渋野日向子(22)、河本結(22)黄金世代の米ツアー挑戦がいよいよ始まります。米国行きを前に国内開幕から4試合の“前哨戦”をこなした二人。結果はしょっぱい国内戦でしたが、心機一転今週からはさらに手ごわい米ツアーに体当たりです。しぶこは国内4戦ともトップ10入りはなし。河本も先週終わったアクサ・レデイスで5打差のリードを岡山絵里(24)に逆転を許して「カッコ悪いな」と涙の2位。ともにモチベーションは上がらないまま29日には米国へ。勝負の世界、この悔しさは、グリーン上で晴らすしかありません。しぶこは6月末まで「約3ヵ月は帰らない覚悟」と語り、2年目の米ツアーライセンスを持つ河本は、さらに長期の米ツアー滞在も覚悟しての参戦です。米国からの朗報を待ちましょう。
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しぶこの米国行きの意気込みをたたきのめされたのは、アクサレデイス2日目のことでした。17番(パー4)ではティーショットをバンカーにに入れ、18番(パー5)では3打目のアプローチがグリーン右の池に滑り落ち、痛恨のプロ初、2ホール連続ダブルボギー。上がり2ホールで一気に4つ落とす大ポカで優勝争いから脱落したのです。第1ラウンドでは17、18番で連続バーディーを奪っていたこの2ホール。「前日いい上がりをしていたので『きょうも』と思ったらえらいことをしてしまった」と、コメントだけを残すほどの大ショックで、会見に応じることもできないありさま。32位まで順位を下げたしぶこ、翌日の最終日は裏街道の10番スタート。気を取り直してなんとか3アンダー「69」で回って通算4アンダー。順位は15位タイまで戻してのフィニッシュでした。
「風があってもなくても、スコアが出るときは出る。ダボ(ダブルボギー)をたたくときはたたくということでしょう。結果に対してあまり強い感情を持たないようにしたいなと思いました」と達観したようなコメントで振り返りました。国内4戦を終わっての感想は「スイングを改造しているのでいろいろな意見があると思いますが、私が決めたこと。最後まで意志を貫きます」と、強い意志を強調するしぶこです。全英女子オープンを制覇までしたスイングを変えることには賛否両論が交錯しています。左へのミスを防ぐために、トップスイングを後方からみて手元が右肩より上がらないスイングに変えているという。見た目では以前よりかなりフラットなスイングになりコンパクトに抑えているのがよくわかります。そこに留意して取り組んでいるために、現状では飛距離が落ちたり、コースマネージメントなどがおろそかになる懸念もないとはいえません。しかし、やり遂げるまでよそ見はしないと、しぶこの思いは強固です。
世界で戦うために進化するのだというしぶこに、迷いはありません。
今週4月1日からの今年メジャー初戦「ANAインスピレーション」(カリフォルニア州ミッションヒルズCC)で米ツアー遠征のスタートです。翌週の「ロッテ選手権」(4月14日からハワイ・コオリナGC)の出場も内定しており、続くシンガポール開催の「HSBC女子チャンピオンズ」(4月29日開幕)。ホンダLPGAタイランド(5月6日開幕)。ブルーベイLPGA(中国・海南島)のアジアシリーズにも出場が有力視されています。さらに出場権をすでに持っている6月3日開幕のメジャー第2戦「全米女子オープン」(カリフォルニア州オリンピックC)から6月24日開幕のメジャー第3戦「全米女子プロ選手権」(ジョージア州アトランタ・アスレチックC)まで、多くの試合にエントリーが可能とみられており、6月末まで約3ヵ月の長期遠征で日本を留守にしそうです。2022年からの本格米ツアー参戦を目指すしぶこに、QT(予選会)回避で出場権をゲットするチャンスが待ち受けているといえそうです。
一方、アクサでは第2日には大会コースレコードの9アンダー「63」をマークするなど
大会2連覇(19年大会でプロ初優勝)を目前にしていた河本。手痛い〝V逸〟に肩を落として吐き捨てました。「情けない。カッコ悪い。悔しい」とー。前週は第1日終了後に急性へんとう炎で棄権。「後半はバテて下半身がブレブレ。調整がうまくできなかった。ショットが思ったところへいかなくなった。プレーには集中していたと思うし、マネジメントは間違っていなかったと思うけど、プロとしてあり得ない」と、キッパリ。19年度の米ツアーQT9位で突破して昨年度から米ツアーを主戦場にしている河本です。米ツアー1年目は予選落ちの連発でいいところがありませんでしたが、リベンジに燃える2年目の今季です。日本での“前哨戦”で痛い目にあったこの1敗は、米国(世界)で戦うための強力なバネにするしかありません。
「次週はアメリカでメジャーです。また、精いっぱいプレーをしてきます」。気を取り直して米ツアーでのナイスプレーを誓う結。そうはいっても、今夜は(悔しくて)寝られないでしょう!
(ANAインスピレーションには日本人は畑岡奈紗、原英莉花、笹生優花ら7人が出場)。
(了)