世界最高峰のゴルフ海外メジャー、今季の「全米オープン」は6月13日から米ノースカロライナ州パインハーストNO2で行われます。その出場権をかけた予選会が世界各地で展開され、金谷拓実(26)が米テキサス州ダラスで行われた最終予選会に挑戦、一日2ラウンドをプレーし通算4アンダー、4位タイで通過。晴れの出場権を獲得しました。アマチュア時代に出場した2020大会以来、プロとしては初、4年ぶり2度目の「全米オープン」出場となります。日本時間の同日(5月20日)には日本予選会も滋賀・日野GCで開催され、石川遼(32)、河本力(24)、清水大成(25)の3人が出場権を勝ちとりました。石川遼は昨年に続く最終予選突破で8度目の本戦出場。大会最高位は、2011年の30位。昨年は63位でした。すでに権利を持っている松山英樹も合わせ、現時点で日本勢は6人が勢揃いしました。
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金谷拓実は前週「全米プロ」に出場。予選落ちしましたが、そのまま米国に滞在。「全米プロ」翌日開催(5月20日)の強行軍でテキサス州ダラスでの米最終予選会にエントリー。この会場では138人が11枠を争う狭き門でしたが、金谷はアスレチック・クラブ・ブルーコースを回った第1ラウンドを3アンダー、11位タイで滑り出し、ゴールドコースに移った第2ラウンドでも「71」と一つ伸ばし、トータル4アンダーとして4位タイに食い込みました。前週の「全米プロ」では初日に75をたたき2日目69と追い上げましたが通算2オーバーに留まり、中島啓太らとともに予選落ちしたばかり。地元日本ではなく米国の地でその窮地を盛り返したのはさすがでした。
金谷の「全米オープン」は、アマチュア最後の年、20年に経験があります。コロナ禍で例年の6月から9月に延期された大会。アマチュア世界ランク1位を背負っての出場でしたが「72」「75」とアンダーパーが出せずに通算7オーバー(ニューヨーク州ウイングドフットGC、パー70)で2日間で沈没でした。今回はプロとしてすでに国内ツアー5勝。海外でもアジアンツアーで1勝。国内では賞金ランク2位(21年)3位(23年)という実績を引っ提げての海外メジャー挑戦になります。国内だけでなく海外でも活躍している金谷拓実にかかる期待は、松山英樹(マスターズ優勝者の資格で出場)と並び日本勢トップクラスといってもいいでしょう。
日本勢では“今年こそ”の期待が石川遼にかかります。やはり日本地区予選も「関西オープン」が行われた翌日、一日36ホール競技というハードスケジュール。出場34人で3枠を争うシビアな戦いでしたが、石川遼は「66」「65」の通算9アンダーをマーク。河本力とともにトップタイで勝ち抜きました。8アンダーの3位に並んだ5人(清水大成、木下稜介、片岡尚之、平田憲聖、S・ビンセント=ジンバブエ=)によるプレーオフは、清水大成が2ホール目にバーディーを奪って最後の1枠を手にしました。
過去7回「全米」出場の石川遼ですが、予選落ちが3回。昨年は予選はクリアしたものの63位フィニッシュと、ほとんどいいところなしで世界の壁にはね返されています。
「今年もすごい楽しみな気持ちでいっぱい。毎年、自分のゴルフ感をアップデート(新しい知識を吸収し、スキルアップを図ること)してくれる大会。全米で得た課題を克服するためにこれまでも練習に励んできた。いままでいい成績を出せなかった悔しさを今年こそ晴らしたい」と、リベンジの意欲をぶつけています。遼も32歳。もう若くはありませんが、これまで積み重ねてきた“遼ゴルフ”の集大成として世界のメジャーと向き合っています。さて、この石川を含めた“6人衆(現時点)”、どんなゴルフを大舞台でみせてくれるでしょうか!
(了)