１７歳・石川遼の米ＰＧＡツアー初挑戦がいよいよ今週１９日（日本時間２０日）から始まります。主催者推薦で出場がかなったノーザントラストオープン。このオフ、やや打ち込み不足のまま渡米した石川が世界トップレベルの米ツアーでどんなパフォーマンスをみせるでしょうか。石川は１７日に発表された世界ランキングで前週の６４位から６７位へ後退。この週発表のランキングで６４位までの選手に出場権が与えられるアクセンチュア世界マッチプレー（２５日～３月１日アリゾナ州）への出場は、よほどの欠場者が出れば別ですが、ほぼ絶望です。従って４月のマスターズまで出場できる米ツアーは４試合。それだけに一つ一つの試合がより大切になってきました。

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　ノーザントラストオープンが行われるリビエラＣＣは、米ロサンゼルス郊外、ビバリーヒルズからはクルマで１０分あまり。太平洋岸のサンタモニカからは約２㌔にある名門コースです。０７年までニッサンオープンとして日本のファンにも親しまれてきた大会ですが、前身は１９２６年にロサンゼルスオープンとして第１回大会が開かれ、途中グレン・キャンベル、ニッサンなどの冠がつき、昨年からはノーザントラストオープンとして歴史ある大会が引き継がれました。現在会場となっているリビエラＣＣは、ユーカリの木々に囲まれほとんどフラットですが、湿った海風と独特のキクユ芝のラフ、目の強いポアナ芝のグリーンで有名です。アイアンのヘッドをとられる粘っこくて強いキクユ芝は特に難物で、これまでも挑戦した多くの選手を苦しめました。ジャック・ニクラウスもタイガー・ウッズも一度も勝ったことのない苦手にした難コースです。８３年、９５年には全米プロも開催。大リーガーのイチロー選手は９９年１２月に弓子夫人とここで結婚式を挙げました。

　ところで、この大会は日本人選手には意外と相性がいいのです。９２年大会では金子柱憲が３位、０１年は伊澤利光がプレーオフで敗れた２位タイ、０２年は谷口徹が５位、０４年は丸山茂樹が２位、昨年は今田竜二が５位とベストテンに名を連ねています。長いパー４のホールも多くて距離もあるのですが（昨年は７,２７９ヤード、パー７１）、１０番のように３１５ヤードでパー４というワンオンもしそうなホールもあります。ですが、この右曲がりの１０番は、グリーンの周辺には大きく口をあけたバンカーが待ち受けています。ティーショットの落とし場所も難しいですし、セカンドの距離感が難解なのです。バーディーもとれるが、ひとつ間違えばダブルボギーがある危険なホールです。かってニクラウスが「ＮＯ１のパー４」といってはばからなかったのがこの１０番ホール。遼クンがこれをどう攻めるか、見ものです。また６番はグリーンの中にバンカーがある名物ショートホール（１９９ヤード、パー３）。ナイスショットしても報われないこともあってアンフェアーだとの声もありますが・・。

　とにかく長いからといってガンガン飛ばせばいいというコースではありません。狙ったところへ正確にボールを運んでいく緻密なゴルフが要求されるのです。そのあたりが日本選手に合っているのかもしれませんが、石川遼は「クラブ（の番手）を落として刻んでいくようなことはしない。僕らしくドライバーでぶっ飛ばしていきます」と宣言しています。昨年の日本オープン（古賀ＧＣ）での成功（２位）を思い出しますが、マスターズへの出場も決まり、世界進出への初陣を飾れるか、そのプレーには日本だけでなく世界中から注目が集まっています。

　もう一つの注目だったのが、今週の世界ランキングです。ノーザントラストオープンの翌週、２５日から米アリゾナ州で行われるアクセンチュア世界マッチプレーに出場できるのは６４人。前週世界ランクぎりぎりの６４位にいた石川は、１７日には３つ順位を落として６７位と発表されました。試合のない石川はすべては他人次第でしたが、試合をやっている米ツアー、欧州ツアーなどから上の順位に上がってくる選手がいたのです。石川は補欠リストには名前が挙がっているようですが、３人繰り上がっての滑り込みは微妙になってきました。「一応はアリゾナへ行って待機します」と、石川は補欠からの滑り込み出場の可能性にかけていますが・・。

◆ノーザントラストオープンのＴＶ中継◆
ＮＨＫＢＳ１＝３日目の２２日（日）、最終日の２３日（月）ともに６：１０ＡＭから実況中継。他にゴルフネットワークも。