日本で開催された米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」で松山英樹が劇的な勝利を挙げた裏で、同年配の 石川遼は、米ツアーの厚い壁にまた涙です!米男子ゴルフツアーへの夢を捨てきれず、30歳にして来季米下部ツアー(コーンフェリー・ツアー)からの再挑戦を決意した石川は、日程が重なった日本オープンを捨ててまで2次予選会(カリフォルニア地区、ベアークリークGC、パー72)に出場。その決意のほどがうかがえましたが、4日間通算4アンダー、284の35位。この地区で11月の最終予選会に進めるのは、通算9アンダー13位タイまでの19人。遼は通過ラインに5打及びませんでした。今季は春にハワイ、フロリダ、そしてカリフォルニアと3戦トライした石川の米ツアーはすべて予選落ち。それに続く今回の予選会敗退と、まったくいいところなし。国内ツアーに戻って、残る秋の陣での立て直しができますかどうか。英樹×遼の明暗は、あまりにも厳しすぎます!
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下部ツアーの予選会は米国内5会場で行われ、4日間72ホールのストロークプレーで予選落ちはない大会でした。石川がエントリーしたカリフォルニアの会場では出場71人中、19人が最終予選会(11月4~7日、米ジョージア州)に進出することが決まっていました。石川はブリヂストン・オープンを28位で終えた後、渡米して大会に備えました。
1日目は2アンダー70で回り24位。2日目はパープレーの72で28位。3日目は再び2アンダーの70を出しましたが、順位は一つ下がって29位。残る1日、最終日の巻き返しが期待されました。2番でピンそばにつけてバーディーを先行させる好スタートでしたが、5番、6番で連続3パットのボギー。さらに大きな落とし穴は9番パー5でした。
「9番は打ちにくいホールで前日までは1打目を3Wで打っていたのですが、(最終日は)5アンダーで回ったらチャンスはまだあると思い、また逆風だったのでドライバーで勝負したんです」という。その問題のドライバーが、大きく左に曲がって茂みに入り、痛恨のダブルボギー。後半9ホールは懸命に踏ん張り、18番は3㍍のバーディーパットを決めてホールアウトしましたが、結局はパープレーの72。スコアを伸ばすことができず通過ラインには5打及びませんでした。首位とは13打差がついて米国まで遠征した遼クンの“挑戦”は終わりました。飛躍を求めて取り組んでいるスイング改造が、いまだに大きな実を結ばないのが残念です。
「悔しいには悔しいですが、これがいまの実力。ごまかさず正面からぶつかって、1年後には成長できるようしっかりと向き合っていきたい。力をつけて、また来年挑戦したい」と、断ち切れない米ツアーへの強い思いを明かしました。2013年から5年間、米ツアーを主戦場にした石川ですが、腰痛などの故障もあって米ツアー未勝利のまま17年秋から国内ツアーに復帰した過去があります。国内に戻ってからも日本プロやゴルフ日本シリーズJT カップに勝つなど、日本ツアー通算17勝の実績を残している遼クンです。今季も国内ツアーは秋のビッグトーナメント5~6試合がまだ残っています。米国もいいですが、帰国後は気分一新して“石川遼のゴルフ”を国内で展開してもらいたいものです。同年配の松山英樹が、先週日本で行われた米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」でマスターズに続いて派手な優勝を遂げ米ツアー7勝目。約2億円の優勝賞金を手にしました。石川遼の胸中は、いかばかりでしょうかー。
(了)