東京五輪、夢舞台へ男女4人の代表決まる! (男子)松山英樹、星野陸也 (女子)畑岡奈紗、稲見萠寧

マスターズ優勝で日本中を沸かせた松山英樹、男子ゴルフ代表に決定

東京五輪もあと1ヵ月を切って実感が湧いてきました。ゴルフ部門でも各国男女2人ずつの代表選手が決まりました。日本男子はマスターズを制した松山英樹(29)と若手頭、今年2勝の星野陸也(25)。女子は米ツアーを主戦場とする畑岡奈紗(22)と今年5勝の大ブレーク、稲見萠寧(もね、21)の4人。男子は6月21日、女子は6月28日時点の世界ランキングを基にした五輪ゴルフランキング(OGR)で決定したものです。最後まで争った女子部門では、人気の渋野日向子(22)は約3ヵ月に及ぶ米国遠征で逆転入選を狙いましたが、「単独4位以上」が条件だった最後の全米女子プロも40位で、ついに不発。畑岡奈紗、稲見萠寧、古江彩佳に続く4番手に終わりました。男女ともに各国60選手。金メダルを目指す注目の女子大会は、8月4~7日、埼玉・霞が関CCで開催されます。

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先日、全米女子OPでの激闘のプレーオフも記憶に新しい、女子ゴルフ代表に決まった畑岡奈紗(19年日本女子OPでV)

日本ツアー最強女子を決める争い。米ツアーを本拠に戦う畑岡が、20年の米ツアー賞金ランク5位の実績などで世界ランキングでは早くから日本勢トップを独走。日本女子の東京五輪代表は、残る1枠を争う展開でした。代表圏戦争に火をつけたのは、昨季来大ブレークの稲見です。国内開幕第2戦の明治安田生命で永井花奈にプレーオフ勝ちして今年1勝目を挙げると、4月3勝、5月1勝と抜群の強さを発揮して国内女子ツアーの勢力図を一変させました。統合された20ー21年シーズンでは、計6勝を挙げる快進撃。4月時点の世界ランキング日本勢は、畑岡の次は渋野、古江、鈴木愛と続き、稲見は5番手だったのが、ウソのよう。5月23日の今年5勝目(中京TVブリヂストン)で、稲見はついに渋野や古江を抜き去り、畑岡を追う日本代表圏2番手にまで駆け上がる“大変身”をみせました。世界ランクが締め切られる最後の試合、アース・モンダミン・カップで今年初めての予選落ちを喫した稲見ですが、追ってくる古江が11位(優勝が最低条件)で逆転はなりませんでした。

一時は世界ランク日本勢2位につけていた渋野日向子。米ツアー遠征などでも成績が上がらず、世界ランク日本勢4位におちて五輪代表から漏れる。

約3ヵ月米ツアーを転戦したしぶこサン。7戦目の全米女子プロに賭けましたが、大きくスコアを崩して追撃は成らず。結局、今回の米ツアー遠征は5月のピュアシルク選手権の31位が最高で、世界ランクを上げることもできませんでした。予選落ちでも稲見の優利は変わらず、世界ランク25位で畑岡に続く日本勢2位の座をキープ、五輪選手が決定しました。

自分を「完璧主義者」というほど練習好きの稲見。試合が終わった翌月曜日にはもう練習場にいるという練習の虫。それに比例してゴルフの腕もぐんぐんと上がったのは不思議ではありません。安定したショットに比べて、やや弱点といわれたパッティングが、2年半コーチを受ける奥嶋誠昭コーチらからちょっとしたアドレスの矯正を受け、今季は見違えるほど腕がスムーズに動くようになったのが、好成績の要因でした。

松山英樹を追って世界ランク日本勢2位に食い込んだ星野陸也。東京五輪、期待の25歳だ。

一方、松山英樹のマスターズ劇的優勝で、一躍脚光を浴びた日本男子。米ツアーを主戦場とする松山が、マスターズの優勝でさらにランクを上げて日本ダントツの15位。2番手は、大きく離されて星野陸也の78位。3番手が85位の金谷拓実。4番手130位の今平周吾。5番手石川遼145位。6番手に浅地洋佑と続いていました。6月17日開幕のメジャー、全米オープンには日本勢の2番手を争う星野、石川、浅地らがエントリーして注目でした。しかし、石川、浅地がともに予選落ちで入選の夢は消滅。この時点で松山英樹に次ぐ日本人2番手が全米OP予選を通過した「星野陸也」に確定しました。

この2ヵ月、星野のチャージは素晴らしいものでした。4月末の関西オープン優勝、5月中旬にはダイヤモンド・カップでも優勝。世界ランクは100位から69位に急浮上。2位、77位にいた金谷拓実を抜いて松山に次ぐ日本人2番手に駆け上がりました。翌週に出場した全米プロは予選落ち。ブレーキがかかったかに見えましたが、星野は帰国せず米国にとどまって米国内カリフォルニア州の全米オープン予選会に挑戦。参加90人中、5人枠の2位で突破。出場権を獲得する執念が実りました。本戦の全米OPでは、松山と並ぶ通算3オーバーの26位。大会後に発表された世界ランキングで、松山は日本勢トップの16位、同2番手キープの星野は76位。各国2人(原則)の東京五輪出場権をモノにしました。
星野は茨城県生まれ。水城高から日大は2年で中退し16年8月プロ転向。飛ばし屋で国内ツアー通算5勝。20ー21年シーズンは3勝して好調。目下賞金ランク1位に立っています。初めての夢の舞台、五輪選手となった星野は「見てくれる人に感動を与えられるプレーをしたい」と、強い意欲を語っています。

(了)