「私がいなくなってハッピー!?」 来季は米シニアへ挑戦するマークセン(タイ)に悲喜こもごも日本勢

″シニアの鬼〝といわれてたP・マークセン(タイ)。無敵の進撃で3年連続シニアの賞金王決定!(富士フィルムシニア=茨城・江戸崎CC)

シニアでは″無敵〝のゴルフを続けるタイの刺客、プラヤド・マークセン(52)が、今年も盤石な戦いで3年連続シニア賞金王に輝きました。すでに前週の福岡シニア時点で賞金王を確定させていましたが、富士フィルムシニア(茨城・江戸崎CC)では、欧州ツアーを主戦場にするバリー・レーン(58=英国)に通算10アンダーで優勝をさらわれ、マークセンは2打差で単独2位。今季6勝目は逃がしたものの2位賞金は665万円。今季は7536万1400円を稼ぎ、シニアデビューした2016年から3年連続で年間獲得賞金記録を更新する堂々の賞金王です。来季は米シニア(チャンピオンズ・ツアー)のファイナルQTに挑戦することを宣言。QT受験で渡米するため、今季国内シニア(残り3試合)の出場はこれで終了です。″鬼〝がいなくなる来シーズンの国内シニアツアーに″ホッ〝とする声も上がっているのは、ちょっと寂しいお話ですが・・。

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52歳とは思えぬシャープなスイングでビッグドライブを飛ばすマークセン(2位に終わった富士フィルムシニアで)

52歳になったいまも、しっかりとした足腰で、シャープなスイングとパッティングを続けるマークセンには、太刀打ちできる日本のシニアがいませんでした。今季シニア11試合に出場して5勝。うち9試合はトップテン以内で戦い、2位が2回。もう手がつけられない″シニアの鬼〝に君臨していたマークセン。小柄な体ながら、放つ飛距離は「半端じゃない」(日本のシニア選手の声)飛ばし屋。シニアの平均ストローク(67.90)、平均パット数(1.68)ともに1位。パーオン率は2位(73.78)と部門別のランキングも上位を占めています。飛ばすだけではなく、アイアンのキレやパットもAクラス。シニア

1番ティーグラウンドで打ち終わったマークセン(茨城・江戸崎CC)

入りしてもレギュラーツアーの出場資格も保持する両刀使い。昨季もレギュラーの賞金ランク18位。5000万円を超える賞金をここでも稼ぎ出している恐ろしいまでのプレーヤーです。  酒も、たばこもやらず、ゴルフ一筋という優等生。シニア入りした当時、一度は米シニアへの挑戦を表明したことがありましたが、亡くなった夫人の法要と重なって米シニアは中止したいきさつがあります。3年間日本で賞金王を連続で獲得し、シニア通算13勝(レギュラーツアー通算5勝)。改めて今回米シニアツアー挑戦へ踏み出すことになったものです。

マークセンの日本での今季シニアツアーは富士フィルムで終わりましたが、あと2試合国内で戦います。次週は三井住友VISA太平洋(御殿場)、さらにダンロップフェニックス(宮崎)とレギュラー2試合に出てから渡米するスケジュールです。今季のレギュラーでもシード確保はほぼ決めているので、さらにビッグ賞金の2試合で上積みしての渡米を目指しています。

欧州ツアーが主戦場のバリー・レーン(英国)が最終日、ベストスコア「64」で回り、マークセンを2打差2位に抑えて逆転V。
日本びいきのレーンが、日本ツアー初Vで歓喜の優勝カップを掲げる(富士フィリムシニア=茨城・江戸崎CC)

マークセンは、米国挑戦用に44インチだったドライバーのシャフトを、45インチと1インチ長くしてすでに調整を続けています。飛ばし屋ですが、距離のある米国のコースを想定してさらに飛距離を伸ばそうというたくましい狙い。いま人気の高いスリクソン785FLのプロトタイプがマークセンのエースドライバーですが、さらに「ゼクシオ10も持っていき、コースの幅によっては使い分けようかと思っている」(マークセン)とQT通過へ万全の準備。さらに「アメリカシニアツアーのQTファイナルは、15~18アンダーぐらい出せば通ると思うので、頑張りたい」と勝算も怠りないマークセンです。

★今季のシニアツアーで稼いだ賞金、7536

万1400円。3年連続記録更新での賞金王。レギュラーツアー今季賞金1300万円超ーマーク

最終日、64のビッグスコアで逆転優勝したB・レーンのドライバーショット(茨城・江戸崎CC)

センのコメントです。

「昨年の賞金記録をまた超えられたことはうれしい。今年は優勝も5回できたし、2位とか3位の上位に何回も入れた。満足している。レギュラーツアーも残り試合を頑張ってからアメリカへ行きたい。今週、調子は戻ってきたので楽しみ。でもアメリカのゴルフ場はどんなところなのかわからないので、向こうにいてからしっかり確認したい。(日本の)シニアの人は、私がいなくなってパッピーだといってくれてるようですが(笑)・・」

確かにマークセンがいなくなる来季(ファイナ

今年から舞台を千葉ザ・CCジャパンから茨城・江戸崎CCに移した富士フィルムシニア。1番ティーグラウンド。

ルQTを通過できればの話)の国内シニアは、戦いやすくなるのは事実でしょう。しかし、いなくなればいい、ということではないはずです。どうしても成らなかった打倒マークセンの意欲を、新たなところで発揮してシニアツアーを盛り上げてもらいたいものです。

(了)