6位で1億円超を稼いだ男・香妻陣一朗(27)!世界のトップを見て、大金も!波紋広がる「リブ・ゴルフ」!

「リブ・ゴルフ」に早々と挑戦した香妻陣一朗。米国・ポートランドでの第2戦では、単独6位に入って1億1000万円をゲットした。

27歳の香妻陣一朗がやりました。サウジマネーをバックに英国ロンドンで開幕した話題の新リーグ「リブ(LIV)ゴルフ招待」。米国に渡った第2戦、オレゴン州ポートランドのパンプキンリッジGC(パー72)にも挑戦した香妻は、3日間アンダーパーで回る堂々のゴルフで通算6アンダー単独6位。賞金80万ドル(約1億1000万円)をゲットしました。ロンドンでの開幕戦15位で得た約3300万円(24万5000ドル)と合わせ、2試合6日間で計1億4300万円の荒稼ぎでひとまず“開幕シリーズ”を終えました。「リブ・ゴルフ」の次戦(3戦目)は7月29日から米ニュージャージー州トランプナショナルGCで開催されますが、香妻は出場が確約される“4位以内”には届かなかったため、いったん帰国して8月第1週の国内メジャー「日本プロ」出場を目指します。「リブゴルフ」第2戦に挑戦した日本勢4人では、初出場の稲森佑貴(27)が通算1アンダーで11位タイ。谷原秀人(43)が通算イーブンパーで16位タイ。木下稜介(30)は通算3オーバー23位タイに終わりましたが、それぞれ国内ツアーとは比較にならない数千万円単位の賞金を手にしました。
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稲森佑貴。今季国内2勝。「リブ・ゴルフ」第2戦から参戦。通算1アンダーで11位タイと健闘した(米・オレゴン州ポートランドで)

この試合は、開幕戦メンバーに加えて、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカ(ともに米)らも新たに加わり、一層フィールドを厚く豪華にして展開。優勝は3日間通算13アンダーでブランデン・グレイス(南ア)が逆転V。南アフリカ勢は開幕戦のC・シュワーツェルに続き2連勝ですが、4人1組の団体戦はダスティン・ジョンソン、パット・ペレス、パトリック・リード、テラー・グーチ組が勝利。それぞれ75万ドル(約1億125万円)をつかみました。“ジャパン4人組”は11アンダーで単独4位と健闘しました。

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ロンドンでの開幕戦で約3300万円(15位タイ=24万5000ドル)を稼いでいた香妻は、第2戦で71、69、70とアンダーパーのゴルフを続けて首位へ7打差の単独6位に食い込む大健闘。なんと賞金は1億円を超えて、1億1000万円。3日間大会の2試合6日間で1億4300万円を手にしていったん帰国します。姉は女子プロの香妻琴乃でプロゴルファー姉弟。

「よくわからないけど、出られるっていうから行ってみる。優勝5億円なんて、すごい試合だね」といいながら英国へ旅立った、香妻クン。ロンドン郊外のセンチュリオン・クラブでの開幕戦は、この試合のフォーマットの一つでもあるショットガン方式(各ティグランドから全員一斉にスタートする方式)にちょっぴり戸惑いながらも「団体戦もあったりで向こうの選手と仲良くなれたよ。楽しかったね」(香妻)といつもと違う海外試合を楽しんでいるようでした。試合はトータル3オーバー・15位タイに終わりましたが、それでも24万5000ドル(約3300万円)と、国内では優勝賞金並みのマネーを頂戴してご機嫌でした。

「リブ・ゴルフ」に参戦した日本勢を率いた谷原秀人。第2戦では16位タイ。

米国に渡っての第2戦にも出場の機会を与えられた香妻は、かなり雰囲気にも慣れてきたようでした。2日目を終わって4打差5位の好位置で迎えた最終日。出だしは緊張からかスタート直後の2番からいきなり3連続ボギー。「少し気負いもあってアタフタしたけど、直後の5番(パー5)でバーディーがきて楽になったんです」という。後半にターンするとボギーなしの4バーディー。危なかった最終18番もしぶとくパーを拾って「前半の悪いスタートからよく持ち直せた」と、満足度は及第点。6バーディー、4ボギー「70」で回り、首位には7打差つけられたが、世界の舞台での単独6位はご立派でした。

半信半疑で海を渡った香妻の「リブ・ゴルフ」体験は、ビッグな賞金に劣らない効果・収穫があったよう。最終日も18年のマスターズ・チャンピオン、パトリック・リードと同組で回り、17番(パー5)のイーグル、18番のチップイン・バーディーを目の当たりにして、そのメンタルの強さには唸り声をあげたとか。「世界のトップクラスと一緒にラウンドして、どこがどう強いのか、この目で見られたのは充実感でした」と香妻。「チャンスがあればまた出たい」と、短く言った一言は、高額賞金への思いだけではない。もちろん、プロである以上、フェアウェイに敷き詰められたビッグマネーへの魅力は、捨てがたいけれどー。

ギャラリーで賑わう練習レンジ。「リブ・ゴルフ」も人気選手出場で人気だ。

既存の米男子ツアーやDPワールドツアー(欧州ツアー)からは強い反発を受けながらも日ごとに急成長をみせる「リブ・ゴルフ」。常識を超えたビッグマネーをふんだんに使って世界から著名プレーヤーをひきつけています。優勝賞金の400万ドル(約5億4000万円)も驚かされますが、出場48選手のうち最下位48位でも12万ドル(約1600万円)が約束されています。通常の男子ツアーより1日少ない3日間54ホールの戦いで、予選落ちはない。個人戦とは別に団体戦も行われ優勝チーム(4人1組)には300万ドル(約4億560万円)が贈られます。参戦してほしいスター選手には「契約金」として高額金が支払われているという。フィル・ミケルソンには4年契約で2億ドル(約270億円)、ダスティン・ジョンソンには1億5000万ドル(約202億円)、ブライソン・デシャンボーには1億ドル(約135億円)が用意されたとの情報が流れています。世界ランキング26位、44歳のポール・ケーシー(英国)が第3戦から「リブ・ゴルフ」に参戦すると発表されました。

勢いを増してくる「リブ・ゴルフ」。今年は年間8試合の開催を確定していますが、来年2023年には「14試合を行う」とアナウンスしています。1試合の出場枠は「48選手」と変わらず。3日間競技、同時進行で4人ずつ12組による団体戦も行われる。賞金額も今年と変わらないとされ、出場資格は2023年からは年間を通じて「リブ・ゴルフ」の全試合に参戦することを誓い、契約をかわした「48選手」が正式な「リブ・ゴルフ」契約者となって参戦できることになりそう。まだまだ問題点はさまざまありますが、世界中のゴルフ関係者の“目”が集まっていることは確かな「リブ・ゴルフ」です。

(了)