遼クン、またも叩きのめされた米ツアー挑戦! ハワイに続きフロリダでも惨敗!

この春、米ツアーに挑戦も2試合とも予選落ちの石川遼。

石川遼(29)米ツアー挑戦も、また惨敗!1月のソニー・オープンで予選落ちした遼クン、ホンダ・クラシック(米フロリダ州パームビーチガーデンズ・PGAナショナル、3・18~21)に出場、2日間で8オーバー、117位で連続予選落ちしました。国内ツアーの開幕が4月15日と遅いため、米ツアーでの小手調べにスポット参戦している石川ですが、米国の難しいコースには相次いで跳ね返されて苦戦続きです。2013年から5年間、米ツアーを主戦場にしたこともある遼クン。依然米ツアーでは未勝利。今季も主戦場は国内ツアーですが、9月には30歳を迎える節目のシーズン、「石川遼の巻き返し」は成るのでしょうか?

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ハワイ、フロリダともにタフなコースと風を征服できなかった。

コロナウイルスの蔓延で世界のゴルフ界も落ち着きがありません。国内でオフのトレーニングを続けた石川。1月には日本選手も大勢参戦するソニー・オープン(ハワイ・ワイアラエCC)に5年ぶりにエントリーしましたが70、74の4オ-バーで予選落ち。今年初戦を飾ることができませんでした。ティーショットが不安定で、フェアウェイキープ率の悪いゴルフ。したがってパーオン率もグンと落ちる苦しい展開に終始しました。2日目のバーディーなどは、最終18番のパー5、ひとつだけ。133位に沈む最悪のラウンドになりました。ハワイのソニー・オープンは今年で4度目の出場でしたが、2016年の84位が最高と、苦手な大会といっていいでしょう。
それから約2ヵ月が過ぎ、トレーニングの成果を今度はフロリダのコースでどこまで出せるかというホンダ・クラシックでした。風と池がつきもののフロリダを征服するのも、生やさしいものではありません。石川のゴルフは、ドライバーのでき不出来がどうしても中心。しかし、パームビーチ・ガーデンズのPGAナショナルコースも初日からフロリダ特有の強風が吹き荒れ、遼クンを苦しめました。ショットは乱れ、1、2番で早くも連続ボギー。3番パー5でバーディーを奪ったものの4、5番でまたも連続ボギー。後半も11番でダブルボギーをたたくなどスコアを落とし、初日から全くいいところなしの8オーバー、78。135位の苦戦のスタートでした。2日目はなんとかパープレーの70にまとめましたが、スコアを大きく戻すことはできず通算8オーバーの117位。2日目通算12アンダーで単独首位に立ったアーロン・ワイズ(南ア)からは20ストローク離されての予選落ちでした・
「何をいっても言い訳になる。こういう難しいセッティングでプレーするには、ビビらず自分のゴルフができるようにならないと厳しいです」と、日本とは違う米国のコースのタフさにハットオフの遼クンでした。

いま一度、米ツアーへの復帰を夢見る遼クン。海外へ出るとなかなか本領を発揮できない。

PGAナショナルコースのホンダ・クラシックには2年連続で出場している石川。コ-スのあらましは分かっていても、それを征服するには多彩なショットとセッティング攻略のノウハウがなくてはなりません。昨季は76、77の通算13オーバーで予選落ち。今年は通算8オーバーですから、多少はスコアを縮めたといえるのでしょうか。それにしても勝負になるようなスコアではありません。石川遼、このオフ2度の米ツアー挑戦は、ハワイとフロリダともに完敗で終わったといっていいでしょう。負け戦(いくさ)にこそ、得るものがあるのかもしれません。

日本では依然、絶大な人気を集める石川遼。試合にはいつも大勢のギャラリーが集まる。

石川遼と米ツアーとのかかわりは2013年から始まっています。2007年にマンシングウェア・KBCカップを高校1年、15歳で制して時の人になりました。翌年、プロ転向し17歳にして1億円を稼ぎ、09年には18歳の史上最年少の賞金王に。そして13年からは米国ツアーに主戦場を移し、2度の2位を記録しましたが、未勝利のまま16年には腰の故障で半年近く戦線を離脱。17年秋から再び国内を主戦場に復帰しました。19年には再度腰痛に苦しめられながらも、日本プロ、ゴルフ日本シリーズJT杯など年間3勝する劇的な復活をみせました。
日本ツアー通算17勝を挙げ、生涯獲得賞金10億円を突破(14人目)。いったんは米ツアーから撤退した石川ですが「自分の夢はあくまでも米ツアーで勝つこと」と、いまも夢を捨てていません。スポット参戦ながらも米ツアー挑戦を続けて、チャンスをうかがっています。今年9月17日に30歳になる年齢は、“まだ若い”のでしょう。今年も叩きのめされた2度の米ツアートライ。これを良薬にすることができるでしょうか?!

(了)