ソニーオープン(ハワイ)の活躍で話題をまいた中島啓太(日体大3年)と並び、アマチュア界の“3羽ガラス”といわれた河本力(21)=日体大4年=と杉原大河(22)=東北福祉大4年=が、新年早々キャロウェイゴルフ(本社=米カリフォルニア州)と総合用具契約を結びました。昨年暮れ、男子ツアーのQT(ツアー出場をかけた予選会)挑戦と前後してプロ転向宣言をしたばかりの二人。プロ初年度は下部ツアーが主戦場になりそうですが、“世界の”キャロウェイが3月下旬に発売予定のニューモデル、独自の人工知能(AI)設計による飛距離アップを狙う「ROGUE(ローグ) ST」を新たな武器に、プロゴルフ界に新風を吹き込みそうです。
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アマチュア時代、ともに輝かしい戦績を残してきた二人。女子プロ、河本結の弟でもある河本力は、恵まれた体躯からの強烈なパンチ力が身上。新製品発表会場での試打では秒速84.7
㍍のボールスピードを記録して驚かせました。「キャロウェイはアマチュアのときからサポートしてもらったクラブ。こんどはプロとして契約してもらって本当にうれしい。ローグSTは初速が上がっているのが分かる。自分でもびっくり。それに方向性もよさそうなので、実戦で早く使いたい。(今年は下部ツアーだが)3勝が目標。チャンスがあればレギュラーでも勝ちたい」と河本。杉原の武器もやはり飛距離。
試打でのボールスピードは78.9㍍で、ともに男子プロツアートップ級のボールスピードでした。2020~21年でアマチュアとして出場した男子ツアー10試合のドライビングディスタンスは、河本が318.9ヤード、杉原が316.8ヤードで、ともに300ヤードヒッターのプロ参入です。
杉原は徳島県出身。東北福祉大2年の19年にプロのABEMA TVツアーで優勝。20年の日本オープンではローアマ(5位タイ)。21年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップでは3位タイに食い込みました。21年のダンロップフェニックスでプロデビュー。22年シーズンはQT115位でスタンバイです。「ニュードライバーは打感が柔らかく感じるが、しっかりした初速がいい。今年はまずはABEMA TVツアーが主戦場になりますが、チャンスはしっかり生かしてレギュラーツアーのシードを取りにいきたい」(杉原)。
河本は愛媛県出身で二人とも四国生まれ。四国ジュニア・秋(高1)、全国高校選手権・春(高3)で勝ち、プロトーナメントにも高2から出場して日体大3年の20年には日本オープン2日目に単独トップ。最終日は5位タイでローアマを獲得する活躍でその名を知られました。21年には杉原同様、プロのABEMA TVツアーで優勝で確かな足場を築きました。昨冬12月にプロ宣言、QTは70位と振るわず22年シーズンはQTランク74位。二人とも今春大学を卒業して本格プロツアー初年度を迎えますが、いきなりキャロウェイからのオファーを受けたゴールデンルーキーです。そろっての期待度がうかがえます。
今回発表されたキャロウェイの「ROGUE(ローグ)ST」。人工知能設計によるフェースが搭載され、ボールスピード向上を追求したドライバー4種が用意されました。会場での試打では二人のプロとも「緊張するな」といいながらボールスピードを証明する300ヤード超えのショットを連発しました。ボールスピードは飛びの3要素(ボールスピード。スピン量。打ち出し角)の一つです。ヘッドスピードを上げるには、体力の増強を必要としますが、もう一つのボールスピードは、使用するギアのサポートで瞬時に高めることが可能なのです。それを求めたクラブが、今回のキャロウェイ「ローグ ST」。期待のルーキーにふさわしい新兵器となりそうです。
ところで今春、キャロウェイ・ゴルフは女子プロの笹生優花(20)との総合用具契約を発表したばかり。続いて二人の大物アマチュアとの総合用具契約です。多くの世界のトッププロと契約を結んで、数々の実績を積み重ねているビッグ・カンパニー。日本でも石川遼はじめ上田桃子、西村優菜らが愛用するギアです。さて、今季各メーカー、多くの優勝者を出すのはどこでしょうか?
(了)