Daily Archives: 2025 年 7 月 14 日

メジャー第4戦「エビアン選手権」、日本勢最高の11位。難コースで貴重な体験・竹田麗央(りお)の泣き笑い!

フランス南東部、レマン湖に隣接する美しい舞台。美しいが、傾斜が多く芝目も厳しいフェアウェイやグリーン。まるで富士山麓のくせの強いコースに迷い込んだよう。しかし、それなりに“日本的なコース”ともいえる“エビアン”です。昨年は古江彩佳が優勝し、一昨年は3位に畑岡奈紗と笹生優花が並び、22年も西郷真央が優勝争いのあと3位で戦いを終えています。

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昨年の55位から大きく前進。進化している点がいくつかあったという

今年から米ツアーに本格参戦している竹田には、楽しくもあり、厳しさも多いハードな舞台のメジャー第4戦「エビアン」でした。いきなり60台を連発して2日目には首位に4打差の7位。“スコアの動く”3日目を迎えて、アップダウンのシビアなコースにじわじわと痛めつけられます。前半7番(パー5)で2オンしたものの、10㍍ほどある難解なライン。イーグルパットは「結構スライスすると思ったので1㍍圏内に止まればいいと思って打ったのが入った。ラッキーだった」と、ギャラリーの大歓声を聞きながら今季ツアー8つ目のイーグルをかみしめたとたん、次の8番(パー3)で、倍のショックに見舞われます。6㍍ほどのバーディーパットが2㍍近くオーバー。パーパットもカップ手前でとまる3パットで、顔がこわばりました。

「3パットはどうしても流れを悪くしてしまう」と、その“明暗”を嘆いた麗央。

こうしたことがきっかけで、バーディーが止まってしまうのは、ゴルフの魔訶(まか)不思議なところ。8番(パー3)は湖に向かって打った7~8㍍のパットが大きくオーバーして3パット。14番は1.5㍍をミスするなど後半へ向かっては2ボギーと手痛いホールの連発フィニッシュでした。

「流れをつかめなかった」とうなだれた竹田でしたが、首位まではそれでもまだ4打差。最終日へ気を取り直すチャンスが残ったのはラッキーでした。

その最終ラウンド。12位で出た竹田は1番で左の林へ曲げ、いきなりボギー発進。

チャンスを作ったホールのパットも思うように決まらず、4バーディー、2ボギーの「69」。通算9アンダーで日本勢最高位の11位だけはキープしました。日本勢開幕からの連続トップ10入りは17試合でストップです。

全米女子オープンでは2位。全米女子プロは2位で予選をクリアしながら3日目に大たたき(「80」)して失速でした。3月中国での「ブルーベイLPGA」では早々と米ツアー1勝した竹田も、メジャー初優勝を目指した「エビアン選手権」ではまだ手が届きませんでした。

日本ではいきなりトップスターの地位をつかんだ麗央にも世界への課題はまだ多いということなのでしょう。ただ、55位と問題にならなかった1年前の大会からは進化している点がいくつかがあったことはうれしかったという。狭いフェアウェイでもうまく打ってキープできた経験。そのひとつひとつが“良薬”となって身についてくるでしょう。また1年後の竹田の「エビアン」が楽しみではあります。

次週は、スイス・マッターホーンやフランス・パリを観光して英気を養ったあと、強風が吹く「スコットランド・オープン」でまた一つ貴重な初体験を味わってくるという。(了)