キャロウェイ・ゴルフが笹生優花(20)と用具総合契約。トヨタ自動車の高級車ブランド「LEXUS」は、松山英樹(29)と9年目の所属契約更新!日本ゴルフ界の新年は男・女ビッグな話題で幕をあけました。昨年、全米女子オープンを制した笹生。マスターズのグリーンジャケットを着た松山と、海外メジャー制覇の2人。「チームキャロウェイ」の大きなサポートを受ける笹生は、1月20開幕の米ツアー「ヒルトン・グランドバケーションズ・チャンピオンズ」(フロリダ)が今季初戦。松山は昨季の優勝者だけが予選落ちなしで出場できる22年初戦の「セントリー・チャンピオンズ」(ハワイ)で21アンダー、13位タイとまずまずのスタートを切りました。世界のメジャーチャンピオン2人の新しいシーズンは、見ものです。
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笹生優花のキャロウェイとの総合契約は衝撃でした。世界のトッププレーヤーが契約し、数々の実績を作っている「キャロウェイゴルフ・カンパニー」(米カリフォルニア州カールスバッド)。日本でも石川遼や上田桃子らが愛用するクラブ・用具として有名です。笹生も22年シーズンからは同社製のクラブ、ボール、オデッセイのパターでプレーします。
「チームキャロウェイの仲間に入れてとてもうれしいです。ツアーチームの頼もしいサポートを受けて、私のキャリアの次のフェーズがスタートします。ドライバーからボールまで、テストでは素晴らしい結果で、万全の準備ができました。最高の年になるでしょう」(笹生)と、
新しいギアで戦う22年を楽しみにしているコメントを出しています。
笹生優花は日本人の父親とフィリピン人の母親を持ち、フィリピンと日本の両国籍を保有していましたが、22歳の誕生日までにどちらかの国籍に決めなければならない日本の法制に従って、昨秋11月「日本国籍」選択に踏み切りました。2001年6月20日生まれの20歳。20年1月にプロ転向すると、プロ2戦目の「軽井沢72」で初優勝。2戦目の「ニトリ」にも2戦連続優勝で火がつきました。21年には19歳の若さで「全米女子オープン」をプレーオフで制し、メジャーチャンピオンに上りつめました。鍛え上げた強靭な足腰から300ヤード近いドライブを飛ばすロングヒッター。若さと強いハートも武器に、早くも世界のトッププレーヤーの仲間入りを果たしています。
こんな彼女を、数々のスポンサーが見逃すわけがありません。キャップにもロゴを入れている「ICTSI」は、笹生の所属会社で「インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ」。フィリッピン・マニラに本社を置く港湾運営の最大手です。アジアや中南米などを中心に事業を行っています。キャップのツバに「刀」という日本語が刺繍されていますが、東京・銀座にある日本刀専門店「銀座長州屋」がスポンサーなのです。父親が日本刀好きで、この店によく行っており、小さいころから一緒にお供して「刀」を覚えたそうです。有限会社「サンヴァリィ」は、パターブランド「ピレッティ」の国内販売代理店。可愛いキャデイバッグも販売する同社は、彼女のスポンサーの1社でパターの“笹生優花モデル”もあるそうです。これまでの笹生の愛用グッズでした。他にJALの応援も貴重なサポーターですし、大阪のロックペイント会社も笹生を支援しています。
笹生人気はますます増えそうで、引っ張りだこの状態です。中でも今回のキャロウェイの用具総合契約は、プロゴルファーの彼女にとって一層のバックボーンとなりそうです。今シーズンも本拠地は米ツアーのようですが、魅力たっぷりの目玉選手に日本からも応援を送りたいものです。
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一方、男子ツアーの世界レベルにのし上がった松山英樹(29)は、「LEXUS」との2度目の契約更新です(1月からスタート)。期間は3年。東北福祉大の大学生だった2013年にプロ転向。トヨタとの所属は14年1月から3年契約。17年1月には5年間延長の大型契約。今回がさらに2度目の更新で、通算11年間のトヨタとのおつき合いです。
米男子ツアー日本人歴代最多の7勝。昨年4月には念願の世界メジャー、優勝賞金2億2800万円の「マスターズ」に優勝。秋には日本での試合、優勝1億9700万円の「ZOZOチャンピオンシップ」も制し、世界ランク18位で21~22年の新シーズンを迎えました。
松山はジュニア時代からダンロップ・スリクソンブランドのクラブを愛用し、ボールからウェア、シューズ、帽子など、ゴルフギアはすべてダンロップ(スリクソン)で現在まで統一されています。並行して所属契約を続けるトヨタは、同社が誇る高級車、レクサス車両を松山の国内外の移動に提供するなどのサポートを欠かしていません。「快挙を成し遂げてもなお、海外メジャー全制覇という新たな挑戦を続ける松山選手です。彼と、進化を目指すレクサスとは志を一つにして今後も走り続けたい」(レクサス関係者)と絶大な支援態勢をみせています。
松山は「2014年から8年間もレクサスの所属選手として大きなサポートをいただき、大変感謝しています。世界中どこにいてもレクサスと一緒に活動できるのは誇りでもあり、自分の挑戦への道を再確認するきっかけにもなっています。日本人としてまだだれも成し遂げていない海外メジャー全制覇へ、日々戦っていきたい」としています。
世界のトッププロとして松山英樹に支払われる契約金等も莫大なものです。所属契約のスタート当初、「3年で6億円」ともいわれましたが、以後10年近くもランクアップして経過していますので、想像を絶するものがあります。「所属」のほかに獲得賞金、各種スポンサー契約、用具契約等々が加算されますから、まさに日本のエースのみならず世界の超一流アスリートの域に達しています。
スポーツ界、特にゴルフ界でも昨今高額賞金が目立ちます。笹生が昨年優勝して100万ドル(約1億1000万円)を得た「全米女子オープン」も、22年度は賞金総額を450万ドル(約5億2000万円)アップして昨季の倍増近い1000万ドル(約11億5600万円)にすると主催の全米ゴルフ協会(USGA)が発表しました。女子スポーツ史上最高の賞金額といえそうです。これでは選手もさらにさらに発奮せざるを得ないでしょう。
(了)