シニアの新規大会「コスモヘルスカップ・シニア」(埼玉・越生GC、11月13~14日)でレギュラーツアー7勝の水巻善典(62)が通算8アンダーで逆転優勝。16年の「福岡シニア」以来4年ぶりの通算3勝目でした。大会直前には出場予定の崎山武志プロ(57)が新型コロナのPCR検査で陽性反応を示し、急きょツアーを欠場。主催の日本プロゴルフ協会は予定通り大会は行う決定をしましたが、全組で帯同を含めたキャディーなしのセルフプレーに変更、崎山と行動を共にすることが多かった選手は同組にし、ボランティアスタッフの参加も取りやめ、館内消毒の徹底など予防対策を一段と強化する騒ぎが起きました。無観客で開催したツアー初日には羽川豊(62)がホール・イン・ワンを達成するなど、2日間大会は波乱含み。初日トップの寺西明(54)を1打差で追った水巻が69で回り、2位に2打差をつけて逆転V。大詰の賞金ランクは、1位だった寺西明と入れ替わり、大会2位に入った篠崎紀夫がトップに立ちました。シニアツアーは残り2試合。
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崎山プロの陽性反応発覚でシニアツアーの会場は、異様な雰囲気に包まれました。男女、シニアの国内ツアーを通じて、出場予定選手に陽性反応が確認されたのは初めてのこと。大会出場に向けて11日にPCR検査を受けた崎山は、12日夜になって陽性が判明、自覚症状はないということでしたが、即欠場が決定。本人はホテルで待機し保健所の指導に従うこととしましたが、大会本部は大慌て。試合の開催は予定通り行うことに決まったことで、会場で崎山と行動を共にすることが多かった選手は同組とするなど、組み合わせを大幅に変更。全組でキャディーなしのセルフプレーで行うなどの対策を決めました。さらに同組でプレーした選手は、ホールアウト後にPCR検査の再実施をするなどの厳重な措置もとられました。
緊張感ただよう雰囲気の中で幕を開けた新規大会。その初日にはいきなりホール・イン・ワン が出るハプニングで盛り上がりました。左利きの羽川豊。8番(185ヤード)のパー3。6番アイアンのショットは、グリーン面は見えないながらピンに向かって飛び「入ったのでは?」という周りの声が・・。ご本人の羽川は「いや、奥にこぼれたんじゃない?」といいながら上がって行ったグリーンには、どこにもボールが見えず、やはりカップに沈んでいたといううれしいエース。
「(ホールインワンは)10回か11回目だね。入ったのもうれしいけど、今回は狙った球が打てたのが最高」と数多くエースを記録している羽川ならではの感想。初日は67で回り首位に1打差の2位タイの好スタート。初日、首位に立ったのは、9月の日本シニアオープンを制し、賞金ランクトップを走る寺西明でした。
そして最終日。1打差、4人の2位グループにいた水巻善典が追撃します。波乱の舞台らしい?ここでは一番難しいという北西の風が吹き、上位のスコアが伸びません。首位にいた寺西が2番で池ポチャのボギーとし、そのホールで6㍍のチャンスをものにした水巻が首位を奪います。後半、12番では4㍍を沈めて差を広げたとたん13番をボギーにして足踏みです。しかし次の14番パー3で5㍍のバーディーパットを沈め、続く15番パー4では3㍍につけて連続のバーディー。8アンダーと伸ばした同じホールで追っていた寺西、マイヤーがともにボギーとし「オレは勝ったなと思った。優勝スピーチ、何しゃべろうかと考えてたよ」と″勝利宣言〝です。
痛いボギーをたたきながらも、5個のバーディーを奪った水巻の粘り腰、バウンスバック力が勝因でした。
レギュラーツアーでは通算7勝の水巻善典。89年の「関東オープン」では最終日に青木功を逆転して劇的なツアー初勝利を収めたのも語り草。米ツアーにも挑戦んし、94年の「バイロン・ネルソン」で2位。日米両ツアーでシード獲得も経験しました。シニアになって2勝していましたが、16年の「福岡シニア」以来ここ4年間は勝星から遠ざかり、60歳代に入って久々の3勝目。
★水巻善典、60代初勝利のコメント
「きょうは風の中で5個もバーディーがとれた。最近はバーディーの数がずいぶん増えているので、いつ回ってもいいスコアで回れる感じがしてるんです。シニアオープン(9月=鳴尾GC)に合わせて練習してきたから、ゴルフの調子がずっと上がってる。その練習のときに、4番のパー3でエッジまで203ヤードを7番ウッドで届かなかった。いまのクラブは飛び過ぎるので、逆に古いクラブの5番ウッドを引っ張り出して打ってみたらすごく気持ちよく打てた。球が自分の思った通りに飛んでいる。この感触を忘れていた。で、アイアンも若いころに使っていたマッスルバックの重たいやつを引っ張り出したら、これも全然違うんだよ。こういう風にボールが気持ちよく飛ばないとゴルフって面白くないなと思ったね。変えてから4試合目。いまは毎週、スタートさえよければ優勝争いができるかなという感じ。いままでいろんなことを見てきて自分の中の自信というか、できることが分かってきた。60歳になって余裕が出てきたのかな。歯を食いしばってやるのではなくてね。やっとゴルフが始まったかなという感じです」
シニアツアーの残りはいぶすき(いわさき白露)と沖縄(金秀)の2試合。「指宿も青木(功)さんと優勝争いしたことがあるし、沖縄も去年は上位だった。コースの相性はいいからいいスコアで回りたいね」(水巻)。シニアツアーはこれまで今季6試合。賞金ランクは12位にいます。新型コロナ騒動に振り回されながらも50歳以上のおじさんたち、
勢力分布に″若返り〝が目立ちますが、頑張るシニアゴルフです。
◆現在のシニア賞金ランキング(上位)◆
(シーズン終了時30位までがシード選手)
①篠崎紀夫
②寺西明
③岡茂洋雄
④鈴木亨
⑤中山正芳
⑥塚田好宣
⑦清水洋一
⑧川岸良兼
⑨柳沢伸祐
⑩山添昌良
⑪室田淳
⑫水巻善典
⑬渡辺司
⑭河村雅之
⑮深堀圭一郎
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⑲崎山武志
⑳手嶋多一
21 藤田寛之
22 加瀬秀樹
23 伊澤利光
26 米山 剛
31 田村尚之
32 谷口 徹
36 倉本昌弘
45 井戸木鴻樹
57 羽川 豊
61 高橋勝成
68 尾崎直道
72 芹澤信雄
86 尾崎健夫
(了)