男子ツアー(下部)に挑戦した横峯さくら(32)の決勝進出は成りませんでした。下部ツアーの今季開幕戦「AbemaTV」ツアーのNovilカップ(徳島・JクラシックGC)にトライしたさくらは、初日から7オーバー、123位と出遅れ。2日目も1バーディー、4ボギーの75で通算10オーバー。出場142人中128位であえなく予選落ち。女子選手で初の予選突破の快挙は成りませんでした。2日間で奪ったバーディーは2個。女子にはない7000ヤード超(7206ヤード、パー72)の厚い壁は打ち破れませんでしたが、初日1146人、2日目1631人の大会史上最多のギャラリーを集めたさくら人気はさすが。「いい経験をさせてもらった。次こそリベンジしたい。7000ヤード以下のコースなら・・」と再挑戦の意欲をほとばしらせました。
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3年間、米女子ツアーを戦ったさくらが、昨年はシード権を失い日本に舞い戻った機をとらえての国内下部ツアーへの主催者推薦出場。国内ツアーにもシード権のないさくらは、一も二もなくこの誘いにOKを出しました。今季からゴルフ界に参入してきた「AbemaTV」が、下部の「チャレンジツアー」から名称を変更。全面バックアップで下部ツアーを強化しました。今季は12試合のすべてが3日間競技に格上げ。全試合インターネットテレビ局の「AbemaTV」が完全ナマ中継。賞金総額も1500万円以上とする改革を断行した矢先の開幕戦でした。
さくらは、当時19歳のとき、全米プロゴルフ協会公認のローカル大会、ハワイ・パールオープンに出場。予選も突破して6アンダー、17位に入る健闘をみせたことがあります。それ以来となる男子ツアー出場で注目度は高まるばかりでした。初日、出だしの10番でいきなり約7㍍のバーディーパットを決め、意気が上がりましたが、2つ目のバーディーがとれません。下部ツアーとはいえ、女子ツアーには見られない難しいピン位置。男子仕様の速いグリーンにも手を焼きました。「第2打を3Wで打つパー4がいくつもあるので辛かった。飛距離よりもマネージメントをしっかりしていこうと思ってはいましたが・・」(さくら)と、苦戦の続いた初日は6ボギー、1ダブルボギーの結果で7オーバー、79と崩れました。
挽回をはかった2日目も厚い男子の壁にはね返されました。スタートの1番(パー5)をボギー発進。唯一の300ヤード台のパー4である8番で、残り60ヤードのセカンドを4㍍につけて初バーディー。前半はパープレーで凌ぎました。しかし、前半より距離の長い後半では防戦一方。バーディーチャンスも少なく3つのボギー。トータル75とスコアを伸ばせず通算10オーバーでのフィニッシュでした。カットライン(+4)には遠く及ばず、09年の賞金女王も男子仕様のコースには勝負になりませんでした。
女子プロの中では飛ばし屋で通っていたさくらも、32歳。若いころに比べれば飛距離もグンと落ちています。巧みなアプローチやコース攻略のマネジメントなどにはさすがと思わせるものもありましたが、さくらの″勝負強さ〝も、男子ゴルフの壁には勝てませんでした。
☆久々に男子ゴルフを経験した横峯さくらは?
「コースが特に後半はグリーンも硬くてタフでした。女子ツアーだと薄い当たりでもグリーンにとどくけど、男子はちょっと薄く当たるともう距離を残してしまう。やはり距離のハンデは大きい。でも男子のプレーを間近で見られて勉強になりました。経験を今後につなげたい。この機会をいただいたことが嬉しかった。これからも男女を問わず、ゴルフ業界に貢献できれば嬉しいです。またリベンジしたいですね。7000ヤードを切るコースならね・・」
さくらがいた2日間で3000人近いギャラリーを集めたのも、さくらの知名度の高さを物語っていました。日本男子ツアーに出場した女子選手は、これで7人(8度目)。いずれも予選落ちという結果になりましたが、同じティーグラウンドなど同条件下で戦って女子が男子を上回るのは、ゴルフ競技ではいささかムリな話のようですが・・。
今週は女子ツアーに戻って「スタジオアリス女子OP」(兵庫・花屋敷GCよかわ=6日から)で今季4戦目を戦うさくらに、また注目です。(了)