遅れていた米国LPGAのツアー今季日程が、新年になってようやく発表されました。米男子ツアーは昨秋10月19日に、前年より約1ヵ月半も早まって発表されましたが、女子ツアーは遅れ遅れの発表。景気回復が遅れている米国だけに、試合数の減少も懸念されましたが、フタをあけてみると昨年の23試合より4試合も増加して27試合が組み込まれました。このところスター不足などから人気は下降気味だった米女子ツアー。今年は史上最年少の16歳、LPGA特例で選手資格を与えたアレクシス・トンプソンにもあやかろうというのでしょうか。なんとか試合減少傾向に歯止めをかけましたが、米国外に出てアジアでの試合は今年も7試合(豪州を含む)あります。米国女子の開幕は2月9日から豪州でフタあけです。米男子の方は、昨季と増減なしの45試合(プレーオフ、フォールシリーズ含む)で、すでに1月第一週からハワイで開幕しています。
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例年、年内に発表される次年度の米女子ツアー日程が、昨年に続いて今年も年明けになりました。不況続きの米国でも、ツアーのスポンサー確保が思うようにいかないのが原因のようです。米女子ツアーはこのところ人気が落ち込んでいます。宮里藍が5勝して話題を集めた(10年)のをはじめ、賞金女王は09、10年と2年連続で韓国勢。昨年は台湾のヤニ・チェンが7勝を挙げて初の賞金女王に君臨しました。アジア勢の勢いは止まりません。これは米国女子ツアーの日程編成にも大きく影響を及ぼしました。08年には34試合あったツアーも11年は23試合。年々減少するなだれ現象でしたが、昨年は23試合中、台湾と中国での2大会を新設するなどアジアで計7試合を組み込む“苦肉の策”で、なんとか食い止めました。
今年の日程をみても新設の豪州の試合を含め、アジアではやはり7試合が組み込まれています。昨年は13試合と落ち込んでいた米国内の試合が15試合と、やや回復傾向です。開幕戦は、もう恒例となったアジア開催。昨年の開幕戦だったホンダPTT・タイが第2戦に下がり、新設されたISPSハンダ女子豪州オープンが、昨年男子のプレジデンツ・カップが行われたロイヤル・メルボルンGCで開催されます。第3戦がシンガポールでHSBC女子チャンピオンズと、開幕3試合は米国から遠く離れた異国での大会です。そのあとは米国を転戦しますが、10月以降はまたアジアに戻っての4試合は昨年と同じです。
米国女子ツアーは“女王”アニカ・ソレンスタムに続き、“無敵”のロレーナ・オチョアも一昨年5月に引退。賞金レースを引っ張っていくような米国選手が不在で人気はみるみるうちに落ちました。昨年は9月のナビスター・クラシック(アラバマ州)で16歳のアレクシス・トンプソン(米)がツアー史上最年少優勝を果たして話題になりました。2日目に首位に立ち、最終日も2つスコアを伸ばし、2位に5打差をつける圧勝でした。ポーラ・クリーマーの18歳9ヵ月を大きく更新する16歳7ヶ月での初Vでした。フロリダ州出身。長兄はプロ、次兄もトップアマというゴルフ一家。2007年には史上最年少の12歳で全米女子オープンに出場して「天才少女」と脚光を浴びました。1メートル80の長身から繰り出すドライバーは、優勝した試合では平均飛距離276・63ヤード。飛ばし屋でしられるヤニ・チェンを上回りました。米女子ツアーは、18歳未満にはシード権を与えていないのですが、16歳のニューヒロインに特例として「2012年のツアー選手資格を与える」と発表しています。
韓国勢に台湾パワー。それに昨秋、ミズノ・クラシックを制した日本の上田桃子・・とアジア勢に席巻される米ツアーが待ち望んだ“地元”米国の16歳新鋭にかける期待度ははかり知れません。今季の米女子ツアー日程が久々の増加に転じたのは、スポ ンサー企業がこういった要素をすばやく感じ取っているのかも・・。
☆新設された4大会☆
ISPSハンダ女子豪州オープン
2月9~12日豪州ロイヤルメルボルンGC
LPGAロッテ選手権
4月18~21日ハワイ・会場未定
マ二ュライフフィナンシャルLPGAクラシック
6月21~24日カナダ・グレイシロGC
キングスミル選手権
9月6~9日米バージニア・キングスミルリゾート