馬場咲希(18)ただ一人米ツアー2次予選会突破! 日本のプロテスト挑戦も目前。日米二股かけるアマ王者に悩みも!

米女子ゴルフツアーの来季出場資格を争う2次予選会が米フロリダ州ベニスのプランテーション・クラブの2コース(ともにパー72)で最終ラウンド(4日間競技)が行われ、アマチュアの馬場咲希(18=東京・代々木高3年)は堂々の15位。11月30日からアラバマ州での最終予選会(Qシリーズ)進出が決まりました。ここで「上位20位」に入れば、来季殆どの米ツアーに出場可能となります。最終予選会に進んだのは30位タイまでの41人でしたが、8人が出場した日本勢で圏内に入ったのは馬場一人だけ。原英莉花(24)は第3ラウンドでスコアを少なく記したカードを提出した「スコア誤記」により失格となりました。馬場は10月31日からの日本の最終プロテストも受験する過密日程を組み、日米を股にかけた挑戦となります。こんごどの道を選ぶのか、目を離せない咲希の行方です。

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初日、2日目とオーバーパーを叩き、予選通過の圏外で苦戦した馬場咲希。3日目の6バーディー、ボギーなしの「66」で蘇った。

初めて体験する馬場の米女子ツアー2次予選会突破はお見事でした。2日目までは短いパットを外して取りこぼしたり、池に落としダブルボギーを叩いたりとミスが目立ち「73」「73」の2オーバーで68位。最終予選進出圏内の“40位以内”から大きく離されて大苦戦。2日目を終えたあとは夕方おそくまで練習場にこもる馬場がいました。馬場がこのコースを訪れたのは2度目。4月に出場した「オーガスタナショナル女子アマ」の後に下見に足を運び、芝感やコースをチェック。グリーンが全体的に小さめなことも知り尽くしていました。迎えた3日目はアグレッシブなプレーに転じて、飛距離を生かしてバーディーを連発する咲希が蘇りました。10番から出て13番パー5で最初のバーディーをとると続く14番も9mを入れてバーディーで波に乗りました。17、18番でもまた連続ホールでバーディー。アウトへ折り返して3番、9番も取って、6バーディーボギーなし「66」のビッグスコアをマーク。馬場らしい攻めのゴルフを取り戻して順位も68位から19位へと大きくジャンプアップしました。

長打力を生かしたアグレッシブなゴルフが馬場咲希の生きる道だった。

順位を上げて気分的にも楽になった最終日。メークドラマは16番(パー5)でした。前半は出入りの激しいゴルフで、15番で3パットボギーを犯したときは「ヤバイと思った」と気持ちを引き締めた16番。このホール、セカンドショットで池を越えてショートカットが可能なパー5。長打力を持つ馬場の2打目は池を越えてフェアウェイ。下り傾斜も手伝ってボールはグリーン方向に転がるラッキー。止まったところは、ピンまで残り154ヤード地点。8番アイアンを握れる距離で、気合を入れた馬場のセカンドはピンそば1mに着地するベタピンのイーグルチャンス。冷静にこのイーグルパットを仕留めて1アンダー「71」。通算5アンダー、15位のフィニッシュ。キャディーを務める坂詰和久コーチと感謝感激のグータッチを交わす咲希でした。

「しんどかった!」生まれて初めて受ける米ツアー2次予選会。その過酷な4日間を経験した馬場咲希。ほっとし表情。

「すごいしんどかった。普通の試合みたいにプレーできるのかなと思っていたけど、全然違う。出場人数がすごく多いので、一つのボギー、一つのバーディーで順位が大きく変わり、1打が凄く重いのを感じましたね。12月の最終Qシリーズは少し日にちが長いので(6日間競技)今回とは違う感じになるかもしれない。覚悟を決めて最終QTには行きたいと思います。いまの気持ちは、よかったぁ、終わった~、って感じ。寝たいなぁ・・って」(馬場)。

 

 

いつも明るい18歳。馬場咲希。

初めて経験するLPGA・Qスクールの過酷さは想像以上だったようです。来年はプロになれるかどうかを決める4日間。感じたことのないプレッシャーと戦いながらの72ホールが終わった。が、プロ入りをかけた戦いは、これからが本番を迎えます。米女子ツアー最終予選会は11月30日~12月5日アラバマ州モービルで行われますが、その前に日本ツアーの最終プロテストが来週10月31~11月4日(岡山・JFE瀬戸内海)に控えているのです。早々に帰国した馬場は「日本のプロテストも通過できるように、しっかりと調整してのぞみたい」と準備を怠りませんが、これをクリアすると国内ツアーに出場するための「QTファイナル」(11月28日~12月1日)があります。その日程が米ツアーQシリーズ(最終予選会)と重なっているのです。国内プロテストに合格しても「QT」の方はおそらく欠場するでしょうが、米ツアーのプロになるのか、日本ツアーのプロになるのか。悩みは深いはずです。

(了)