横峯さくら(23)が最終日を戦わずして今季3勝目が転がり込んできました。ホントに今年のさくらはついています。ニチレイPGMレディース(茨城・美浦GC=21日最終日)は朝からの大雨で3組9人が強行スタートしたものの雨脚はやまず、中断のあと午前10時30分に最終ラウンド中止が決まりました。最終組で控えていたさくらは、雨にも濡れず2日目までの通算8アンダーの成績で優勝と決まりました。1,440万円だった優勝賞金は、規定により賞金ランク加算75%の1,080円。しかし、選手への支払いは、主催者の好意で全額が支払われ、もう笑顔また笑顔でした。ツアー通算12勝目のさくらは、今季まだ年間3分の1そこそこの出場13試合で、早くも獲得賞金は7,000万円を超えました。プロ6年目で念願の賞金女王は約束されたようなものです!
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横峯はツアーを転戦するのに自家用のキッチン付きベンツ・キャンピングカーを持っています。ゴルフ場では駐車場にとめていて、ここで寝泊り(最近は宿泊はホテル利用も多い)もしますし、食事や休息に使っています。ニチレイの最終日は朝からの雨で、さくらはこのキャンピングカーでくつろいでいるときに「競技中止。優勝はさくら」の知らせを聞きました。試合中止で優勝が転がり込んだのは12勝のうち初めての経験。「ラッキーだな・・という気持ち。でも1勝は1勝だし、すごく嬉しい!」と素直な気持ちを表していました。初日は5位のスタートだったが、スコアは3アンダーの69をマークしていて首位とは2打差。「調子は悪くないですよ」といっていた通り、2日目には6バーディー、1ボギーの5アンダー、67を出してあっさり単独トップに立っていました。「明日は天気が悪そうだから、伸ばせるだけ伸ばそう」と話していましたが、″最終日は雨で中止も・・〝とのかすかな期待?もしていたようです。その予感もピタリの最終日中止による優勝ですから笑いがとまらないのもうなずけます。
今年のさくらは23歳になって体格もしっかりとしてきました。その足腰を土台に最後まで振り切る軸のぶれないスイングは、一段と凄みを増しました。苦手としてきたショートパットも今年はほとんどミスがありません。例年、スロースターターだったさくらが、今年は出場3試合目、4月のスタジオアリスで早々と1勝した「余裕」は、目に見えて感じとれます。一つや二つボギーを叩いても動じず、他を見下ろすような安定したゴルフです。生きのいい若手もどんどん出てくる女子プロゴルフ界ですが、心技体、一段と充実してきたさくらは強敵です。ほとんどの試合で優勝争いにからんでいて、一番悪かったのが11位(中京TVブリヂストンとリゾートトラスト)というのですから、その安定度もわかろうというもの。それはイコール獲得賞金の多さにつながっています。
13試合で7,018万余の獲得賞金。1試合平均では約540万円を稼いでいることになります。このペースでいくと1億円はもう間じかで、1年では1億5000万円を超える大稼ぎをするかもしれません。プロ転向6年目ですでに生涯獲得賞金は4億7,140万1,321円。1位・不動裕理の10億8,207万1,481円にはまだまだですが、いまの強さを維持していけばそう遠くない日に接近していけるでしょう。
「最低でも年間3勝」を自身の今季の目標としていたさくらは、シーズン中盤を待たずして早々とその目標を達成。「まだ半分以上あるし、5、6勝できたらいいかなと思います」と、さっそくターゲットを上方修正するあたりは凄い自信です。
今年のさくらはこれまで13試合で優勝3回。トップテンは11回。予選落ちはなし。13試合のスコアは、全部イーブンかアンダーパーでオーバーパーの試合は一つもありません。部門別では平均ストロークなど5つの部門で1位を走っています。″さくら時代〝の到来といってもいいでしょう。
★横峯さくらの部門別(09年6月21日現在)
賞金 70,181,000円 (1位)
平均ストローク 70.3947(1位)
平均パット数 1.7367 (1位)
パーセーブ率 88.3041(1位)
平均バーディー数 3.84 (1位)
パーオン率 68.8596(4位)
リカバリー率 67.6056(2位)
生涯獲得賞金471,401,321円
(17位)