“わが世の春”はいつまでも続かない!?女子ツアー。男子にも厳しい日程。2011年男女日程決まる

2011年の女子ツアー日程を発表する樋口久子会長(右)と小林法子副会長(左)=(東京・銀座、東武ホテル)
2011年の女子ツアー日程を発表する樋口久子会長(右)と小林法子副会長(左)=(東京・銀座、東武ホテル)

 話題豊富だったゴルフ界の2010年も暮れて、新しい2011年を迎えます。プロゴルフ界もまた新たな期待が膨らみます。その発進地となる国内の男女トーナメントスケジュールが、さきに発表されました。経済状況がいぜん厳しい中で、男子ツアーが1減1増の10年と同じ25試合を確保。女子ツアーも前年と同数の34試合を維持しました。危惧された大幅減少もなく、一見万々歳の日程となりましたが、手放しで喜べるものではありません。女子ツアーの賞金総額は28億6500万円で、10年より1,428万8,000円の減額。男子ツアーの賞金については昨年同様、不況のため流動的な部分があるとして、新春2月ごろに発表するとして明らかにされていません。
 
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2011年度の男子ツアー日程を発表するJGTO小泉直会長(中央)。左は山中博史専務理事、右は鈴木規夫理事(東京・港区、日本ゴルフツアー機構)
2011年度の男子ツアー日程を発表するJGTO小泉直会長(中央)。左は山中博史専務理事、右は鈴木規夫理事(東京・港区、日本ゴルフツアー機構)

 男子ツアーは前年同数の25試合をキープしましたが、いぜん女子ツアーよりは9試合も少ないトーナメント数となります。賞金総額について日本ゴルフツアー機構小泉直会長は「この厳しい経済状況の中で25試合を確保できたことはありがたいことです。しかし、10年がまずまずだったからといって11年もうまくいくとは思っていません。賞金は未発表ですが、10年の33億5,000万円とほぼ同額の33億円前後になると考えています。大会開催地方を広げたりしてファン層の底辺拡大を図りたい」との見通しを示しています。
 トーナメントは、3年間開催された「レクサス選手権」が中止となり、代わって「とおとうみ浜松オープン」(静岡・グランディ浜名湖GC)が新設されました。世界的な企業トヨタをバックに開催されていた「レクサスー」が消滅したことは、単に1試合がなくなったということ以上に大きなショックが男子ゴルフに残りました。小泉直会長もトヨタ出身だけに断腸の思いだったでしょう。「トヨタがやめたのなら・・」と、これに続くスポンサー離れを懸念する向きもあるようです。
 

若手の台頭で人気を盛り返した男子ツアー。(2010年日本プロから)
若手の台頭で人気を盛り返した男子ツアー。(2010年日本プロから)

 男子日程で一つ問題が浮上したのは、終盤の優勝賞金ともに4,000万円(10年実績)の国内ビッグトーナメント「ダンロップフェニックス」と「カシオワールドオープン」が、隔年開催のプレジデンツ・カップ(世界選抜ー米国代表対抗戦)、同じく隔年開催のオメガワールドカップ(国・地域別対抗戦)と重複することです。隔年開催なので10年度はなく、09年はプレジデンツ杯は10月開催でしたし、W杯はカシオワールドとやはり重複していました。
 この2試合は世界ランキングを基本にしてメンバーが選出されますが、石川遼や池田勇太らの日本のトップ選手はこの両試合とも選出される公算は大です。もし、今年のように国内賞金王争いが佳境に入っている場合は、どちらをとるかは大きな問題になります。プレジデンツ杯、W杯ともに日本国内ツアーの賞金にも加算されませんし、世界ランキングにも反映されません。選手の”名誉”になるだけですが、これらに出場することは世界的には大きな勲章となって評価されます。石川遼は前回(09年)のプレジデンツ杯には主将のグレッグ・ノーマンの推薦で出場しました。出場経験のないW杯は、大会3ヵ月前時点での世界ランキング国内最上位者が、パートナー一人を選ぶ方式です。前回(09年)は今田竜二が藤田寛之を指名して選出しました。
 
 大変な名誉であるこの両試合への出場ですが、国内、世界とも賞金ランキングに反映されないので選手は悩みます。「最終的な選択権は選手にあります」(小泉会長)となれば、選手が「海外に行く」といえば、それは止めようがありません。まあ、これは11年後半になってからの問題ですが「アメリカに振り回されている。日本選手が世界ランク上位にもっと何人もいれば、日程作成でも強く言えるのですが・・」と、JGTO山中博史専務理事は苦い表情で話しています。
 

女子ツアーも10年同数の34試合ですが、変わった点は「樋口久子IDC大塚家具レディス」が「樋口久子森永製菓ウイダーレディス」となったことです。大塚家具は大会名からは外れましたが、森永製菓と共催でトーナメントスポンサーには留まりました。あとは「明治チョコレートカップ」が「meijiカップ」と大会名称を変更したくらいです。ただ、注目は「SANKYOレディスオープン」の賞金総額が、1億1,000万円から3,000万円減額して8,000万円になったことです。ツアーの賞金総額は28億6,500万円で1,428万8,000円の減額です。
 

人気絶頂の女子プロツアーも、2011年は日本人若手の奮起が求められる(2010年初勝利で期待の森田理香子)
人気絶頂の女子プロツアーも、2011年は日本人若手の奮起が求められる(2010年初勝利で期待の森田理香子)

 2011年は小林浩美新会長にバトンタッチする樋口久子会長は「韓国勢の強さが目立ち日本選手の若手の活躍が顕著ではありませんでした。そうしたことが、ギャラリー数、テレビの視聴率などに大きく影響しました。2011年はさらなる自覚と、奮起に期待します。選手自身が分かっていることだと思います」と、苦言を呈しています。2010年は34試合中17勝が外国人。うち15勝が韓国勢。賞金女王も韓国の新人、アン・ソンジュに奪われるというありさまが、14年間務めた樋口会長の厳しい”置き土産”となったようです。観客動員数は合計54万2,562人で、前年度からは6万人以上も減少。大会最終日の平均視聴率も8.3%から7.1%に落ちました。
 
 米国女子ツアーがすでに数年前から、韓国勢を中心とした外国選手の活躍に蹂躙(じゅうりん)されて、人気の下降に苦しんでいます。日本もその同じ状況を招きかねないとの懸念を持つ人が多くなりました。2011年も前年以上に米ツアー帰りの韓国勢が日本ツアーに増える気配です。日程的には前年同レベルを保ったとはいえ、人気を独り占めしていた”女子プロフィバー”に甘えていては、痛い目に合う危険がいっぱいです。