男子ゴルフツアーも女子に続き「20~21年シーズン統合」!

新型コロナウイルス感染拡大で試合中止が続くJGTOの青木功会長。苦しい日に追われる。
男子ツアー2年連続賞金王の今平周吾。今年は来季と統一した長期戦をどう戦う?

ゴルフの国内男子ツアーは新型コロナ感染拡大で試合数の減少が続いたため、遂に女子ツアー同様、今年と来年のシーズンを統合することを決め、発表しました。今季、1月にシンガポールで1試合行っただけで、以降国内はまだ1試合も開催されておらず10戦が中止・延期。残り試合は現時点で14戦だが、まだ中止が増える可能性もあり、今季は初めて賞金王が誕生しない年、年間表彰式なども行わない年とします。シード権など出場資格も来年に持越しとなります。ツアー再開は最速で8月20日からの長嶋茂雄招待セガサミー杯(北海道、ザ・ノースカントリーGC)を見込んでいますが、28人もいるシード外国人選手が入国制限にあって来日できないことから、男子ツアーの再開は9月にずれ込む公算も大きくなっています。またシード外プレーヤーのツアー出場枠を決めるQT(予選会)も今年は開催せず、「特別QT」を行って10人程度のツアーメンバーを確保することになります。

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石川遼。昨年は賞金ランク3位と健闘。今季への期待も大きいのだが・・。

国内男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、6月17日になってようやく臨時理事会を開き、ツアー再開に関しての諸事項を決定、発表しました。コロナ禍によってガタガタになっているツアーの再開に関しての処置が最重要事項ですが、試合数がどんどん減っていく事態を憂慮した理事会は、今年は残り試合で賞金王やシード選手など年間表彰を行うのはムリとの判断。今年1月にシンガポールで行った「SMBCシンガポールオープン」から2021年最終戦までを統一して1シーズンとし、2年間通算で賞金王を決める方式を決定しました。今年を例にとると、年間25試合プラス前年残り試合14(未定)を加えた39戦の長丁場のレースになることになります。

池田勇太。昨年は賞金ランク17位。しかし今季も男子ツアーにはなくてはならない存在。

しかし、サポートしてもらえるスポンサーが増えない男子ツアーの場合、国内女子と比べれば来季も試合数の大幅な増加にはならないと予想されています。現時点では全25試合のうち国内は10試合が中止・延期。再開の最速試合となる長嶋茂雄招待セガサミー杯(8月20~23日)は「再開すべく調整中」(JGTO)としています。しかし、国内男子では賞金シード65人中、賞金ランク2位のS・ノリス(南ア)はじめ28人もの外国人選手がいることから、いましばらく入国制限緩和を待ってからの再開が望ましいとの声もあります。従って再開は9月以降にずれ込む可能性も捨てきれません。青木功JGTO会長も「なにはともあれ一日も早く収束してほしい」と苦しい胸の内を漏らしています。

試合数が少ない分、今年もギャラリーの人気は大きい男子ツアー。今季はいつ再開されるのやら。

世界の主要ツアーでは、米男子は先々週のチャールズ・シュワブ・チャレンジ(テキサス)で再開。米女子も7月31日からのドライブ・オン選手権(オハイオ)でのスタートを発表。韓国女子は、世界に先駆けて5月に無観客ですでに再スタートしています。国内女子は、今週25日からのアース・モンダミン杯(千葉)で無観客にて開幕予定です。国内男子だけが、いまだに明確な再開日のアナウンスがされておらず不透明なまま、20~21年シーズンの統合だけが決定されました。

今年の出場資格は来年に持ち越され、賞金シードから外れた選手などを救済するQT(出場資格予選会)も行われません。ただ、通常と異なる「特別QT」を10月に行い、新しいツアーメンバー10人程度の補充をする予定だという。新型コロナウイルス感染拡大により、4月以降10戦をなくしたJGTOの″被害〝は、計り知れません。

(了)