19歳・藤本麻子、日本女子アマゴルフ制覇。 7月プロテストの”大目玉!”

鋭いドライバーショットを放つ藤本麻子(日本女子アマ=仙台CC)
鋭いドライバーショットを放つ藤本麻子(日本女子アマ=仙台CC)

19歳の日本女子アマチャンピオンが誕生しました。藤本麻子。岡山・作陽高09年卒。宮城・仙台CCで行われた第51回日本女子アマゴルフ選手権決勝(6月27日 最終日)で作陽高の2年先輩、東香里(20=同志社大3年)を8アンド6の大差で破り、念願の日本女子アマゴルフ最高峰の座につきました。中学2年から挑戦し続けてきた日本女子アマは、これが6年連続の出場でしたが、アマ最後の一戦での執念の栄冠。10代選手の″日本一〝は10年連続で、若返る女子ゴルフ界の象徴のような麻子の優勝といえますが、藤本はすでに女子プロ2次テストを通過、7月28日からのLPGA最終プロテスト(滋賀・甲賀市、タラオカントリークラブ・西コース)を受験します。人気の日本女子プロ界にまたまた実力派の″金の卵〝の台頭です。

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6年連続挑戦、アマ最後の年に日本女子アマゴルフの頂点に立ち優勝カップを掲げる藤本麻子(仙台CC)
6年連続挑戦、アマ最後の年に日本女子アマゴルフの頂点に立ち優勝カップを掲げる藤本麻子(仙台CC)

藤本麻子といえば、現在の日本女子アマゴルフ界では知る人ぞ知るの″実力NO1〝トップアマの一人です。岡山県津山市生まれ。幼いころは空手、スキー。10歳から父・信吾さん(45)の勧めでゴルフを始め、05年夏、06年春の全国中学選手権優勝。作陽高では08年全国高校選手権春季優勝。06年から今年までJGAのナショナルチームの主力メンバーとして活躍。海外試合も多数経験しています。今年の国内女子プロツアーにも5試合出て3試合でトップ15入りしてベストアマになっています。後輩たちからも「麻子さんのいる学校に行きたい!」と慕われるほど、人間的にも魅力のある存在でした。それでいながら、日本女子アマは6年連続出場も昨年のベスト8強が最高位。どうしても勝てなかったタイトルをアマチュア最後のチャンスでものにしたのです。
今年の日本女子アマでの藤本は危なげなく勝ち上がりました。ストロークプレーの予選ラウンドでも首位で通過したあと、マッチプレーとなった決勝ラウンドでも調子を上げ、決勝戦、作陽高の2年先輩の東香里との1戦でも7ホール目から3連続アップで波に乗り、終始リードを奪って36ホール中、30ホール目に1㍍につけたバーディーパットを決めて突き放しました。予選ラウンドをトップ通過して優勝したのは03年の宮里藍以来2人目の完全Vでした。

今年の藤本は心に期すものがありました。6年連続して出場した女子アマも今年が最後の挑戦だったからです。
「やっと、勝てました。うれしいというより、ホッとしてます。いまの自分の力をすべて出し切れました。そのことに満足してます。去年まで悔しい思いをしてましたから・・」。

麻子は昨年12月中旬から1ヵ月ほど、アマ時代に知り合った昨年全米女子プロ優勝の曽雅妮(ヤニ・ツエン=台湾)を、米・カリフォルニア州のパームスプリングスの自宅に訪ねました。毎日ヤニととボールを打ち、ラウンドするゴルフ漬けの生活を送ったのです。そこで見たヤニのゴルフの凄さに麻子は大きな刺激をうけました。
「彼女は1本のクラブでスイングスピードを変えて距離を打ち分ける。ハイドロー、ローフェード、ストレートの中弾道、高弾道と打ち分けました。アイアンではキャリーで何ヤード、ランは何ヤードでピンに寄せる、と予言して打ち、またどんなライからでも1メートル以内に寄せてくるのです。世界で通用するようになるには、あれだけ高いレベルをクリアしなくちゃならないんだと、気持ちが引き締まりました」。

麻子は165センチの恵まれた体格。ドライバーの平均飛距離は260ヤード超の飛ばし屋です。何事にも動じない性格も勝負の世界では大きな武器になりそう。06年、女子ゴルフツアーの大王製紙エリエール(エリエールGC松山)では、2日目7バーディー、ノーボギーの「65」を出してトップタイに立ち、最終日、最終組で回ったこともあります。今年7月のプロテストは「トップ合格を目指しています」ときっぱりといえるのも自信の表れでしょうか。今週は台湾に遠征して台湾女子アマチュアゴルフ選手権に出場しますが、それが終わると最終プロテストへ、麻子の集中力がどこまで高まっていくかが見ものです。

◆藤本麻子の今季の国内女子ツアー成績

ヨコハマタイヤPRGR  予選落ち
スタジオアリス      15位タイ
フジサンケイ       10位タイ
リゾートトラスト     11位タイ
サントリー        予選落ち

(了)