのはお見事。今大会までは「田中瑞希」の名を知るファンはほとんどいなかったでしょう。常に笑顔を絶やさず、明るいミズキ(瑞希)。初優勝は逃がしましたが、女子ゴルフ界にまた一人、強力な人気者が現れたといっていいでしょう。

勝みなみ(21)。黄金世代を引っ張ってきたプロ。開幕戦は28位タイに終わった。

最終日トップの瑞希を3打差で追ったのは20歳・古江彩佳(2000.5.27生まれ)と昨年11月のプロテスト合格の18歳・西郷真央(2001.10.8生まれ)。古江は昨年10月、富士通レディスでアマチュア優勝。即プロ転向したミレニアム世代の代表格です。史上初のプロ初戦での優勝を狙った西郷と原英莉花、笹生(さそう)優花(19=父が日本人、母がフィリッピン人。フィリピン国籍)は尾崎将司を師とする3人娘。西郷は高校入学前の17年春にジャンボ尾崎ゴルフアカデミーのセレクションに合格。千葉・麗沢高では19年の日本女子アマで優勝。昨年、プロを受験できる年齢が1年引き下げられたため当時高3でプロテストに合格。そのまま高校生プロでデビューするはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が4ヵ月近く遅れ、西郷は今春から日本ウェルネススポーツ大に進学。ツアーメンバー最年少(18歳8ヵ月)の大学生プロとなりました。
プロデビュー戦でいきなり最終日最終組。前半3つ伸ばしてトップに並びましたが、難関の9番パー3で無念の池ポチャ(ダボ)で泣きました。しかしプロ初戦から原英莉花、笹生優花ともども9アンダーで5位タイの頑張り。ジャンボを師とする3人娘は、いずれも5位以内に名を連ねる大健闘でした。

5年ぶりに復活優勝した渡辺彩香(26)。賞金女王の鈴木愛とのプレーオフを制して本来の強さをとり戻した。

国内女子ゴルフの新勢力への移り変わりは、すさまじいものがあります。勝みなみがブームを作った黄金世代は、渋野日向子や河本結、田中瑞希、小祝さくら98年生まれ。畑岡奈紗(99年1月生まれ)に続く2000年生まれのミレニアム世代には、古江彩佳はじめ安田祐香、吉田優利、西村優菜ら多くの逸材が見白押し。さらに2001年生まれの西郷真央、笹生優花、山下美夢有ら20年春の高卒組が力をつけて続きます。次々と台頭してくる女子ゴルフの若手群像。スイングも美しくて魅力あるゴルファーぞろい。まさに新時代到来は急ピッチです。
女子ツアーは開幕はしたけれど、次戦は7週先(1ヵ月半)のNEC軽井沢72(8月14~16日)まで、また中止が続きます。選手の体調管理もままならぬものがありますが、待ち遠しい日々が続きます。

(了)